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【憑依モノ祭り14日目】変貌する好意

作者:daice
作者コメント:憑依された女の子がニヤニヤしているイラストが大好きです。

「あぁ……山本さん。好きだ……。」
そう呟きながら、彼はPCの画面で盗撮した一人の女性を眺めていた。部屋には画面に映っている女性のデジタル写真がプリントアウトされたものが隙間なく貼られている。
息がかかるほどに画面上のデジタル写真に顔を近づき、息を荒くさせる。
「はぁ、はぁ……僕が守ってあげるから……ね……うっ!」
絶頂に達した彼の精液が宙に舞う。





季節は、秋に移り変わろうとしている。少し肌寒くなった頃だろうか、大学3年生となった谷川 康夫(たにがわ やすお)は普段と変わらない日常を過ごしていた。代り映えの無い日々、そんな毎日の中唯一、康夫が楽しみにしているひと時の時間があった。
大学でのとある授業。開始時刻より早めに席に座っている康夫に隣から明るい声で挨拶をする女性の姿があった。

挿絵1リサイズ

「おはよう!谷川くん。ん~、今日も暗い顔してるね。朝から元気ないな~?」
「お……っおはよう。山本さん。べ……別にいつも通りだよ。」
黄色のネイルが入ったスラッとした手で康夫にむかって手を振っている彼女の名前は山本 沙知(やまもと さち)。茶色のボブカットで束ねた髪を青いピアスのついた左耳にかける髪型をしている。服装は白のレースのフレアスカート、薄茶色のニットのカットソー、そして黒のライダースのジャケット……可愛らしさの中に大人っぽい印象がある彼女のお気に入りのコーディネートだ。
康夫とは違い、社交的な彼女は明るく友人も多い。たまたま授業で席が隣通しにならなければ、絶対に話すことなど叶わない人物だろう。特に挨拶以外で話すことはないのだが、そんな彼女と隣通しで座れるこの授業を康夫はとても楽しみにしていた。
康夫と挨拶を交わした彼女は後から授業に入ってくる他の友達と楽しそうに談笑を始めた。ドキドキしながらも康夫は横目で彼女のことを見つめる。
(山本さん……。今日も可愛いな。僕にもいつも挨拶してくれるし……あぁもっと彼女のことを知りたい。)
人と接することが極端に少なかった康夫は、挨拶をしてくれる女性という数少ない存在に好意を持ち始めていた。彼女のことをもっと知りたい、彼女を僕のものにしたい、思いは次第に強くなっていくばかりであった。





そんな思いに、もやもやしているとある日……沙知との一緒に受けられる授業が終わり他の教室へ移動しようと席を立とうと、沙知が座っていた席を横切った時に甘い香りが康夫の鼻をついた。
(この匂いは山本さんの香水の匂いだ。)
普段はそこまで意識していなかったが、意識を鼻に集中すると彼女の匂いが鼻の奥底まで入ってくるようだ。まるで沙知が自分の目の前にいるような気がして思わず康夫の顔がニヤけてしまう。
(ちょっと山本さんが座っていた席に座ってみようかな……。)
今まで躊躇していた行動を行おうとしている自分に胸が高まる。周りにいる人に不審に思われないか、この姿を沙知に見られたらどうなるのか。様々な不安な要素が胸をよぎるが康夫の衝動的な行動はそんなものでは止められない。周囲の目を気にしながらも沙知が座っていた席に身を落とす康夫。
(あ……すごい。山本さんの匂いだ……。)
正確には香水の匂いだが、康夫にとっては彼女がいつも身にまとっている匂いに包まれているのが幸せでならなかった。心臓の鼓動がバクバクと次第に大きくなる。康夫はその場で深呼吸をした。残り香ともいえる消えそうな匂いの中に感じる沙知の匂い。
(すーっ……はーっ……。ああ、山本さん……。)

――リーン~♪ポロン~♪~♪

次の授業の開始のチャイムがなる。周りを見てみると教室には人の姿は無く、康夫がただ一人取り残されていた。
(いけない、次の授業に行かなくちゃ……ん?これは?)
立ち上がると机の下に光る物体がある。可愛らしいピンクのスマホケース。そしてメッセージの入力画面。震えながら手に取ると、それは沙知のスマホだった。
(!!これは、山本さんのスマホ……!さっきの授業の時に忘れたのかな……。)
康夫は何度も沙知がスマホを触っている時を見ており、一目で沙知のスマホだということが分かった。届けてあげなくてはという思いの半面、ロックが掛かっていない自分の好きな女性のスマホ…康夫は自制心を振り切り沙知のスマホの中身を見だした。沙知が一人暮らしをしている住所や電話番号、交友関係。自分の知らない沙知の個人情報で溢れかえっている。
(ごめんなさい……、ごめんなさい……でも、もっと山本さんのことが知りたいから……。)
心の中で謝りつつも、自分のスマホのカメラで沙知の情報を撮影していく。本人の許可は得ていないが、沙知の情報が自分の知識の中に入っていくことで満たされるものがあった。様々な個人情報を得た康夫は沙知が座っていた席で次の授業のことも忘れて満足そうに天井を眺めていた。
(山本さんもきっと次の授業に出ているだろうから、すぐに取りに戻ることはないよな。)
康夫はスマホを落ちていた場所にそっと戻し、そそくさとその場を後にするのであった。





沙知の個人情報を手に入れた康夫はこの一週間、沙知の後をつけ彼女の行動パターンなどを調べ上げた。そう、すべては彼女を他の男から守る為である。
康夫は恋愛経験などなく、そしてコミュニケーション能力も乏しい。かといって好きな女性に告白する勇気もない。それならば影から彼女のことを見守りたい…そしていつか自分のことに気が付いてきっと彼女は自分のことを見直してくれるだろう。
自分では気がついてはいないが、康夫は完全なストーカーと化していた。今日も沙知のデジタル写真をPCの画面上に並べて一人オナニーに励んでいる。
「はぁ……はぁ……。」
不安定な椅子の上でギシギシと身体を揺らす康夫。

――バキッ

突如、何かが割れる音。康夫の視界が斜めに傾き、机に向かって椅子と共に倒れてしまった。

――ゴンッ

鈍い音が頭の中と部屋の中に響く。薄れゆく意識の中で目の前に転がってきたのは椅子のキャスター。
(あぁ……キャスターが割れてしまった……の……か……。)
自分の体重なのか、それとも業の深さなのか……頭を強く打ってしまった康夫はそのまま意識を失ってしまった。



(ハッ……頭を打ってそれから……。)
どのくらい意識を失っていたのだろうか。なぜだか頭に痛みは感じていない。
康夫は、空中にいるかのような、ふわふわした気分で目が覚めた。不思議な気分の中、あたりを見渡すとその答えは一瞬で理解できてしまった。
(僕が……目の前にいる……。)
頭を打って倒れた時と同じ姿勢と思われる自分が目の前にいた。改めて自分の身体をよく見てみると服は着ておらず裸のまま、そして少し半透明状になっており透けるようになっている。
(あぁ、これは、死んでしまったのか……。)
ふわふわした身体を泳ぐようにして、倒れている自分の身体に近づく。胸が膨らみ、肩が動いていて息をしているのが分かった。
(!?あれっ、息をしている。死んでない……のか?……ということは……。)
康夫は意識だけ身体から出てしまっている幽体離脱した状態なのだと仮定した。
(この身体なら、空も飛べる…物体もすり抜けられる……。それなら……。)
ニヤリとした康夫は自分の本当の身体を残したまま、幽体をとある方向に向かって飛び出す。彼が向かっている先は沙知の家だった。



10分くらいだろうか?不慣れながらも空を飛び、一人暮らしをしている沙知のマンションの真上についた康夫。
彼女の部屋に近づくにつれて胸が高鳴り、息が荒くなる。最後の壁を通り抜けるとそこには一人で夜ご飯を食べている部屋着と思われるワンピース姿の沙知の姿がそこにあった。
「こ……こんばんは、や……山本さん。」
幽体でぼそっと言葉を発した康夫。沙知には聞こえる筈もなく左手でとったリモコンでテレビのチャンネルをぽちぽちと替えていた。自分の身体が幽体だからかもしれないが、音も聞こえず、いつも嗅いでいるような沙知の匂いも特に無かったことを少し残念に思いながらも、康夫は沙知の身体全体がよく見える位置まで幽体を移動させた。
(こんな目の前で普段と違う部屋着の山本さんを見られるなんて……あぁなんていい日なんだ。)
舐めまわすように沙知の周囲を飛び回る康夫。
(どうせ幽体なのだからすり抜けるだろうし……山本さんとキスでもしてみようかな…フフッ。)
康夫は幽体を沙知の目の前まで移動した。テレビを見続ける沙知……沙知を見つめ続ける康夫……まるで見つめあっているかのような錯覚に陥った康夫は緊張のあまり少し目を逸らしてしまった。目と鼻の先に沙知がいる、実際ではありえないような現状に幽体が震える。
「山本さんっ……!」
康夫は思い切って目を瞑りながら沙知の口と自分の口を重ね合わせた。感触はなくとも沙知とキスをしたという事実に身が高ぶる。
(……えっ?!)
幽体と身体が触れ合った瞬間、康夫の幽体が沙知の肉体に引っ張られるように引きずり込まれる。状況が呑み込めずに焦り戸惑う康夫。なんとか逃げなくてはと逆方向へ幽体を移動させようとするが、まだ不慣れな幽体の操作では逃げることも叶わず、そのまま康夫は沙知の身体の中へ引きずりこまれていった。



一瞬、視界がホワイトアウトになった後、徐々に目の前が鮮明に見えだした。康夫の目に飛び込んできたのは、沙知がさっきまで見ていたテレビ番組と沙知が食べている晩御飯。鼻の中に立ち込めるのは、いつも教室で嗅いでいた沙知の香水の匂い。
(え……?なにが起こったん……んぐっ?)
自分の口の中には無かった筈だが、味のついた謎の物体がある。吐きだしそうになりながらも自分の手で口を抑える。恐る恐る噛みながら呑み込んでみるとそれはさっきまで沙知が食べていた晩御飯だった。
(え……?え……?どうして?!)
康夫の疑問はすぐに解決できた。口を抑える為に目の前に持ってきた手の爪を見るとそれは康夫がいつも見ていた沙知の黄色のネイル。どうやら康夫は幽体と身体を重ね合わせた瞬間に沙知へと憑依してしまったようだ。
(山本さんの身体に入ってしまったのか……。)
少しずつ状況が理解してきた康夫は沙知の身体の各部位が動かせることを確認し、その場を立ち上がって周囲を探索し始めた。リビングの隅に置いてあった全身鏡の前まで歩き、自分の今の姿を鏡に映させる。
青いピアスのついた左耳にかかったボブカットの髪、部屋着と思われる淡い緑色のワンピース姿。そこには康夫ではなく、好きでたまらない沙知の姿がそこにあった。
「や……山本さんになっちゃ……あっ、声も変わっている。ふふっ、いつも僕が聞いている山本さんの声と山本さん自身の耳で聞く声はこんなに違うんだね……。」
自分の口から沙知の声が出ることに感動した康夫。いつも自分に挨拶をしてくれているあの明るく優しい声が自分のモノになったような感覚だ。
「山本さん……。」
鏡に映る沙知と見つめ合う康夫……正確には沙知がただ鏡と見つめ合っているだけなのだが、自分が身体を動かせば、鏡の中の沙知も一緒に動く。今の沙知の身体を動かしているのは康夫なのだ。
「んんっ……った……谷川くん……。」
咳を払い、いつもの沙知が呼ぶように自分の名前を呼ばせてみる。
康夫と同じく、おどおどとした暗い表情をしている沙知の顔を、いつも挨拶してくれている表情にしてみる。
にこっ……
優しくも大人っぽい彼女の表情。目の前の鏡に映るのは、授業中に隣の席にいる沙知そのものであった。
「お……おはよう!谷川君。……ん~、今日も暗い顔してるね。」
沙知の挨拶のセリフを自分で言わせてみる。ニヤけた口元がさらに緩む。傍から見れば誰も康夫が沙知に憑依しているなどと微塵にも思わないだろう。今、この瞬間に置いては山本沙知という人物のすべては康夫のモノなのだ。



沙知の身体を自分の思う通りに動かせる……そんな康夫は先ほど幽体でキスをしたように目を瞑りながら鏡に映る沙知とキスをする。
ピチャ……プチュ……
「はぁ……ふぅ……。」
沙知の身体で吐きだす吐息で鏡が白く曇る。ひんやりとした鏡と沙知の唇が接触する感覚の中、沙知の息遣いが耳元によく聞こえてくる。薄目を開けたその先にはとろーんとした目で自分を見つめてくる沙知の姿があった。
「はぁぁう……!ぅん……ふぅう……や……山本さん……山本さん……!」
沙知の名前を連呼する康夫……まるで本当に沙知とキスをしているようだ。鏡に向かって我を忘れてキスをしまくる康夫。
チュ……ペロ……
「んっ、……はぁ……あん。」
全身鏡の上側が沙知の涎と薄いピンクの口紅でべとべとになった。口についた涎を手で拭き取り、何かを思いついたのかその場を離れる康夫。



康夫の探索はまだまだ終わらない。探りながらも脱衣場に向かう康夫。洗濯籠の中には今日着ていたと思われる下着や服が溜まっていた。その中の沙知のピンク色のパンツをドキドキしながら手に取り先ほどの全身鏡の前に戻る康夫。
「や……山本さんのパンツ……。」
パンツの両端を持ち、広げてみる。初めて触る女性の下着……震える手を抑え、握ったパンツを鼻に近づける。
「あぁ……すごい。」
体臭と沙知の匂いが混ざり合った不思議な匂い。康夫は嬉しさのあまり、足の力が抜け床にぺたんと座り込む。

挿絵2リサイズ


「くんくん……山本さんが今日履いていたパンツ……。ははっ、ちょっと臭いや。でもいい匂い。」
今日履いていたであろう沙知のパンツ、それを嗅ぐ鏡に映る沙知の姿はまさに変態そのものだった。沙知が自分のパンツの匂いを嗅いでいると思わせる倒錯的なシチュエーションは康夫をさらに興奮させた。座り込んだ沙知の左手を履いているパンツの中に潜り込ませる。
「たしか、ここを触ると……んっ!女の子は気持ち……いいんだよ……ね……。あんっ。」
クチュクチュと音を立てながら優しく陰部を触る。
「やっ……あぁん、……変な声でちゃった。ふふっ。」
陰部を触る度にビクンッとした身体の反応で普段の沙知からは考えられない小さな喘ぎ声を康夫が発している。
「んふっ……んっ……んっ……。」
沙知の額から汗が垂れる。
「や……康夫、き……きもちいいよ……。」
沙知になりきって、普段は絶対呼ばれない下の名前で自分の名前を呼ばせてみる。沙知が自分の手で陰部を弄んでいるのにも関わらず、康夫が沙知の陰部を触っているように見せている。
「んっ……はぁ……ふっ……。」
優しく触っていた陰部を少しずつ強く弄るように触る。
「康夫の……好きにして……いいんだよ……?」
鏡の中の沙知が上目遣いで康夫を誘う言葉を投げかけている。

――ドクンドクンドクン

沙知の心臓がすごい早さで鼓動を打っている。それに比例して康夫の息も荒くなる。康夫は嗅いでいたパンツを放り投げ、右手で沙知の胸を揉み始める。
「はぁ……、はぁ……、山本さんのおっぱい……。」
両手で形を確かめる康夫。正面や横からの視点ではなく、真上から見下ろす沙知の胸。
「んっ……私の……おっぱい……大きいでしょ……?」
ブラをつけていないのかワンピースの上からでも分かるくらいに沙知の乳首が膨らんでいるのがわかる。少し触れるだけで体中に電撃が走ったような衝撃がくる。
「やっ!あぁん、あっ……だめ……康夫……。」
初めて触る柔らかい胸の感覚、そして乳首の衝撃。否定する言葉と裏腹に沙知の顔は涎を垂らし、口元は歪んだ笑みを浮かべていた。
「あっ、んっ、んっ、やばっ、あんっ。」
ワンピースの上からシワが付くくらい激しく胸を揉む出す康夫。興奮度が増すと共に沙知の体温が上昇していくことが分かる。康夫は沙知になりきることも忘れて、喘ぎ声を出すしかなかった。
「んっあ、やっ、んっ、んっ、んっ。」
パンツの中でシミが付くくらい陰部からとろりとした液体が出てくる。沙知の左手はさらに激しく動きをつけて陰部の中を掻き混ぜる。
「んっ!なんか……く……る……っ!あっ、やっ……あん!」
陰部の奥底から感じたことのない快感の波が押し寄せる。
「ふぁっ、あっ、い……いくっ!んっ!ああああっ!あっ……んっ………はぁ。」
その瞬間、憑き物が落ちたようにぺたんっと前のめりに倒れこむ沙知。康夫は快感の海に漂うようにそのまま再び意識を失った。





(ん……意識を失っていたのか。)
意識を取り戻した康夫。沙知の部屋の中にいるのは確かだが、先ほどまで匂っていた沙知の部屋の匂いは無く、自分の手を見てみると透けていることから沙知の身体からはじき出されたことが分かった。
(山本さん……、とても気持ちよかったよ……。一生に一度の体験を……ありがとう。)
前のめりに倒れている沙知を見て感謝の意を心の中で伝える康夫。
(このなんでもできる幽体のまま、山本さんの様子を探っておきたいところだけど……。)
冷静になった康夫はふと自分の身体のことが気になった。
(……そういえば、僕が幽体でいるのって頭をぶつけて……あ、僕の身体。)
散らかった沙知の部屋を後に、自分の家へ飛んで帰る康夫。家へ向かう最中も沙知の身体を使って色々楽しんだ体験を思い出しながら胸に良き思い出として一つずつ刻んでいた。



そんなことをしている最中に見覚えのある自分の部屋の前まで着いた。康夫は壁を通り抜け、自分の倒れた場所へと幽体を移動させた。……この部屋を出た時と同じ形で自分が倒れている。沙知の身体に憑依した時と同様に倒れている康夫の身体に幽体を触れさせてみる。
(……?あれ?)
何かがおかしい。先ほどの沙知の時は触れた瞬間に引きずり込まれるような感覚に陥ったものだが、何も起こらない。不思議に思った康夫は、次に自分の幽体と身体を同じ形で重ね合わせるように自分の身体に沈みこませてみる。……しかし、結果は変わらず何も起きない。
(……あっ、あぁ……そういうことか……。)
沙知の部屋に向かう前にみた自分の身体は胸や肩が動いており、おそらく息をしているような感じだった。それが今は何も動いておらず、まるで石造のように青白くなった肌。頭を打った時点ですでに虫の息になってしまっていた。息をしているから大丈夫と錯覚した自分の身体はすでに死に向かっていたのだ。
(なん……てことだ……戻れない……死んだのか……。)
自分の死を認識する康夫。目の前で冷たくなっている自分の姿をみて呆然と立ち尽くす。
(……戻る肉体がない……戻る肉体がない?自分の肉体が無くなっただけで意識はここにあるんじゃないか?まだ僕は僕だと考えられる。……浮幽霊のようなもの…なのかな………?)
康夫は自分の肉体を後にし、ふわふわと部屋の外へ出ていく。
(この世界になんの未練もないけど、山本さんが僕のモノ以外になるなんて耐えられない……。)



沙知の部屋へ向かう康夫。そこには意識を取り戻した沙知がいた。
「私……。ごはんを食べて……それから……えっ……なにこれ……。」
散らかった下着、しわくちゃになったワンピース。べたつく左手、なぜか濡れているパンツ。恐る恐る、自分のパンツの中に手を入れて確かめる沙知。
「ヒッ……なんで!?」
触った覚えのない陰部に流れ出る液体、そして少し気だるさの残る身体。
「ぐすっ……なにが……ひっく……起こっているの……。」
状況が呑み込めず、泣き出してしまう沙知。そして背後に忍び寄る康夫。
(ふふっ、や…山本さん。これからずっと僕が君のことを守ってあげるからね。)
不意に憑依してしまった先ほどとは違い、確固たる意志で沙知の身体に康夫の幽体をねじりこませる。
「……かはっ!なっ……なに……?や……やめ……。」
何が起きているのか分からない沙知の口から切ない声が漏れる。康夫は自分の幽体を沙知の身体全体に広げるように溶け込ませる。

――バタンッ

床に倒れこむ沙知。康夫の幽体が浸食するとともに沙知の意識は薄れていく。
「お……かあ……さ……ん。」
涙の粒を床に垂らし、目をゆっくりと閉じる沙知。



倒れていた沙知が涙を拭いながらゆっくりと身体を起こす。
「……ふぅ、さっきと同じように憑依できたな。」
起き上がった沙知は康夫に再び乗っ取られてしまった。明確な意思を持って憑依したことが功を成したのか、先ほど憑依した時より沙知の身体との結びつきがとても強く感じる。
「あぁ、山本さん……。もう離さない……。」
自分で自分の身体を抱きしめる沙知。
「これからもずっと僕が山本さんのことを守ってあげるからね……。……そう、ありがとう!康夫。私の身体を好きに使ってね?」
一人芝居をする沙知の表情は今までにない高揚感漂う表情で歪んだ笑みを浮かべていた。




あとがき
この物語はフィクションです。
一つ一つの部分を丁寧に書きたかったのですが、その分エッチなシーンが少なくなってしまいましたね。小説書くことってとっても難しいことがよーくわかりました。
稚拙な文章ですが、最後まで読んでくださった皆様に感謝します。
そして、憑依祭りを開催された憑依好きさん、すべての参加者の方へ最大の敬意を表します。
[ 2020/12/18 18:00 ] 憑依モノ祭り(憑依ラヴァーver.) | TB(-) | CM(1)
これは大好きです!v-10
[ 2020/12/22 10:56 ] [ 編集 ]
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プロフィール

憑依好きの人

Author:憑依好きの人
●憑依TSF・洗脳・悪堕ち・融合など支配欲が満たされるシチュを中心に創作活動しています。
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