2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

【憑依モノ祭り3日目】汚泥を注がれた少女たち

作者:メッチョ
作者コメント:このようなお祭りに参加させて頂くのは初めてになります。ベストをつくします。





「ああ、クソが!」

 男は空っぽになったビール缶を投げ捨てた。それはすでに投げ捨てられた空き缶とぶつかり、安っぽい音が薄汚れた部屋に響く。3缶以上飲み干したはずの男の顔は、どこか醒めたようにイラついた表情をしていた。

「俺は酒に溺れて、逃げることもできないって言うのかよ」

 男は現実に嫌気がさしていた。一流とは決して言うことができないけれども、そこそこの大学に合格したはいいものの、就職活動に失敗。辛うじて入社した会社は、所謂ブラック企業で、身体を壊したうえで、不況の煽りを受けてリストラされた。その後は働く気力もなく、一日中部屋にこもって過ごしていたのだが、ブラック企業で唯一得られた貯金だけで一生を過ごせるとは、到底思えるはずもなかった。

「もう30を超えたっていうのに……どこで人生を間違えたんだ。どうすればいいんだ」

 焦燥感からか、男の喉はいやに乾いていた。しかし決して安くはない、酔うことのできないアルコールに用はない。嫌な考えをかき消すように、掻き毟った頭皮から、ポロポロとフケが落ちる。男は思った、たまには風呂に入って気を晴らすのもいいかもしれない。飲水も兼ねて、その重い足を洗面所へと向けた。
 風呂場を適当にシャワーで洗い流し、風呂を沸かす。そのついでにシャワーから流れる、鉄臭い水でのどを潤す。風呂が沸くまでの間、手持無沙汰の男の目に鏡がとまる。洗面所の小さな鏡には、浮浪者のように薄汚い男が映る。久しぶりに見た自身の顔は酷いもので、何週間も剃られていない髭と、心労のたたった辛気臭い表情が相まって、10歳以上は老けて見えた。

「俺がイケメンだったら……、いや、俺が美少女だったら、もっと人生が楽しかったはずだ」

 男はブラック企業時代のことを思い出していた。セクハラでやめていく女性社員も多かったが、それを上手く利用して、仕事をサボりながら定時で帰宅する女性社員も少なからずいた。

「俺が必死になって残業してたのに、顔が良いってだけで……ちくしょうが!」

 それを皮切りに、男の嫌な記憶がふつふつと湧き上がってくる。気分を晴らすはずが、思考が悪い方に流されている最中、風呂がいい感じに溜まっていることに気が付く。よれよれのジャージを手早く脱ぐと、それを思いっきり投げて湯船につかる。

「久しぶりだけど、風呂はやっぱりいいな。最近寒いし、あったまるな」

 お湯の温かさからか、いまさら酔いが回ってきたのか、頭がぼんやりとして、気分がよくなってくる。少し前まで昔のことを思い出していたせいか、いまよりもずっと楽しかった、子供の頃の記憶が思い出される。

「はは、こんなに昔のことを思い出すなんてまるで走馬燈みたいだな。あの頃は楽しかった……、あの頃に戻りたい」

 男が思い出していたのは、ただ遊んでいればよかっただけの時代。家に帰れば、親が食事を作ってくれた何十年前の記憶。

「女性には全く縁がなかったなぁ。モテる努力すれば変わったのかな、いやこの顔じゃ変わらないか。なら、どうせなら美少女として生まれたかった。ちやほやしてもらえそうだし」

 男の子供の頃は決して悪い人生ではなかったものの、どうせならと、もっと楽しい人生を夢想する。美少女に生まれて、ちやほやされる人生。男も女も魅了して、誰かに甘えながらいきる自堕落な生活。

「どうしようない考えだな……。親のいる地元に帰って、バイトでも始めるしかないか。はぁ、そろそろでるか」

 男の気持ちは少し晴れていた。風呂場の扉を開けると凍えるような風が男の身体を包む。

「んぐぅ」

 心臓を締め付けられるような痛みが、男を襲う。男の身体は重力に従って、そのまま脱衣所に倒れ伏す。不健康な生活、アルコール、低い気温等が重なり、男の身体を襲ったものは、ヒートショック現象であった。一人暮らしのため助けは来ない。加えて言えば、引きこもっていた生活から、死体が腐るまで誰にも見つからないだろう。
 男は死を悟る。薄れゆく意識で思う。なんで、ちゃんと生きようとしたそばから死ななきゃいけないんだ。どうせ死ぬなら、希望を抱く前の、死ぬ勇気もなかったあの時に死にたかったよ。クソのような人生だった。


「はぁ、これでいいの? なにをやるかと思えば黒魔術って。蛍ってあれよね、中二病ってやつよね。」
「えー、そんなこと言いながら、手伝ってくれる綾歌はツンデレさん? それともぉ、アタシのことが大好きラブラブ? キャー、襲われちゃう」
「ふ、ふざけないで! 帰るわよ!」

 和気あいあいと作業する二人の少女、皆上綾歌と佐城蛍との間には、大きな紙に
ペンで描かれた六芒星が設置されている。蛍がどこからか見つけてきた怪しげな黒魔術の準備を始めて1時間、完成まであと1歩と言うところまで来ていた。
 皆上綾歌と佐城蛍は同じ学校に通う幼馴染で昔から仲がよかった。ただ、二人は傍から見ると相性がよくなさそうに見える。皆上綾歌は成績優秀でクラス委員を務めるような真面目な性格だが、一方で佐城蛍は突飛な行動をよく起こしたり、学校をサボったりもする。

「これで完成ね。で、蛍はこれで何をするのよ」
「お願いかな? 伸長を伸ばしたいのと、綾歌みたいなかっこいいストレートな黒髪が欲しいのと、他にも……」
「どんだけお願いするのよ。伸長伸ばしたいならちゃんと寝なさい。それに蛍の髪だってフワフワしてていいじゃない。」

 綾香が蛍の頭を触りながら言う。綾香の伸長が特別高いわけではないが、蛍の身長は平均よりも10 ㎝程度小さい。

「もー、触るなー。いいもん、これにお願いして手に入れるから。じゃあ、始めるよ」

 スマホを見ながら、そこに書いてある黒魔術の呪文を唱える。どこの言葉とも分からない呪文を真剣に唱える蛍の姿に、綾香は思わず笑いをこらえる。ここで笑ってしまうと、ふて腐れてしまうのが目に見えているからだ。

「はいっ。これでお願いするだけ。ほら、綾香も何かお願いしとけば」
「お願いねぇ。……ん? この部屋こんなに暗かったっけ?」
「え、さっきと変わらないと思うけど」

 綾香はどこか不気味な感覚を覚えた。綾香自身オカルトを全く信じてはいない。蛍がやりたいと言うので、付き合っているだけである。蛍が嘘を言っていてドッキリを仕掛けている、妙に本格的な雰囲気に流されただけ、そうも考えた。ただ、この違和感がオカルト的な何かだとしか思えなかった。
「ねえ、早く辞めようよ」
「えー、怖いの。綾香の珍しい姿見られちゃった」
「なに、この男の人!?」

 綾香の目には半透明の男がはっきりと映っていた。薄汚く、浮浪者のように髭の伸びきった、生気の感じられない男の姿が。その男は、何かに惹かれるように、綾香に向かっていく。

「いやっ、来ないで!」
「ど、どうしたの綾香。だ、大丈夫!?」

 綾香は、身体に何かが入り込んでくるような、不気味な感覚を感じた。身体は人に覆いかぶされたように重く、汚されたような嫌悪感で気持ちが悪い。

「はやく、とめて!」
「と、とめればいいの」
 
 蛍には何が起こっているか全くわからなかった。ただ、綾香が目をつぶって、怯えたように自分にすがる姿から、何かが起こっていることは理解した。蛍自身もパニック状態ではあったし、何をしていいかわからなかった。唯一自分が行えそうなことといえば、同じサイトにあった黒魔術を終える呪文を唱えることであった。

「終わったよ、綾香。もう大丈夫だよ」
「ほんと?」
「うん。アタシのベッドで横になっていいから、一回落ち着こう」

 先ほどのおどろおどろしい雰囲気がなくなっていることに気がつく。親友で幼馴染といえども人のベッドを借りるのはかなり気恥ずかしい。しかし精神的疲労だろうか、身体が重苦しく、大人しくベッドに横になることにした。アレは何だったのだろうか、そんな思考はすぐに眠りの中に消えていった。

「起きた、綾香?」
「ええ」

 一回眠ったからか、身体がすっきりとしていた。ただ、落ち着いてみると、蛍のベッドを使っていることを思い出して、顔が段々と熱くなっていく。早く降りようと身体を動かすと、蛍が呼び止めてくる。

「もう少し横になってていいよ」
「いや、でも蛍のベッドよ。蛍のいい匂いが気になって恥ずかしいの」
「ちょっと、何言ってるの!」

 蛍も顔を真っ赤に染めていく。綾香自身も、なんで変態じみたに匂いのことを言ったのか疑問に思いはしたが、早くベッドから降りたい気持ちが勝った。
 彩歌はベッドから降りて一呼吸つき、さきほどのことについて尋ねた。

「ねえ、さっきのアレ、何も見なかったの? 何も感じなかったの?」
「うん。綾香が言うようなことは何も感じなかった」

 彩歌にはその真剣な表情から、蛍が嘘をついているようには思えなかった。じゃあアレはいったい何だったのだろうか、そう思うも答えが出ることはなかった。準備をしていた時とはまるで異なる、冷え切った空間。綾香を心配するように、蛍が口をひらく。

「たぶん綾香は疲れていたんだよ。来年から受験もあるし、なにかストレスがかかってたんだよ」
「そう……なのかしら……」

 綾香には、あの出来事が自分の妄想だとは思えなかった。ただ綾香自身、蛍や同年代の女子と比べても現実的な思考の持ち主だと自負しているため、オカルトの類と断言することはできなかった。結局はまた思考が堂々巡りする。
 そんな綾香を見かねて、蛍は強引に話題を変える。綾香に悩ませる隙を与えないように、いつも以上のペースで話続けた。

「……ね、面白いでしょ!」
「あはは、そうね。あら、結構暗くなっちゃったわね」

 あれから一時間以上経った。蛍のトーク術のかいあって、綾香の気持ちはすっかり晴れていた。二人の家は近い位置にあるとはいえ、女の子が一人夜道を歩くのは危ないため、綾香は手早く帰り支度を始める。

「綾香、一人で大丈夫? 送っていこうか?」
「大丈夫。最近暗くなるの早いし、それだと蛍が家に戻るとき危ないでしょ。さっきのアレ、たぶん蛍が言うように、私疲れていたんだわ。何か光の反射とか雰囲気とかが相まって、変な風に見えちゃったんだと思うの」

 二人そろって玄関に向かう。いつもなら玄関の中で別れるのだが、今日ばかりは蛍も靴を履いて玄関席まで見送りに来る。綾香はそんな健気な蛍をじっと見つめていると、蛍のミニスカート姿可愛いけど寒そうだな、そんなことを考えてしまう。

「綾香、何か心配事があったら私に相談してね。それに今日はぐっすり眠って、疲れとってね」
「早く寝ないといけないのは蛍の方でしょ。じゃあね、バイバイ」
「気をつけてね、バイバーイ!」

 蛍は心配そうに綾香を見つめながらも、普段のように元気に帰りを見送る。明日は学校もあるし、今日はいつもより早く寝よう、綾香はそう考えながら帰路についた。


「ただいま。ちょっと、疲れたから部屋に休んでる」
「おかえりなさい。夕飯は食べる?」
「うん」

 綾香は母親に簡単挨拶を済ませると、手を洗い、自分の部屋で夕食ができるのを持つことにした。
 綾香の部屋はその性格を表すように、整理整頓の行き届いた非常に綺麗なものだった。ところどころ、部屋の雰囲気に似つかわしくない不可思議なぬいぐるみ等があるが、それらは蛍と一緒に買ったものやプレゼントである。ゴミはゴミ箱に、そんな整えられた部屋を見た瞬間、綾香は奇妙な違和感を感じた。

「ここって、私の部屋よね? 本はちゃんと整理整頓されてて、掃除もちゃんとしていて……あれ、朝となにも変わってないよね」

 定位置に置かれたはずのモノ全てに、そんなところに置いていたかしら、そう思ってしまう不思議な感覚。

「やっぱり、疲れているのかしら」

 少し休もう、綾香はそのように思い、ベッドに腰かける。まだ風呂に入っておらず、また夕食を食べると言った手前、いますぐ寝てしまう気にもなれなかった。ひとまず心を落ち着けてリラックスするために、深呼吸を始める。

「すぅー……、はぁー……、いい女の子の匂いがする。っ、私何を言って!?」

 鼻から大きく息を吸い込み、部屋の空気を肺いっぱいに取り込む。自身の匂いというものは自分で気がつきにくく、日常生活を送る自分の部屋の匂いというものは気にならないものである。それにもかかわらず、綾香は若い少女特有の甘酸っぱい臭いに胸を高鳴らせてしまっていた。
 自分がなぜ男子のようなことを言ってしまったのか、綾香にはわからなかった。ただ、その香りを一度気にしてしまうと、それが鼻から離れなくなってしまう。落ち着くためのはずの深呼吸で、胸がドキドキとしてしまう。

「何を考えているの私、正気にもどれ!」

 綾香は、自分がわからなくなっていくような感覚に捕らわれて、混乱した頭を覚ますように、ベッドから立ち上がる。立ち上がって目を向けた先には、鏡。鏡に映る綾香自身の姿にドキッと大きく心臓が跳ねた。綾香は、鏡から目が離せなくなり、吸い寄せられるように近づいていく。

「かわいい……」

 彩歌は男性に告白された経験もあり、自身が他人よりも容姿に優れていることは自覚してはいたが、決してナルシストではなかった。先ほどまでのパニックで乱れた思考は霞に消え、綾香の頭の中は鏡に映る美少女のことでいっぱいになる。お気に入りの青いズボンに包まれた足から、ポニーテールに括られた艶やかな黒髪の頭までを嘗めまわすように凝視する。興奮からか次第頬が種に染まり、だらしなく口元が歪んでいく。情けない表情ではあるものの、美少女がするとそれすらも様になり、より一層呼吸が荒くなる。

「あっ、これは私だから、触れるんだ……」

 まるで他人の身体を触るように、おずおずと服の上から足や腹を触りだす。そして、その感覚を楽しむように、ゆっくりと撫で擦る。

「はぁ……、プニプニしてて柔らかい」

 少女といっても、すでにその身体は同い年の男子のものとは異なるものである。貼りのある弾力と、服の上からでもわかるきめ細やかな肌の滑らかさを、噛みしめるように味わう。ただそれだけで満足できるはずもなく、煩わしそうに長袖のジャケットを捲り上げ、そこに課すされたしなやかな腕を露わにする。エアコンのついていない部屋は肌寒いはずなのだが、火照りだした身体には気持ちのいい冷たさであった。
 つーっと腕同様に、しなやかで細長い指の腹で、露わになった肌を直接触る。まるで高級なシルクのように引っ掛かりのないすべすべとした腕は、普段から身体を洗うとき等で触り慣れているはずなのに、初めて触ったかのようにも感じてしまう。撫でさするたびに、その極上な感覚で表情は気持ちよさそうにうっとりと、しかしどこか荒々しい興奮を隠せないものになっていく。

「綾香ー、ごはんできたわよー」

 はっ、と意識が戻る。私はいま何をして……、綾香自身、自分のとった行動に驚きが隠さなかった。腕を撫でて興奮していた、それは理解できていた。しかし、なぜ自分がそんな行動をしてしまったのか理解できなかった。

「私、30分もこんなことしてたの……。な、なんで……」
「綾香ー」

 その問いに回答するものは、どこにもいなかった。夕食を食べる気にはなれなかったが、母親の料理を無下にもできず、食卓へ向かった。

「なかなか降りてこなかったけど、どうしたの?」
「ちょっとだけ調子が悪いみたい。夕食は食べるわ。食べ終わったら、すぐにお風呂に入って、早く布団に入るわ」

 自分がどこかおかしくなってしまったことを、誰かに相談したかった。しかし、男性のように女性の身体、それも自分自身に興奮していたという恥ずかしいことを、母親に伝えることはできなかった。
 食卓の上には、手作りのハンバーグ、アサリの味噌汁、複数の野菜が入った彩豊かなサラダが並んでいた。休日ということで普段よりも手が込んでいるだろう料理の数々は、美味しいことは間違いない。

「いただきます」

 気分のすぐれない綾香にとって、これら全てを食べきるのは難しいように思えた。しかし、予想に反して箸がすすんでいった。

「そんなに早く食べるなんて、今日のお料理は大成功かしら。あら? 綾香、涙ながしてどうしたの」
「え、あ、本当だ……」
「思ったより調子が悪いの? 明日学校休んで病院行く?」
「たぶん、眠れば大丈夫だと思う……」

 
 目にゴミでも入ったのだろうか、そうも思ったが、その場合は目に違和感を覚えるはずである。なんとなく母親の作った料理が懐かしいな……、そう思うと、いつの間にか涙が零れていた。
やはりどこかおかしいからはやく寝ようと思うも、綾香は最後まで料理を堪能しつくした。

「ごちそうさまでした。お風呂行ってくる」

 足早に脱衣所に向かう。早く休みたい、その気持ちもあったが、足早になるのはもう一つ理由があった。焦るように服を脱いで、白のショーツを手に取り目前に持っていく。

「これって、おりもの……? どうして……」

 母親に呼ばれた時点では気がつかなかったものだが、食事の最中に下半身が湿っているような不快な感覚に気がついた。性教育の授業を受けていたのでおりもののことを知識としては知っていた。ただ、股間を濡らすというのは初めての経験のうえ、興奮すると股間が濡れると記憶していた。綾香は、混乱と羞恥で今にも泣き出してしまいそうだった。
 浴室へ入る。母親が沸かしていたおかけで、すでに浴槽には湯気が立ち上るお湯がはってある。まだまだ成長徒然の身体にとって、家の浴槽であっても小さいものではなく、肩までお湯に浸かることができる。少し熱いぐらいのお湯は、精神的にも冷えきった綾香を温めていく。

「お風呂気持ちいいな」

気持ちよさからか、ぼんやりとした頭が自然と下を向く。


 視界に自身の胸が目にはいった瞬間、まるで見てはいけないものを見てしまったかのように、目をそらしてしまう。

「うわっ、あれ……これ私の胸よね。なんで目を背けたんだろう。私の胸だから……いくらでも見ていいんだよね」

 その気持ちは一転して、今度は胸を凝視する。その視線は身体の発育を確かめるようにではなく、珍しいものが見られたかのように好奇に染まっていた。

「女の子の胸……小さいけどちゃんと膨らんでる……。蛍ほどではないけど私の胸も大きくなってきたよね。乳首も小さくてピンク色で可愛いな」

 綾香の意識は比較的しっかりとしている。それにもかかわらず、自分の口走った内容に全く疑問を抱いていないようだった。いつの間にか、部屋で腕を撫でていた時のように、口角がいやらしく吊り上がる。

「頭ぼーっとするな……。のぼせてきちゃったかな。そろそろお湯からでて、裸を見ながら身体洗おうかな」

 ざぶっと音をたてながらお湯から出ると、鏡の前に立つ。鏡には白い肌を赤く火照らせた少女が一人映る。虚ろに惚けた眼とにやけた口元からは、男を誘うような色香が立っていた。
 身体を洗うためのタオルを手に取る。ボディーソープを泡立てると、甘い香りとともに、弾力のあるきめ細かい泡が作られる。それをつけて、いつも以上に丁寧に、ゆっくりと身体を洗いはじめる。ただ、その動きは洗うというよりは、撫でまわしているようだった。それを表すように、タオル越しでもはっきりとわかる柔らかい少女の弾力に、はぁはぁと、熱のこもった吐息を繰り返し漏らすばかりである。

「次はぁ……ここっ」

 身体を触る手は3周もして満足したのか、ある2点を残して一時的に停止する。心底嬉しそうに声を上げると、タオルを横に置いて、泡をたっぷりとつけた手は胸へと向かう。未だ泡で覆われていなかった1点、胸が優しく包まれる。

「ふぁぁ、これが私のおっぱい」

 膨らみかけのAカップの胸は、小さな少女の手の中に隠れてしまう程度のものである。それでも男性の胸とは決定的に違う感触が、手の中で感じていた。手と泡で隠れてしまって視覚から奪われてしまったことは悔やまれたが、手のひらで感じる触覚に比べればそれは些細なことであろう。

「あぁ、夢にまで見たこの感触……ふぁぁ」
 
 五指に僅かに力をこめる。柔らかさの中に未だ芯が残る弾力に、顔がだらしなく歪みだす。未だ開発されておらず、その性感も実っていないはずにも関わらず、綾香は気持ちよさそうに吐息をこぼす。その姿は彼女が忌避していた、痴女そのものである。
 グニグニと握るたびにほんの少し形を変える胸。徐々に感度が増してきたのだろうか、口から漏れる声の数は多くなる。快感と揉まれることで血行のよくなった乳首は、自然と膨らみを増していき、手のひらではっきりとわかるほどに固く大きくなっていた。綾香の目には映らないが、ピンク色の小さな乳首が、赤く充血している様は想像に難くない。

「オマンコも洗わないとね!」

 胸を十分に堪能したその腕は、洗われることのなかったもう一方、膣へと向かっていった。綾香はオマンコといった品の無い言葉を使わないはずであるが、そんな言葉を恥ずかしげもなく言い放っていた。それに違和感を持つこともなく。
 胸の快感、乳首の快感が相まって、膣は明らかに水とは異なる液体で濡れていた。まだ毛もほとんど毛も生えていないそこへ、手が触れる。手には粘性の高い液体、愛液が付着する。しかし先ほどとはうって変わって、それを顔の前に持ってきて嬉しそうに指擦りこんで感触を確かめた。

「へへっ、こんなに濡れちゃってさ。んっ、オマンコの感覚、これは何だろうな……くすぐったいような、敏感だけど、気持ちいい……のか?」

 立った状態でも鏡に映らない股座に顔を覗きこませながら、もう一度膣へと手を伸ばす。性的な目的で一度も使用されていないその筋は、ぴっちりと閉じられている。まだ男を迎える準備もできていないはずにもかかわらず、たらたらと潤滑油をこぼしていた。
 おそるおそる、指が優しく筋を触る。泡のまとってほんの少ししか触れていないにもかかわらず、敏感に刺激を走らせる。綾香にとってこれは初めて性的に性器を弄った経験であり、その未知の感覚に思わず声を漏らしてしまう。性的な感覚といえば気持ちいいものと知ってはいるのだが、果たしてこれが性的に気持ちいいものかはわからなかった。ただ、どこか癖になるような感覚は、一度で辞めてしまうのはもったいないと考えていた。指先でトントンと優しく膣をタップする。

「んっ、んっ……ふぁっ……」

 浴室に喘ぎ声が木霊する。リビングにいるであろう母親にその声は聞こえていないようであったが、綾香にとってそれが幸いなことかはわからない。声をだしてしまうのは気恥ずかしく思ってはいたが、それを止める術を持ってはいなかった。
 指はリズミカルに膣を泡越しに優しく叩く。そのたびにポワポワと心が不思議なものに包まれているような気持になる。その感覚が物足りなくて、さらに先のものが知りたくて、動きは止まることはない。これはまだ、およそオナニーとは呼べない戯言のような行為。次第にその動きは大胆なものへと変化する。

「ひうぅ、やっぱり、これ……気持ちいいかも……これが女の子の快感」

 指を閉ざされた筋に置き、その割れ目に合わせてつぅーっと撫でる。瞬間、背筋をゾクゾクしたものが突き昇る。まだまだ未熟な肉体から発せられる快感は、快感以外の不純物の混じった拙いものだった。しかし、その中でもはっきりとわかるほど際立ったものがあった。それが女性の快感と理解するのは、一桁の足し算を解くよりも簡単なものであった。
 そして一度快感とわかってしまったら後は転がり落ちるだけである。その感覚を追い求めて、惚けたままに意識を集中させる。

「きもちいい……あっ、あっ」

 直接の刺激によって愛液の分泌量が増加して、指の動きを良くする。感度も少しずつ上がっていき、敏感ながらも、どこか眠くなるような快感に、どっぷりとつかる。なぜいままでオナニーをしてこなかったのだろうか、自分は馬鹿だった、そうとさえ今は考えていた。

「触るだけでも柔らかくて楽しいのに、その上で快感も味わえるのか。女の子はずるいなぁ」

 まるで他人事のような言葉を口にしながら、指は筋の上を前後に動き続ける。快感と優越感に浸っているのか、友人、親、教師からも理知的と評される面もちは、いまや頭の足りない少女ののように口を半開きにしだらしなく惚けさせていた。
 膣を起点とする快感は、熱としてゆっくりと全身にまわり、脳に蓄積していく。湯船でのぼせ気味だったことも相まって頭がフラフラと虚ろに揺れ動く。快感で力が入らないのか、足もガクガクと震えていた。それでも、生気を弄る手は止まることはなかった。

「はぅぅ、なんかフワフワするぅ。このまま弄ってたら、絶頂するのかなぁ」

 未だ経験のない絶頂の瞬間をイメージすると、お腹の奥がきゅんと、締め付けられるような感覚に襲われる。もっと思いっきり気持ちよくなりたいという気持ちもあったのだが、膣に指を入れるのは恐ろしかった。綾香の心は欲望に溺れるように、少しだけさらに気持ちよくなれるようにと、膣を圧迫するように指に力を込めた。加えた力はほんの少しだけ、それだけでも性感に耐性が皆無の頭が弾けてしまいそうだった。

「綾香、いつまで入っているの。お父さんも帰ってきたし、体調も悪いんだから早くでなさい」
「ひあ! ひゃ、はい、で、でます!」

 突然の自分を呼ぶ声に驚いて、綾香の手は止まる。誰であろうとも、オナニーの最中に声をかけられたら驚くものだ。オナニーがばれたわけではないとわかり、一息つく。

「ちっ、さっさと出るしかないか。まあ、自分の部屋に戻ればいくらでも続きはできるしな」

 綾香のトリップした意識は母親の声で戻っていたはずである。しかし。彼女は自分の行動に未だ疑問を持つことができていなかった。口調も普段の女性らしいものから、乱れた男性口調のまま戻っていない。その姿は、まるで男性に身体の主導権を乗っ取られ、コントロールされているようである。
 泡まみれの身体をシャワーで一気に流すと、浴室をでて、身体を拭き、パジャマに着替える。脱衣所にある鏡に、少し子供っぽい白のパジャマを着た綾香の姿が映る。拭ききれていない水の滴る姿に心臓を高ぶらせるが、部屋に行けばいくらでも見られる、その気持ちで自身の部屋に足を向けた。

「出てきたのね。もう寝るの?」
「寝るよ、母さん」

一言だけの会話の後に、リビングを抜ける。

「母さん……? 聞き間違えかしら」


「部屋に到着! あぁ……可愛いなぁ」

誰にも除かれないようにと、しっかりと部屋の扉を閉める。閉めるや否や、その足は全身を映すことのできる鏡の前へ向かう。身体全身を確認するようにクルクルと回りながら、これからの成長に期待のもてる初々しい肉体を、自分自身に見せつける。浴槽での行為の熱は未だ冷めておらず、顔は風邪をひいたかのように上気していた。

「服の上から揉むのも乙だな。今ノーブラだから柔らかいままだし」

 手は起伏の少ない胸の上に置かれた。それを押し込むと、僅かに形を変えたような感触が手のひらを伝う。楽しそうに、嬉しそうに、鏡に映るのは変態チックな綾香の姿。

「はぁ……きもちいいな……。あれ、なんか、ふらふらするな……」

 その姿は、性的快感というよりは、胸を揉んでいるという行為そのもので心を満たしているようである。次第に目はうっとりと細められていくが、どうやら快感で細めているというようではないようだ。

「お風呂にずっといたし、上せちゃったかな。そういえば私って、体調不良だったんだよね……。眠ろっかな、明日も、明後日もこの身体は私のものなんだし」

 一瞬で性欲が消えうせたかのように、手がすっと降りる。すぐに部屋の電気を消して、ベッドの中に潜り込んでいった。動画から一部を切り取ったかのように突然の切り替えは、もし一連の動作を見ているものがいれば、首をかしげることであろう。
 綾香がベッドに入って少したった。耳を澄ますと、微かながらに規則正しい寝息が聞こえてくる。

「この身体の持ち主が寝れば、俺が完全にこの身体を動かすことができるのか。本人が目覚めたら、また動かすことができなくなるのかな。色々操ることはできたけど、あの状態だと感覚が鈍いんだよなぁ」

 眠ったかに思われた綾香の身体は、突然をめくり上げ、起き上がる。発せられた声は綾香の透き通ったソプラノボイスなのだが、その口調やイントネーションは男性のようである。いや、その声も普段よりは若干低くも聞こえる。

「なんでこんなことになっているのかはわからないけど、恐らくあの黒魔術?が原因だよな。まあ、いいさ。死ぬ前に願っていたように、女の身体を手に入れて、若返りまでできたんだし」

 あの黒魔術騒動の時、綾香の身体には男の霊が取り憑いていた。初めの頃はほとんど綾香に影響を及ぼすことができなかったが、時間を追うごとにそれは大きくなっていった。浴槽の段階では、綾香と男の精神が混ざり合った状態になっており、その頃には色々なことができており、本来は忌避するであろうオナニーに至った。しかし男の言うように、男が享受していた快感は何層もの膜を通したかのようにぼやけたもので、生殺しのような状態であった。

「暗いな。ばれないように小さな明かりをつけてっと。くぅぅ、これがおっぱいの感覚。自分の膨らんだおっぱい触るのって、こんな感じなのか」

 真っ暗な部屋が、暖色のほのかな明かりで照らされる。好色に染まった顔で、胸を揉みほぐす。綾香が起きていた時は労わるように優しく揉んでいたのだが、眠った今は荒々しく乱暴に動く。

「夜はまだまだ長いな。めいいっぱい楽しもう。スク水着るのもありだな」

その夜、綾香の部屋では初めて、嬌声が木霊した。

「綾香、起きなさい! 病院行くなら、学校に連絡するけど、どうする?」
「えっ、もうこんな時間!? 昨日早く寝たのに、なんか眠い……って、私どこに手をいれて!」

 ズボンに差し込まれた手を慌てたように引き抜く。その指を見ると、何らかの液体が乾いたようにべたついており、酸っぱいような異臭が漂う。

「私、もしかして無意識にオナニーしてたの? いままでそんなことしたことないのに……もしかして溜まってたのかな」

 綾香の口調は普段通りのものに戻っていた。しかし、男の影響から逃れてはいないようで、あっさりとその状況を受け入れる。

「綾香―!」
「大丈夫、学校に行くわ!」

 手早くセーラー服へ着替えて、鏡の前で一回転。

「はぁ、私って、本当に可愛いわ。はやく朝食をとって学校に行かなきゃ」


 それから一週間が経過した。学校が終わりその放課後、綾香は親友の蛍から、私の家に来て、と呼び出しを受けていた。綾香はそのまま一緒に家についていこうと思ったのだが、蛍に準備があるからと、先に帰られてしまった。しょうがないので、一度家に戻りカバンを部屋に置いてから、蛍の家へと向かった。
 綾香がインターホンを鳴らすと、少しして蛍の声が聞こえる。

「綾香?」
「来たわよ。入っていい?」
「今玄関開けるから、ちょっと待ってて」

 ガチャリと音をたて、扉が開く。綾香と遊ぶ時はいつもご機嫌な笑顔を浮かべる蛍であったが、今日の蛍は不機嫌そうで、何かを探るように綾香を睨んでいた。

「お邪魔します」

 蛍の親がいる時は出迎えてくれるのだが、今は不在のようである。蛍にも無視をされた綾香の挨拶は、いやに静寂な家の中に飲み込まれていった。綾香を呼んだ張本人の蛍は、そそくさと階段を上がって、綾香からは見えなくなってしまった。いつものように蛍の部屋で遊ぶのだろう、そう考えた綾香は慣れたように部屋へと向かった。
 綾香が部屋に入ると、蛍は扉の近くまで来て、わざわざ自身の手でそれを閉める。その後、ごそごそと扉に何かを張り付ける。綾香は蛍が何を行っているのかが気になったのだが、それよりも気になることがあった。

「どうかしたの蛍? 私が何かしたかしら」
「どうかしたはアタシのセリフだよ! あなた誰!」
「何を言っているの。私は綾香だよ。他の誰に見えるっていうのよ」

 突然、怒鳴り声を上げた蛍に、いつもの遊びだろうと思いながらも、困惑しながら綾香は答える。

「嘘をつくのはムダ。何年アタシが綾香を見てきたと思ってるの。それに、少しずつ綾香の行動を変だと思う人も出てきているわ。正体を現しなさい!」
「変てなによ。例えば?」
「ア、 アタシにそんなこと言わせるの!?」

 蛍を顔を真っ赤に染めて、下を向いてプルプルと震え出す。綾香はそんな様子をただ見つめるだけであった。どちらもそれ以上のアクションは起こさず、それから1分ほど、部屋は静まり返った。
 埒が明かないと思ったのか、先に動いたのは蛍の方だった。

「し、知ってるのよ、あんたが綾香の身体を使って学校でしていることを! 先週の月曜日から、ニヤニヤしながらクラスの女の子を見つめたり、ボディータッチが増えたりしてるでしょ。そして、そして……綾香の身体をいやらしく撫でまわしてるでしょ! 授業中とかトイレとかで!」
「そんなことするわけ……」

 140 cm台の小さな体ながら、その迫力は獅子にも勝る勢いだった。さすがの綾香も、珍しく顔を引きつらせながら、額に汗を滲ませていた。蛍は勢いに任せるように、矢継ぎ早にまくしたてる。

「アタシにはあの時わからなかったけど、アンタ綾香に取り憑いた幽霊でしょ! あのあと色々調べてみたら、あの黒魔術の時の、そして今の綾香の状況にぴったりの事象が書いてあったわ。綾香がこんなことになってしまったのはアタシのせい。だから責任をもって綾香を取り戻すんだから!」
「ちっ、ばれてしまったらしょうがない。そうだよ、俺は綾香じゃない。そうは言っても蛍の方から呼び出したんじゃないか。そんな得体のしれないものを使ってさ」

 蛍は一歩、綾香に詰め寄る。手はぐっと握りしめられ、今にも殴りかかってきそうな様子である。男もそんな蛍の様子に気がつかないほど馬鹿ではなかった

「おい、この身体を殴るってのは、俺も痛いけど綾香を傷つけることになるぞ」

 そのけん制に少しだけ蛍がたじろいだ。男はその一瞬の隙を逃さずに、ドアノブに手をかける。

「痛っ」

 その瞬間ドアノブが、バチッと音を立てて、綾香の手を弾いた。しかし、それは静電気とは明らかに異なるもので、目を凝らせば青白い靄がそこにはかかっていた。

「幽霊を通さない結界をはったわ。逃げようとしたってムダだよ!」
「なんだよ結界って……いまさら言うべきことでもないが、なんなんだそのオカルトは」

 男は運良く、綾香と蛍にとっては運悪くだが、黒魔術に呼ばれただけで、その類の知識があるわけでもない。生前なら痛い子供のごっこ遊びとして、鼻で笑っただろうが、蛍が他にも仕掛けたであろうオカルトの数々に今は怯えるしかない。
 男は何が起こるかわからないこの状況で下手に動くことはできないし、動いたからといってこれを打開できるようなオカルト知識もない。男の目からは蛍が何かをしているようにも見えず、睨めつけているだけだった。再びの膠着。ただ、男はこの状況に疑問を感じた。結界やらを用意して閉じ込めたのなら、早く自分を追いだせばいいのになぜそれをしないのか、そこに2度目の死を迎えないための一縷の望みをかけた。

「わかった、俺も死にたくない。最後に一つだけ願いを聞いてくれたらこの身体から出ていくよ」
「なに?」

 蛍は警戒したままの様子だったが、ほっとしたように緊張した肩が少し下がる。その言葉を狙っていたと言わんばかり語尾が僅かに上がっていた。やはり……、そう思った男は、唯一の情報アドバンテージとなりえるものを口にする。

「俺とセックスしてくれ」
「な、なにを、言って……そんなこと、できるわけないじゃない!」
「俺は知ってるんだぜ、あの黒魔術とやらで蛍がなんて願ったか。綾香と恋人になりたい、だろ。蛍にとっても、これは悪い話じゃないだろ」

 蛍の顔が、青ざめる。綾香のことが女性として好きだということは、決してばれてはいけない事実であった。これが綾香に知られてしまい、この関係が壊れてしまうことは、避けなければならなかった。しかし、心に秘めていた気持ちを、男に暴かれてしまった。

「ああ、大丈夫だぜ、このことを綾香は知らない。俺が知ってるのは、たぶん黒魔術のせいだろ」

 男は蛍が固まったまま動かない様子を見て、声色を綾香のように変え、絡めとるように蛍の耳元で囁く。

「それともこういった方がいいかな。私ね、蛍のことが大好きなの。蛍と一つになりたいの。ねえ、蛍……私とセックスしよ」
「綾香の……綾香の真似して、そんなこと言わないで!」

 蛍は綾香に好きだと言われて、ドキッとしてしまった、自分がとても情けなかった。しかし、同時に喉から手が出るほど欲しってもいた、同年代と比べて耳の早い蛍は、綾香と一つになる想像をしてオナニーをしたこともあった。所詮それは夢物語でしかなく、事後の綾香でいたした罪悪感と虚しさは、蛍の心を蝕んでいた。
 ドアノブのように蛍自身も何かで守られていると考えた男は、自分から手を出すことはない。悪魔のように甘い言葉を、耳元で囁くだけだ。理性と欲望の天秤が、少しずつ傾いていく。そして、黒魔術にまで縋った蛍という少女の忍耐が崩れ落ちる。

「うん、する……アタシ、綾香とセックスしたい……。だから……、終わったら、ちゃんとでていって。アンタにこの約束は破れないから」

 欲望に負けてしまった自分が情けなく、綾香を汚してしまう自分が醜くて、涙が止まらない。男はというと蛍の言葉が嘘とは思えず、恐らくこの行為が終わった後にこの身体から出ていかなければ消えてしまう、そんな気がした。

「じゃあ、始めよっか」

 蛍が他の隠し玉を持っていないとは限らないので、気が変わってセックスをする流れを変えさせないために、男は手早くセーラー服を脱ぎ捨てる。蛍の眼前に、未成熟のなだらかな胸が露わになる。

「え、あ、アンタ……ブラはどうしたの」
「ブラ? ああ、授業中にオナるのに邪魔だったから、お昼頃にトイレで脱いでそのままだったわね」

 男が取り憑いて3日も経つと、日中でも綾香の支配権をほとんど有するようになっていた。元々この身体を自身のものにしようとしていた男は、こっそりと楽しんでいくつもりではあった。しかし、1週間足らずで綾香の異変に気づかれ始めたことからわかるように、目の前にぶら下がったエサを前に我慢できるほど、無欲ではなかった。体育の時間に、大胆に友人の着替えを覗くことはもちろんのこと、それでムラムラしてトイレでその性欲を発散することもあった。

「こんなふうにね、授業中にペンのキャップでぇ……」

 人差し指を左右それぞれの乳輪に這わせると、クルクルと撫で始める。んぅ……、とわざとらしく、蛍の興奮を誘うように吐息を漏らす。

「ひどい……。絶対に綾香を取り戻すから!」

 男が綾香の身体を使って何を行っていたか予想はついていたのだが、実際に見てしまうと、言葉を失うような衝撃をうけた。蛍はより一層、綾香を助ける、その決意を固くする。

「ほら、蛍も脱いで。あと、蛍の身体触れなくなるから、ドアノブのみたいなものは外しておいて」

 いやいやながらも、同じようにセーラー服、さらにはスカートも脱いでいく。嫌悪感に満ちた表情だが、場の雰囲気に飲まれているのか、頬が少し赤い。薄い黄色の下着姿を露わにした蛍。伸長に反してその胸は、綾香よりも、またどのクラスメートよりも発育が良いものであった。

「やっぱり大きいね。何カップあるの?」
「なんでアンタなんかに。言う必要があるの」
「教えてくれないの? 場の雰囲気を盛り上げて、スムーズにセックスしたくないの。大好きな綾香を早く取り返したくないの?」
「くっ、Bよ」

 正確にはCに近いBカップである。綾香よりもはっきりと膨らみのついた胸を、男は下卑た目で見つめる。それをおかずにするように、乳輪を擦っていた指は、かわりに乳首を弄りだす。少しずつ、小さな乳首が、存在感を示すように膨らみ始める。

「私だけオナニーしててもつまらないし、早くその邪魔なブラ取ってよ。ほら、スムーズに、スムーズに」

 蛍にとって、綾香に性的な目線を向けられていることは、嬉しいことである。実際に見ているのは男であるため、こんな男に自分の身体を見せるのは我慢ならないことである。しかし、すぐにでも綾香を取り返したい気持ちで、ブラジャーを脱いで、女性らしい胸を曝け出した。

「おおぉ、これが蛍のおっぱい。じゃあ、おっぱいの触りっこからしようか」

 自分の胸を弄んでいた腕が、蛍の胸へと無遠慮に伸びる。綾香の胸よりも肉がつき、揉みごたえのあるそれを、手のひらでグニュグニュと犯していく。男にこんなことをされるのは気持ち悪く手を払いのけそうになるが、蛍の目に映る嬉しそうに自身の胸を揉む綾香の姿は、夢にまで見たような光景である。払いのけられるはずもなかった。

「ほら、蛍も揉んで。大好きな綾香のおっぱいだよー」

 蛍の耳に固唾をのみ込む音が聞こえた。触りたい、でも……、あと一歩が踏み出せない。そんな状況にしびれを切らした男は、揉みたそうに二人の間で動きが止まった腕をつかみ、自分の胸に押しつけた。

「どう、私のおっぱい」
「あ、あああ」

 ついに一線を越えてしまった。それから先は崩れ落ちる一方である。触れているだけの手のひらは次第に動き出す。割れ物を触るようにおずおずとした動きは、だんだんと肌の柔らかさを感じるような愛撫へと変化する。

「ふぁ……人に触られるのって、自分でするのよりきもちいいね。あれ、蛍の乳首も勃ってきたね」

 その言葉に蛍は答えなかった。ただ、蛍も興奮していて、性的快感を受けているのは火を見るよりも明らかである。
 二人の少女は向かい合って胸を揉み合う。綾香は、荒々しく、乱暴に胸の柔らかさを堪能する。蛍は、優しく、味わうように少しだけ膨らんだ起伏の滑らかさを感じていた。どちらの少女も気持ちよさそうに目を細める。小さな手で包み込まれた胸の中心で、淡い色をした乳首は切なそうに勃起する。

「そろそろ乳首弄りましょう」

 綾香は、ぷっくりと膨らんだ蛍の乳首は人差し指で弾く。

「ひゃん」

 蛍は、気持ちよさそうに喘ぎ声をもらす。顔を真っ赤に染めて、とろけたような表情で快感依浸っているようだ。それが男を高ぶらせたのか、面白がって乳首を何度も弾き始める。

「ひゃぁ、あ、あん」
「きもちいいねー。ほら、私のも触って」

 蛍はその言葉に反応して、綾香の乳首を指の腹で押しながら擦る。芯が入ったようにとがった乳首が、押しつぶされて動かされるたびに、綾香の背筋に快感が流れる。
 幸いなことに、蛍の家は親が不在で誰もいない。少しずつ歯止めのかからなくなった、喘ぎ声は、誰にも止められることはない。綾香の方は、まだ余裕がありそうではあるが、蛍は快感にトリップしたように目が惚けている。切なそうに、刺激が足らないと言わんばかりに、蛍は胸を揺すって綾香の指に押しつける。

「すごい気持ちよさそうね。蛍って、オナニーしたことあるの?」
「うん。ひゃあん……けっこう前から、してたぁ」

 快感で頭が回っていないのか、男の恥ずかしい質問に疑問も持たないで答える。ご褒美といわんばかりに、男は蛍の乳首も軽く、人差し指と親指で摘まむ。この新しい刺激は、蛍の子宮に響くような快感をもたらし、口からはたらたらとよだれが零れてしまう。

「私もいままでしてなかったのに、蛍は昔からやってたんだ。だからおっぱいも大きく育ったのかな? 蛍は変態さんだねー」

 蛍は、変態という言葉にピクンと背筋を震わせる。それは、その発言に怒ったのではなく、その発言で感じてしまったからだ。綾香が自分を優しく罵倒している、その倒錯的状況に、甘く腐り落ちるような痺れを脳で感じてしまった。男が、それを見逃すはずもなかった。

「蛍ってマゾなの? 知らなかったわ」
「ち、ちがう、も……ひゃあぁ!!!」

 どこか嬉しそうに否定する蛍のセリフは、喘ぎ声で中断する。男が、摘まんでいた指に力をこめて、押しつぶしたからだ。この刺激は痛い、そう反射的に考えたが、実際に蛍の身体を襲ったのは強烈な快感だった。軽く逝ってしまったのか、腰はくだけて、ぺたんと女の子座りの形で倒れ込む。

「可愛いわ、蛍。ちょっと、順番が逆な気がするけど、キスしよう」
「チューするの……えへへ」

 男は蛍がだらしなく快楽に溺れる様に、ゾクゾクとお腹の奥が疼いていた。男性的発想なら犯したいと思うところだったが、女体の性欲に流されてか、唇が寂しく感じていた。それは、蛍も同様であった。肩で息をしながらも、綾香とのキスシーンを思い浮かべて、幼く微笑んだ。
 綾香は、上目遣いでうるうると見つめる蛍に合わせるようにしゃがみ、少し尖らせたその唇に自身の唇を触れ合わせた。ちゅっ、そんな音が聞こえてきそうな瞬間。二人の腕は、抱きしめるように腰へと回り、徐々に力強く唇同士が押しつぶし合う。
 蛍にとって、綾香とのキスは何度も何度も想像し、それをおかずに何度もオナニーをしていた。そんな光景がいま実際に行われている。実際は、綾香ではなく男なのだが、快感でふやけた脳みそで、そんなことを考える余裕はなかった

「んっ、はぁ……キスって気持ちいいね。もっと気持ちいいキスしない?」
「するぅ」

 およそ1分間のキス。息が苦しくなり、一度離れる。切なそうに濡れた目で見つめ合う。
 さらに気持ちいいキス。一度呼吸を整えると、再び唇同士が触れあう。綾香は蛍の口の中に舌を入れ、蛍の舌を絡めとるように動かしていった。

「んぐ!?」

 初めてのディープキスに蛍は驚いたように目を見開いた。しかし、その目も次第にとろけて、同じように舌を絡めだす。蛍は、綾香とキスをする幸福感、口の中を蹂躙される快感で、頭がフワフワとしてどうにかなってしまいそうだった。加えて、思うように息の吸うことのできない状況に、頭が酸欠でぼーっと思考に霧がかかる。
 綾香もこのキスがとても気持ちいいようだった。散々オナニーをしてきたのだが、キスの快感はまたそれとは違った気持ちよさだった。男の時では味わうことの出来なかった、甘ったるい快感にのめり込んでいく。
 腰に回されていた腕は、蛍のパンツの中へと入っていった。水でもこぼしたように濡れているその原因を、指先で触っていく。蛍は新しい快感に驚き、声が出てしまいそうになるが、口はふさがれたままで、声が零れることはなかった。代わりにその動きで気持ちいいと綾香にアピールしていく。舌の動きは激しくなり、腰は前後にヘコヘコと情けなく揺れていた。

「はぁはぁ……」
「ねえ……綾香ぁ、セックスしよ」

 以外にも、蛍の方からセックスを誘い出す。蛍自身も、弱火で焦らされ続ける状況に、耐えられないようであった。

「そうね。しよっか」

 綾香はスカートと一緒にパンツを脱ぎ捨てる。それに続いて、蛍もパンツを脱いで横に置く。二人のパンツはこれまでの快感で愛液が付着し、そこからくらついてしまうような、淫らな香りが蛍の部屋に拡がっていく。

「びちゃびちゃだね」
「蛍だってそうじゃない。もう準備万端だね。さっそくやろうか。ほら、横になって足を開いて」

 蛍の部屋のベッドでは、二人でまぐわうのには小さすぎた。二人そろって横になり、弄って欲しくてたまらないといった感じの膣を見せつけるように、足を開いた。

「今からするのって、貝合わせ?」
「貝合わせも知ってるの。蛍はエッチだね」

 綾香との行為を想像して、インターネットで調べたことがあったので、その行為を知っていた。十分に膣は濡れていて、ローションは必要ない。足を交差させ、毛もほとんど生えておらず、未使用で形の崩れていない膣同士を合体させる。

「ひゃああん」

 二人の嬌声が重なる。腰がガクガクとしてあまり力が入らないにもかかわらず、さらなる快楽をもとめて、膣同士を擦り合わせてしまう。股間全体がが擦れ、押しつぶされて、湧き上がる快感は刺激的なものだった。蕩けてしまいそうなほど気持ちがいいのに、その快感は電気を思わせるほど鋭敏で、頭がその情報を上手く処理できない。ただただ、思考がピンク色に染まっていく。

「気持ちよすぎる、やばいなこれ!」

 男が行っていた綾香の演技も、快感でメッキが剥がれてきた。演技を行っている余裕はなく、そこに思考を割くくらいなら、もっと快楽を享受していたかった。快楽に溺れた蛍はそのことに気がつく素振りもなく、腰を震わせる。
 こすれ合う二人の間から淫らな破裂音が響いていく。ぐずぐずと滴り落ちる愛液は、とどまることを知らず、床にべっとりとした水滴を飛ばしていた。

「綾香、綾香ぁ、好き、すきぃ」

 蛍は綾香を求めるようにその太ももをつかんで、力強く膣同士を押し付ける。顔は、天国に出もいるかのように恍惚として、涙まで流していた。綾香と一つになれた、それだけでも心が満たされて逝ってしまっているような状態だ。そこに性的快感が加わったら、どうなるかは言うまでもない。
 一方の男は、バランスを取るように片腕で身体を支えながら、もう片方の腕で自分の胸へと置かれていた。快楽の限界、その高みを目指すように、乳首をグニグニと捏ねくりまわす。力が入らず首が座らないのか頭は天井を向き、目はあらぬ方を向いて、口はだらしなく開いたままになる。
 
「ひぅ! クリちゃん、すごいよぉ」
 体したままの膣からは、延々と子宮を燻らせるような一定量の快感が流れ続ける。快感のアクセントとして、充血したクリトリスが時々擦れあう。その瞬間、脳には強烈な快感が叩きつけられ、目の前が真っ白になって、意識が途切れてしまう。それが断続的に二人の身体を襲うので、自分がどこを向いているのかアヤフヤになっていく。

「はぁ、くぅぅ、逝きそうだ!」
「いっしょにぃ、いっしょに、いこう」

 快楽の終点、絶頂を求めて動きは加速する。感度もそれに合わせて加速度的に増していく。いつ絶頂してもおかしくない。二人同時に絶頂できるかなんてわからない。ただ、快感を享受しあう二人は、同時に逝ける予感がしていた。
 頭に何かがせり上がっていく。きもちいい、きもちいい、なにか。それが頭の頂点まで到着したときが、絶頂のとき。

「逝こう! あぁぁ、いく、イく、イくぅぅぅ」
「うん! ひゃああああ!!!!!!」

 二人は絶頂した。快感の荒波に意識が取り込まれる。頭がフワフワと、ピンクのベールに包まれたように、思考にもやがかかる。絶頂の瞬間は身体がバラバラになってしまいそうな衝撃であった。そしてそんな絶頂が一瞬で終わることはなく、幸福感を伴った快楽が身体を満たしていた。
 意識の糸が切れるのも同時であった。様々な液体にまみれながら、二人は幸せそうな笑顔で床に倒れ込んだ。


 黒魔術事件から1年以上が経過した。二人は学校を卒業し、春休みということで、いつものように蛍の家に集まっていた。伸長が伸びた綾香の腕の中にすっぽりと納まるように、甘えたような様子で蛍は座っていた。綾香は、伸長がほとんど伸びなかったにもかかわらず、さらに成長を遂げた蛍の胸を揉みながら、口を開く。

「これから私たち離ればなれになっちゃうね……私やっぱり蛍と同じ学校に行きたかったな」
「綾香は頭いいんだから、ホタルにあわせてあの進学校に行かないなんて、それこそ申し訳ないよ」

 あれから二人には色々な変化があった。綾香は男に取り憑かれていた後遺症か、少しだけボーイッシュになり、性欲旺盛になってしまった。かわりに、男に知識が頭に根付いたのか受験は難なく合格し、さらに言えば勉強の合間で蛍に受験勉強を教えるほどの余裕を見せていた。蛍の方は、いつの間にか甘えるような口調で話すようになり、ときどきホタルという幼い一人称を使うようにもなっていた。
 そして二人の関係は、蛍の望みどおり、親友から恋人になっていた。一応公言はしていないのだが、二人のイチャツキ具合から感づいている知り合いもいるだろう。
 
「3年間色々あったよね。特に黒魔術」
「あれは……ごめんなさい……」
「いいって。こうして蛍ともっと仲良くなれたんだからさ」
「あの時はどうなるかと思ったけど、なんとかなったかな」

 蛍は、綾香に聞こえないような小さな声で呟いた。あのあと、目が覚めて混乱する綾香に、必死に蛍は説明し、謝罪した。2度と綾香に会わない覚悟をしていた蛍であったが、最終的には二人は付き合うこととなった。
 そして男の行方。男は確かに綾香からは出ていった。蛍の誤算は、その後の約束をしなかったことで、綾香の代わりに男は蛍に取り憑いていた。しかし、男にも誤算があった。2度も憑依するような設計は黒魔術に仕込まれていなかったのか、幽体の一部は綾香に残り、不完全な憑依のせいで、蛍の意識と男の意識は混ざり合い、抜け出すことは出来なくなっていた。このため男の知識の多くは綾香に継承された。
 そのせいで蛍は綾香と一緒の学校に行くことができなくなっていた。男の知識があればg辛うじて合格が狙えたかもしれないが、知識のアドバンテージない素の蛍の頭ではあきらめるほかなかった。自分が馬鹿になってしまったことを男は悲しく思ってはいなかった。蛍のマゾ性のためか、馬鹿になってしまったと思うと、破滅的な感覚で股間を湿らせる有様であった。
 蛍にとっては綾香と離れることは悲しい、一方で男の意識は、綾香と離れた方が新しい学校で好き勝手やれると考えていた。そんな不埒なことを考えながら、自分を大切に甘やかしてくれる目の前の大切な恋人に囁く。

「ねえ、今日もセックス、しよっ」




 

[ 2020/12/07 18:00 ] 憑依モノ祭り(憑依ラヴァーver.) | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

憑依好きの人

Author:憑依好きの人
●憑依TSF・洗脳・悪堕ち・融合など支配欲が満たされるシチュを中心に創作活動しています。
●English OK
R-18注意です。
18歳未満の方はブラウザバックをお願いします。

当ブログはリンクフリーです。
当ブログに掲載されている文章や画像の無断転載は禁止とさせていただいております。

●憑依ラヴァー関連リンク
twitter: twitter.com/hyoui_lover
pixiv: http://goo.gl/nVzoa3
DLsite: bit.ly/30BXKEg
FANZA: bit.ly/2udCaK5
Fanbox: bit.ly/39qW1G8