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【憑依モノ祭り11日目】2つの悪意

作者:黒憑
作者コメント:私の好きな憑依を詰め込みました。楽しんでいただけたら嬉しいです!



「そこ! 静かにしなさい!」
「「は、はい……」」

 一声注意するとサッと話し声が消え、生徒たちがシャーペンや消しゴムを忙しなく動かす音だけが聞こえてくる。

 今は授業の小テスト中……私、氷室玲衣(ひむろれい)は教卓の椅子に座りながら、怪しい挙動の生徒がいないか目を光らせる。

 大卒後に数学教師として公立高校に赴任して5年。わかりやすい授業を行うことは勿論、事なかれ主義に流されることなく、生徒の規律に反した行動を常に注意し、正しい方向に教え導けるよう必死に努めてきた。

 だから今さっきのような厳しい注意も日常茶飯事で……そのせいか、一部の生徒は私のことを“鬼教師”だなんて噂しているらしい。まぁ少し不本意ではあるけど、たとえ嫌われたとしても生徒が立派に成長してくれればそれでいいと思っている。

「(……でも)」

 中には全く手に負えない生徒もごく少数いて……なんて思いながら、窓付近の二つの空席を見やる。

 霧島龍二(きりしまりゅうじ)と木森和男(きもりかずお)。それが、あの空席に“かつて”座っていた生徒の名前。先日、交通事故に巻き込まれて二人共々……勿論それ自体は悼むべきことで、亡くなった生徒を悪く言うのは決して良いことではない。

「(だけど……問題児だったのは事実なのよね)」

 まず、霧島龍二は留年スレスレの成績で素行も著しく悪い生徒。金色に染めた髪、着崩した制服、ジャラジャラ付けたアクセサリー。他にも隠れてタバコ、授業サボり、度重なる他校女子生徒との不純異性交遊の噂……その問題行動は数知れず。

 そんな彼が偏差値そこそこの本校に入学できたのは、どうやら他の生徒から聞いた話によると、中学生当時の交際相手の志望校に一緒に行くために必死に勉強したから……らしい。動機はともあれその努力は認めるけど、皮肉にも彼女は不合格で彼だけがギリギリで受かり、あっという間に破局してからは入学早々に怠惰な生活を送り始めてしまい……私は彼の事を何度も注意したが、結局最後まで聞く耳を持たれることはなかった。

 一方の木森和男は、霧島とは全く異なるタイプで決して不良ではない。眼鏡を掛けた比較的おとなしめな生徒だけど……少し異様な空気を感じるというか。

 授業中に彼の方を見ると、いつもその視線は私の胸元、お尻、脚にばかり向けられていて……おまけにその目つきが凄くイヤらしく、通勤中に変な目で見てくる中年男共と同じような空気を感じるのだ。もちろん大事な生徒のことを空気感で判断してはいけないのは重々承知だけど……それを裏付ける決定的な証拠をつい最近見つけてしまったのだから仕方ない。

「(これよね……)」

 今日返却予定だった数学の課題ノートの束、中でも木森君のソレをチラッと捲る。

 中身は数式でいっぱい、ということは全くなく。おそらくは数学の課題ノートとは別の物を間違えて提出してしまったに違いない……そんな数学の欠片も無い内容がぎっしりと書かれていた。それが他の教科に関することであればまだ良かったのに。

「(『エロ女全集』……)」

 思わず目を覆いたくなる表題と共に羅列されているのは、うちの高校の女子生徒達の卑猥な情報の数々。B組の誰々は隠れ巨乳、F組の誰々はエッチな下着を穿いている云々……スリーサイズも彼の目測なのか事細かに書かれていた。しかもそこには生徒だけでなく、何人かの女性教師のことも書かれていて……私も例外ではない。

「(……氷室玲衣、27歳。身長は170センチ程度でスリーサイズは上から推定96、59、88。バストサイズ……推定Hカップ。性格はキツめだが黒髪ロングでスタイル抜群な爆乳美女。線は細いのに尻とおっぱいの膨らみが実にエロい。あと、いつも良い匂い。服装は基本ジャケットとブラウスでバッチリ決めているが、ブラウスを押し上げる隠しきれない膨らみが至高。下もタイトスカートかパンツスタイルだが、お尻の膨らみと丸みのパツパツ具合が絶対に誘っているレベル。並み居る女子生徒や女教師を抑えて“全身にセクハラしたい女ランキング”堂々の第一位である。ほんとあのおっぱいもお尻も好きなだけ揉みほぐしたいし脚を撫で回したいしあとは――)」

 もう我慢できずにノートを閉じる。身体の震えが止まらず、背筋にゾクッと悪寒が走る。まさか生徒相手にこれほど嫌悪感を抱く日がくるなんて……これは高校生レベルの生易しいものとは別種のような、ただただ気持ち悪い。

 ともあれ霧島も木森君も色々と問題のある生徒だったわけで……って、これ以上亡くなった生徒のことを悪く考えるのは良くないか。もう、何もかも終わってしまったのだし。

 木森君のノートはそのうち処分するとして……少し生徒のテスト状況でも見回りに行こうかしら――

「(……あれ? 今……)」

 一瞬だけフワッと、なんだか変な悪寒が走った気が……凄く気味の悪い感覚というか、でもどこかで感じたことがある嫌悪感のような。そういえば木森君に見られている時の感覚に似ている……ってまた亡くなった生徒の事を悪く言って……ダメね。

 気を取り直して小テスト中の生徒たちに視線を戻すと、窓際最後方の席に座る一人の女子生徒がたまたま目に入る。隣と前が木森君と霧島の席で空席のせいか随分よく見える……そこに座る清本優理香(きよもとゆりか)さんの姿が。

 成績優秀、品行方正。性格は比較的おとなしめだけど、廊下ですれ違う時には「先生おはようございますっ」と丁寧な挨拶と共に人当たりの良い優しい笑顔を浮かべるのが印象的な吹奏楽部所属の女の子。そんな彼女はおそらく既にテストを解き終えているのか、シャーペンを置いてテスト用紙とにらめっこしている。きっと入念に見直しをしているに違いない。

 そんな彼女の真面目な表情はとても愛らしくて……目はクリッとしていて可愛らしい顔立ちで、ポニーテールに結ばれた髪は艶やかな黒みを帯びている。それにキチンとリボンを結び、夏服のブラウスのボタンも一番上まで留めた校則通りの姿、まさに模範的な生徒……でも胸元を押し上げる豊かな膨らみは風紀を乱しそうというか少し扇情的かもしれないわね。高校生にしては中々大きめ、多分Eカップくらいありそう……あれ?

「(私ったら今何考えて……というか、どうして清本さんのことばかり見ていたのかしら? なんだかおかしい気が……ん?)」

 今、彼女の両肩が一瞬ピクッと跳ねたような……気のせい? どうにも清本さんばかりに意識が向いていたからか、その微々たる動きにも敏感になってしまった気がする。

 ふと彼女の表情を見ると、さっきまでテスト問題と向き合っていた時の真剣な表情とは違う、どこか呆けた様子で視点も定まっていない感じで……と思っていたら、突然ニコッと口角が上がって――

「……え?」

 ソレは今までに見た彼女の笑顔とはどこか違うような。少しの違和感に一瞬寒気を覚える。一体どういうこと……なんて考える間もなく、彼女は突然パサッと手にしていたテスト用紙を置くと、その両手を胸元に……って。

「(き、清本さん……何してるの?)」

 彼女らしくないニヤけた表情のまま、ブラウスの上から両手で胸元を擦り始めて……いや、あれは擦っている、なんてものじゃない。まさか胸元を……胸を……揉んでいるの?

 周りの生徒はテストに集中しており、彼女の異変に気付く様子はない。それをいいことに、なおも彼女は胸を揉み続ける。下から掬い上げたり、鷲掴みにしたり、人差し指でつついたり……突然の奇行に、受け入れがたい戸惑いと疑問ばかりが脳内を駆け巡る。

「(……って、え!?)」

 今度はリボンを解いてボタンを三つほど開けたかと思うと、ブラウスをグイッと引っ張って中を覗き込み始める。今にもヨダレを垂らしそうなだらしない表情で鼻の穴も大きく広げて。おまけに遠目からでもわかる彼女の深い谷間にシャーペンまで挟んで……って授業中にあの子は一体何をやってるの!? でもあんなにスポッと挟まっちゃうなんて凄い、さすが推定Eカップのきょにゅ……って私ったら何考えて……とにかく、さすがにあれは一回注意しなければまずいと、声を上げようとしたタイミングで不意に目が合う。

 てっきり私に一部始終を見られていたことに気付いて慌てて姿勢を正すのかと思いきや、彼女は相変わらず鼻の下を伸ばした表情のまま、何故か私に向けてウインクと共に親指をグッと立てていて――

「(なっ……私を馬鹿にしているの!?)」

 今までそんな生徒ではなかったはずなのに。いつも真面目で穏やかで……そんな彼女とは違うどこまでも不真面目で軽薄な様子に頭の中が混乱で埋め尽くされる。

 私の視線に気付いた後も相変わらず、というかまるで見せつけるかのように私の方を見て胸を揉んだり、谷間に物を挟んだりを延々と繰り返す。もう我慢の限界だ。たまたま前と横の席に人がいないから気付かれてないけど、あんな様子を他の生徒が見たら風紀の乱れに繋がりかねない。

 今すぐにでも注意しなければ……“テスト中にそんなことしてはいけない”と、“集中しなさい”と。

「(…………)」

 なのに……いつもはすぐに出るはずの言葉が出てこない。口の先まで出かかっているのに、頭の中の“何か”が勝手に引き留めようとするというか……何故か彼女からも目が離せないままで。そしてもっと、あとほんの少しだけ“このまま見ていたい”という思いが……ってそんなのありえない! あんな淫らな、テスト中に言語道断な行為にどうしてそんな……。

 でも、抗おうとしても視線が勝手に彼女に吸い込まれてしまう……ブラウスの上から胸を揉むイヤらしい手つき、見たことのないニヤけた表情、ペンを挟む豊満な谷間、その全ての凄く扇情的で、“エロい”姿に――

「あの~先生?」
「えっ……あ、何かしら?」
「もうチャイム鳴りましたけど……」

 教卓前の生徒に言われて慌てて時計を確認する。チャイムにすら気付かないなんて……というか私ったら今凄くおかしなことを考えていた気が。“エロい”って……そんな言葉、使ったことなんて一度もないのに。

「し、失礼しました。えっと、それでは小テストを終了します。一番後ろの人が一列分回収して持ってきて下さい。チャイムも鳴ってしまったので、答案が回収された生徒から各自休み時間に入って構いません」

 ひとまず心を落ち着かせないと。そう思いながら後列席の生徒が持ってくる答案を一束ずつ受け取っていく。テスト回収が終わった生徒から徐々に賑わいと活気で溢れていく、そんな最中。

「先生お願いしまーす」

 最後に持ってきたのは清本さんだ。さっきまで三つほど開いていたブラウスのボタンは一つだけ留め直しているが相変わらずリボンは外れたまま。それに胸元には心なしか皺もできている。普段と違う乱れた様に、どこか赤らんだ表情。その一つひとつに心がざわついて落ち着かない。

「どうしたんですか、先生?」
「え? ど、どうしたって……別に何もないけど」
「…………ふふっ」

 私の返事に何か面白い物でもあったのか、なんて思っていた矢先。突然グイッと身体を寄せてくる彼女。その距離はあまりに近くて、というか胸が当たって――

「……ふ~ん。やっぱり清本の乳見て鼻の下伸びてやがるなぁ。ってことはお前も無事成功したってわけかぁ」
「……え?」

 成功? 一体何を言って……休み時間で賑う教室の中で、私にしか聞こえない声でボソッと呟いた彼女の言葉の意味がまるで理解できない。それに……彼女はこんな汚い喋り方をする子ではないはずなのに。

「まぁここじゃ色々と邪魔が多い。ひとまず人のいないとこ行こうぜ?」
「え、ちょ、清本さん待っ――」

 私の制止も聞かずに教室を後にする彼女を慌てて追いかける。その歩き姿も、やはりどこかおかしい気が……肩を揺らし、大股に歩く姿はどこまでも彼女らしくない。男っぽいというか素行の良くない不良生徒みたいだ。すれ違う生徒も彼女を見て首をかしげる様子が目立つ。

 やがて生徒の通りがほとんどない階段の踊り場に着いた所で、彼女はようやくこちらを振り返る。どこか含みを持ったニヤけた笑みを可愛らしい顔に貼り付けながら。

「へへっ、まぁ空いてる教室もなかったしココでいいだろ。さて……」

 そう言うと私の方をジッと見つめる。顔から始まり、その視線は私の胸元、脚、全身……まるで舐め回すかのようなジットリとした視線に少し寒気を覚える。

「あの、どうしたの?」
「え? いやぁ~やっぱり氷室って生意気なセンコーだけど身体はめっちゃエッチでたまんねぇよなぁって」
「はぁ!? ちょ、清本さん?」

 いきなり何を――

「まずよぉ、そのおっぱいは反則だよなぁ。清本のおっぱいも中々だけどやっぱりレベルがちげぇもんなぁ。それにケツで膨らんだタイトスカートもマジでエロいし……とりあえず触らせろよっ」
「ひゃっ!? きゅ、急に何するの!?」

 突然お尻に感じた嫌な感触に思わず後ずさる。あまりに信じられない言葉の数々に気を取られ、避けるのも遅れてしまった。

「ありゃ? 何そのリアルな反応……別に俺が触ったっていいだろぉ? お前ばっかりずりぃぞ。どうせさっきのテスト中にケツとか乳とか隠れてお触りしたんだろ?」
「そんなことするわけないでしょ!?」
「うおっ……なんだよ、うっせぇなぁ」

 ボサボサっと面倒臭そうに髪を掻く彼女。信じられない言葉と行動の数々に理解がまるで追いつかない。本当は教師に対する口のきき方も、その発言も、勝手にお尻を触ってきたことも、第二ボタンまで外した服装も、何もかも注意しなければならないはずなのに……そんな思いを通り越して湧き上がるのは、彼女のあまりに極端な豹変に対する心配だった。

「あの……清本さん、あなた本当に大丈夫?」
「はぁ? 大丈夫って……お前さぁ、いつまで氷室の真似してんだぁ? そろそろメンドくせぇぞ?」
「ま、真似? 一体さっきから何を言ってるの?」
「…………あれ?」

 私の返答に彼女の表情が心なしか曇る。このままだとずっと彼女のペースに惑わされてしまうだろうし、話すなら今だ。

「えっと、色々と言いたいことはあって……今日のあなたの私に対する口のきき方も、話し方も、何もかも随分以前と変わった気がするけど、その……大丈夫? 何か嫌なことでもあったの? 悩みを抱えているとか」
「え? いや、別に……おいおい“アイツ”どこいきやがったんだぁ?」
「……アイツ?」
「あ、いや、なんでもねぇ……っす」
「そう、ならいいけど。ともあれ、中々人に言えないこともあるだろうし無理に聞こうとは思わない。でも……ひとまずその言葉遣いとか、その服装とか。そういうのは幾ら何かあったとしてもいただけないわ。あとは、あなたが同性の子に対して、えっと……少し淫らな目を向けるのも……同性が好きなこと自体は決して悪いことではないけど、さっきみたいな下品で過激な発言は控えた方がいいと思う」
「あ~……はぁ」

 悩みもあるかもしれないし、できるだけ慎重に。そう心がけながら言葉を選んで注意したはずなのに彼女の表情はどこか腑に落ちないままというか。むしろ益々曇っていく。

「……チッ、なんだよ。俺の時と対応違いすぎだろ」
「え? 清本さん今なんて――」
「あ~えっと、なんでもないで~す。もう次の授業始まりそうなんで失礼しますね、ではっ」
「あ、ちょっと!?」

 私の呼び止めも無視して駆け足で階段を上っていく。スカートが捲れあがることも気にせず、一段飛ばしで駆け上がる姿は、やはり普段の品行方正な彼女らしくないというか。下から中の下着がチラッと見えてしまったし……所詮は見えてもいい黒パンだったけど。まぁクラスでもトップレベルの美少女の下着が見れただけで十分役得か。

「ふふっ…………あれ? 私ったら今、何を」

 それに……何だか胸が苦しいような、ドキドキして高鳴る感覚を覚える。まさか清本さんの下着が見えたから? それとも……すれ違い様に彼女の髪から香った甘い匂いのせい? もしくはさっき私のお尻を触ろうと彼女が前かがみになった時に見えたキャミソールと谷間の深さとか? 他には……ってあれ?

 本当に私ったらさっきから何を変な事ばかり考えて……おかしいわ。それこそ下着なんて私の方が大人っぽくて見映えの良いもの穿いてるし、香水だってもっと高いの使ってて良い匂いだし、胸だって大きいし。何より私の方が何倍もエロい身体してるんだから高校生程度の身体に興奮するなんておかしい。

「……って、おかしいってそういうことじゃないでしょ! なんで変な事ばかり勝手に浮かんでくるのかしら……」

 おまけにそれは今まで考えたこともない卑猥な考えばかりで。何故かじんわりと、アソコが濡れてきて――

「も、もうダメ! 早く次の授業に行かないと!」

 ペシッと頬を叩き、頭に浮かんで離れない奇妙な感情を振り払う。ひとまず清本さんとはまた今度話をしなければ……そう思いながら階段を上る。じんわりと濡れたショーツの感触に恥ずかしさと嫌悪感と……それとタイトスカートで歩くことの不思議な歩きづらさを感じながら。





 その後、6限の授業、担任クラスのHRと何とか乗り切り、少し疲労感を覚えながらも職員室に戻る。

「ふぅ……全然ダメね。今日の私」

 授業中もHR中もどうにも落ち着かなかった。何故か自然と可愛い女子生徒ばかりを見てしまって……少し問題を解かせて教室を歩いている間には、ブラウスの背中側から汗で透けたブラジャーばかりに目を奪われて……その度にキュッとアソコの濡れを感じて、その事実に困惑と羞恥を覚える苦しい時間を過ごすことになった。

「凄く疲れたわ……」

 肩をぐるっと回す。いつもより疲れたし、肩凝りもひどい気がする。まぁでもこれは仕方がないか。何せ私には今も常に視界に広がるHカップの巨乳がついてるわけだし……っていうか本当に重たい。今日見てきたどんな女子生徒よりもデカい乳してれば疲労だって当たり前――

「って、まただわ。もう何度目よ……」

 何故か自分の身体に対しても不思議な感情が勝手に湧き上がる。それに私が普段使うはずのないような下品ではしたない言葉が、考えが、次々と浮かんでは勝手に頭の中に居座っているのだ。

「はぁ……今日はもう帰ろうかしら?」
「玲衣さん大丈夫ですか? 結構お疲れみたいですけど」
「あ、凛ちゃん……ごめんね。気を遣わせちゃって」

 心配そうな表情で覗き込んできたのは体育教師で水泳部の顧問を務める愛沢凛(あいざわりん)。まだ2年目、私の3歳下で可愛らしくて人当たりの良い後輩教師。生徒の前では愛沢先生と呼んでいるけど、職員室やプライベートでは“凛ちゃん”と呼んで可愛がっている。

「玲衣さんはいつもキチッとして真面目ですから……偶にはパッと息を抜くのも大事ですよっ」
「ふふっ、そう言われると何だか照れるわね」
「だって玲衣さんは凄くカッコいいし美人ですし……憧れちゃいます」

 穏やかな笑みを浮かべる彼女。こんな良い子に慕われて私も幸せ者だ。気遣いができて優しい後輩で……何より凄く可愛いし。

 モデルのような小さな顔を彩るパッチリとした瞳と栗色のショートヘア。服装は下はジャージに上は半袖ポロシャツでいかにも体育教師的なラフな着こなしだけど、可愛い女性はどんな恰好でも似合うことがよくわかる。胸……おっぱいは私よりもはるかに小さくて、ぎりぎりBカップあるかってくらいかしら? でも、そこがまた良い味を出している。何せ更衣室での彼女の下着姿や部活動中の競泳水着姿はスラッとしたスレンダーな体型でこれもまたエロいなって思うし……それに貧乳だと乳首の感度とか良いかもしれないわね。もし弄ってみたら淫らな声で喘いでくれそう――

「あ、あの~玲衣さん?」
「ひゃっ……な、何かしら?」
「えっと、どうかしました? そんなにジッと見られると少し恥ずかしいです……」

 気付けば頬を赤らめた凛ちゃんの姿。私ったらまた……というか何かとんでもないことを考えていた気が。

「ご、ごめん何でもないの。やっぱり結構疲れてるみたいだから今日は帰るわね」
「あ、はい。お気を付けてっ」

 なおも顔の赤い彼女から逃げるように職員室を後にする。このまま真っすぐ家に帰ろうかと思ったけど、少し気分転換でもした方がいいのかもしれない。最近開店したお洒落な喫茶店にでも寄るか、それともジムに行って少し汗を流そうか。そうすれば色々溢れてくる変な感情も自然と消えるかもしれないし。

 例えば、今まさに目の前に広がっている卑猥な本の表紙のような……“女子高生が制服をはだけさせておっぱい丸見えでエッチな表情でよがっている姿”とか、“アイドルが恥ずかしそうにショーツを見せてる姿”とか……こういうのに興奮する変な気持ちが消えて……って。

「こ、ここどこよ!?」

 気付けば見たことも無い店の中。目の前にはさっきも見た通り、制服のはだけた女子高生、下着を見せつけるアイドル……それだけじゃない。首輪を付けて全裸の女の子、たくさんの触手に襲われている私みたいな恰好のOL。でもそれは全て現実の女の子ではなく、鮮やかに描かれた漫画の中の世界で。

「えっと……同人誌っていうのかしら?」

 単語自体は聞いたことがあるし、実際にどういう意味なのか確認したこともあるけど……その販売店に来たことなんて勿論一度も無い。なのに私、いくら考え事をしていたからって、どうしてこんなお店に無意識に足を運んでしまったの……?

 ふと周囲を見渡すと、なんだか凄く注目を浴びているような。視線の主はいずれも男性ばかりで……私と目が合うと慌てて視線を逸らす。考えてみればここには女の子のエッチな本しかないし、おそらく男性向けのコーナーに違いない。そんな場所に私みたいな女が平然と入ってきたら注目されるのも当たり前だ。

「(なんで私ったらこんなとこに……一体どうして)」

 アニメや漫画にはあまり興味を持ったことがないし、ましてやこういう卑猥な同人誌は間違いなく嫌いな部類に入るはずなのに……でも何故かこれ、どこかで見た気が……“買って読んだ記憶”があるような……ってそんなわけない! だってこんないかがわしい物……今にも目を覆いたい、逃げ出したいくらいに恥ずかしくて苦手な物なのに。

 そのはずなのに。

「…………」

 その色々な表紙の……卑猥な恰好の女の子たちから目が離せない。露出された胸やお尻が、淫らな表情が、なぜか凄く魅力的に映って、心臓の鼓動が加速して止まらなくて。どうして、なんで……でも勝手に手が伸びて――





「はぁ……」

 結局……5冊も買ってしまった。袋に詰められた大量の同人誌の重さと恥ずかしさに自然と足取りが重くなる。レジに持っていく時の周囲や店員からの見られようといったら恥ずかしくてたまらなかった。そんな思いまでして何故こんな卑猥な本を……後悔ばかりが募るが仕方がなかったのだ。

 どうしても胸の高鳴りが治まらなくて、目の前のエッチな同人誌を買わずに素通りすることがなぜか凄く勿体なく感じて、今買わなければ気が済まない衝動に駆られてしまって……自分でもおかしいのはわかっているのに何故か止められないような。それに……前はお小遣いで少ししか買えなかったけど、今はお金いっぱい持ってるし。

「……? 何考えてるんだろ。こんな本買ったことも無いし、お小遣いなんてもう何年前の話よ……」

 自分に対する不思議な違和感と手に感じる同人誌の重さに憂鬱な気分になりながら繁華街を歩いていると、何やらガラガラと騒がしい音が聞こえてきて……ゲームセンターか。確かここでうちの生徒が騒いでいるのを見つけて注意したこともあったかしら?

 店内の様子を外から見てみると、何やら見覚えのある人が……って。

「あれは清本さん? どうしてこんなとこに……」

 彼女の所属する吹奏楽部は今日は活動日だったと思うけど……まさか真面目な彼女がサボり? それに服装も制服じゃなくて私服だけど、随分イメージと違う気がする。グレーのタンクトップにデニムのホットパンツ……あまりに肌の露出が多すぎて目のやり場に困る。前に遠足で見た時は真面目で清楚な恰好だったのに……まぁでも零れそうな谷間と健康的な脚が実にエロいから特に問題ないか。

「……ってよくないでしょ! ひとまず部活を休んでここにいる理由を聞かなきゃ」

 早速中に入ると、ゲームセンター独特の騒がしい喧騒の中を歩いていく。清本さんは何やら格闘ゲームに集中していて私の接近に気付く様子は全くないけど――

「チッ、負けたっ、うっぜぇ!!」
「ひっ……」

 可愛らしい声からは想像もつかない下品で汚い言葉の数々に驚き、思わず手に持っていた袋を落としてしまう。

「ん? 誰だぁ……げっ」

 私を見て途端に苦い表情を浮かべる……が、それも束の間。彼女の視線は私の顔から下の、床の方に移っているようで。

「あぁ? なんだこれ……」
「あっ、しまっ――」

 袋から顔を出していたのは……首輪を付けた全裸の女子高生の表紙。とても人前で見せられない卑猥な同人誌を慌てて拾い上げたけど、少し遅かったみたいで……清本さんはニヤッと、また教室で見た時と同じ軽薄な笑みを浮かべる。

 やってしまった……いつも威厳ある教師として生徒を正しい方向に教え導こうとしている私が、こんないかがわしい本を買っていると知られるなんて――

「なんだよ~、やっぱりちゃんと憑依できてたんじゃねえか!」

 …………え?

「ひょ、憑依? なんのこと……?」
「いい加減とぼけんなって! どうせ鬼教師の金で好き放題エロ同人誌買える~とか思って大人買いしたんだろ? 俺はあんまこういう二次元? っつうのは興味ねぇけど」
「お、鬼……エロ……?」

 さっきから彼女は何を言ってるの……?

「でもお前もさぁ。そんなエロ本よりも今は新鮮な女の身体を楽しもうとか考えねぇのか?」
「……は?」
「俺なんかもうこのエロい身体で学校と家でオナニーしまくっちまったぜ!」
「はぁ!? オ、オナ……」

 清本さんこんな所で何を――

「色々とオナる度にやり方も変えてみてよぉ……特に清本が部活で使ってたフルートなんかアソコにぶち込むには随分と気持ちの良いブツだったぜ、ひひっ! それに鏡見ながらオナってると、エロく喘ぐ姿なんざ中々見せてくれなさそうな真面目な清本を俺の手でイかせてる気分になれんだよなぁ。こいつは新発見だったぜぇ」
「ちょ、清本さんストッ――」
「それにお前の社会人パワーには劣るかもしれねえが、清本の家そこそこ裕福みたいでよぉ。小遣いも結構もらってたし、あいつもあまり使ってなかったみてぇだからメッチャ散財させてもらったわ。とりあえず家に全く無かったエロい服を買って~、後は下着売り場にも行ってよぉ。へへっ、今してんだけど見るか? これが中々エッチなやつでよぉ」
「清本さん!!」

 いよいよタンクトップの胸元を下げながらチラッと紫色のブラを見せつけようとしたところで思わず大きな声を出す。ゲームの音でうるさい店内と少ない利用客でも、わずかばかりの視線を感じる。

「な、なんだよ。急に大声出すなよなぁ」
「あなたねぇ!」
「うぉ!?」

 彼女の両肩を掴み、正面から見下ろす。そのクリッとした目、艶やかな唇、ノースリーブタンクトップからはみ出るおっぱいの谷間と色気のある紫色のブラ、ホットパンツから伸びる眩しい美脚、上から下までほんとにエロ……って違う!

「あなた今日ずっとおかしいわよ? 部活はどうしたの? それにこんな所でそんな話しちゃダメでしょう? あとさっきから教師に対してその口のきき方は何?」

 ただひたすらに彼女への注意を捲し立てる。それは、私の頭の中に湧き上がる変な感情を必死に振り払うためでもあって。

「本当にどういうつもりなの? 今日の清本さん、やっぱり変よ? 何よりあなた、自分の楽器をそんな卑猥な行為に……前に、“このフルートは中学の時に初めて買ってもらってから毎日使い続けてる大切な宝物なんです”って言ってくれてたじゃない……なのにどうして」
「……はぁ」

 チッ、と汚い舌打ちを鳴らす彼女。これはもう本腰を入れて厳しく叱るしか……。

「一体何がどうなってんだよ。アイツほんとどこ行きやがった……」
「アイツって誰? 話を逸らさないで私の質問に答えなさい!」
「うっぜぇ……ならメンドくせぇけど仕方ねぇか……」
「あなたいい加減に――」
「ごほんっ! えっと……“なんでもないですよ、氷室先生?” ふふっ、これでいいですか?」

 それは突然のことで……急に以前の“彼女らしい”優しい笑みが浮かぶ。さっきから粗雑な彼女ばかりを見ていたせいか、本来であれば普段通りであるはずの口調と表情に妙な違和感を感じてしまう。

「少し疲れることがありまして。部活を休んで軽く気分転換をしたかっただけなんですけど……それも終わりにしますね。では失礼します」

 なおも丁寧な口調とペコッとお辞儀をする様は普段の彼女そのもので。ただそのラフな服装には少し合わない仕草ではあるけど……って。

「待って! まだ話は終わってないわ!」
「え? 私はもう無いんですけど……それに誰にでも話したくないことの一つや二つくらいありますよね?」
「それは……もちろん私だって無理に聞こうとは思ってないけど。あなたがいつもと違い過ぎるから気になって……」
「それは先生の評価に影響するからですか?」
「んなっ、違うわ!」

 相変わらずいつもの笑みを浮かべているけど……どこか言葉に棘を感じるような。

「私はあなたのことが本当に心配で……」
「じゃあ尚更放っておいてほしいんですよねぇ。というか先生だって人のこと言えるんですか?」

 そう言うと、彼女は私が手に持つ紙袋に視線を向ける。

「さっきチラッと見えたのは“女子高生催眠エッチ”……とか書いてありましたよね? 真面目で厳格な氷室先生がそんな本を読む趣味があったなんて……私びっくりですよぉ」
「ち、違うわ! これはその、えっと……」
「ふふっ、まぁいいです。ひとまず……今日のことはお互いの秘密ってことにしておきませんか? さもないと……“表では規律と風紀を重んじる教師なのに裏では女子生徒が淫らな行為に及ぶ同人誌を読み漁る変態女教師”って口が滑っちゃうかもしれませんしねぇ」

 ゴクリと唾を飲む。今まで威厳のある教師としてずっとやってきたのに、こんなことで……。

「まぁご安心ください、別に今日どうしようとかそういうわけじゃないですから。ただ……真面目な氷室先生がどうして卑猥な同人誌を買ってるのかな~って少し考えてみようかと思いまして」
「そんなこと……」

 だけど確かに……自分でもなぜこんな本を買ってしまったのか、表紙を見た時の胸の高鳴りをどうして抑えられなかったのか、全く見当がつかなかった。

「果たして元から先生は変態なのか。まぁそれならそれで面白いですけど、そうじゃないとするなら……ふふっ、やっぱり頭が良いと色々と考えが浮かんできますねぇ」
「だから私は変態なんかじゃ……」
「じゃあ今はそういうことにしておいてあげます。ではまた明日っ」

 振り向いて笑顔でぺこっと頭を下げた彼女はそのまま立ち去っていく。こっちも弱味を握られている以上、その背中を追いかけることはできなかった。

 それにしても今の仕草も、口調も……それはさっきまでとは違う昨日までの彼女の姿だ。その歩き方も、学校で見たガサツな有り様ではなく、育ちの良さを感じさせる上品な後ろ姿。

「でも……何かが違う気が」

 “彼女が本当に彼女なのか”という気味の悪い感覚に全身がゾクッとしながらも、私はフリフリと揺れるホットパンツに包まれた彼女のお尻に目を奪われ……そうになるのをグッと堪えた。





「はぁ……」

 色々あったけど、やっと家に帰ってきた。何かしら、この途方もない疲労感……それは片手に抱えた大量の同人誌だけが理由ではない気がする。

 いつも履いてるはずのヒールになんだか違和感を覚えるような、普段身に付けているタイトスカートに歩きづらさを感じるような、そんな不思議な感覚。毎日のことなのになんで……と思いながら玄関に放置されたヒールを見やる。そういえば揃えもせずに放り投げてしまった……まぁいいか。いつもは整理整頓しないと気がすまないけど、今日は疲労が遙かに上回っていてその気になれない。何より清本さんにあんな物を見られてしまって……これからどうすればいいのかという悶々とした気持ちだけが沸き上がる。

 悩みの種は多いけど、とりあえず着替えなきゃ。ひとまず動きづらいタイトスカートから……と思っていると、ふと目の前の姿見が目に入る。胡坐をかいてずり上がったスカートの隙間からチラッとショーツが見えそうで、なんかエロいなぁ。

「って私ったらスカートなのにこんな座り方して……皺ができちゃうじゃない」

 そもそも胡坐なんて滅多にしないのに。疑問に思いつつも、まずは立ち上がってスカートを脱ぐ。続いて青いボタンブラウスにも手を掛け、一つずつボタンを外していく。段々と谷間が見えてきて……これをもっと外していけば、そこにはキャミソールとブラに包まれた立派な乳肉が――

「おほっ、エッロ……」

 思わず自然に声が漏れてしまう。まぁ立派な乳だし、こうなるのも仕方な……くない。何考えてるのよ私……なんだか疲労のせいで変な感情を抑えるのが難しくなってる。そもそもそんな感情が湧き出ること自体がおかしいけど。

 ブラウスをスッと下に置くと、姿見に映るのは下着姿の巨乳美女……って私だ。上はパウダーブルーのキャミソール、下は同色のショーツとベージュのパンスト。これはこれで中々スケベな格好だけど、もっとこのエッチな身体を隅々まで見たいからキャミとパンストも脱いで……よしっ。あとはブラを少し上にずりあげてっと。

「おぉ、生巨乳やばっ。私の手じゃ入りきらないし……というか本当にエロい身体よね。おっぱいだけじゃなくて、お尻も大きいし。でもくびれがあってウエストも細くて……さすがジム通いでスタイル保ってるだけはあるわ。均整のとれた最高のスケベボディね、ふふっ」

 何せ……高校に入学して一目見た時からずっと考えてたし。この鬼教師のスーツの下にはどれだけのエロいボディラインが隠されてるんだろうなって。ほんとこれは想像以上――

「ってまた私ったら……」

 疲れ過ぎのせいで頭の中に湧き上がる変な感情にそのまま気持ちを委ねてしまうというか。それに今、何かおかしなことを考えていたような。入学とか、自分の事を鬼教師とか……。

「はぁ……もう寝ようかしら?」

 だいぶ汗をかいてるからシャワーくらいは浴びた方がいいと思うけど、何せ疲れてるし。でも浴びたら少し気分転換にはなるかしら? 裸になって乳首とかアソコにシャワー浴びせたらきもちぃだろうし……ってほんとさっきからもう……やっぱり寝よう。頭の中も身体の疲労もスッキリさせなきゃ。それで明日からまたしっかりと切り替えて――

「…………」

 でも……目に入ってしまった。

 それは今日大量に買った同人誌、そのエロい表紙の数々。艶やかなおっぱい、豊満な桃尻、頬を赤らめた色っぽい表情……卑猥な二次元の女の子たち。まずい、もう寝ようと思っていたのに心臓が高鳴って……これじゃ寝られなくなる。

「でも、少しだけなら……」

 ゴクリと唾を飲む。ほんの数ページめくるだけ……ひとまずこの、“女子高生催眠エッチ”を……おぉ。内容は清楚可憐な女子高生が催眠をかけられておちんちん大好き女になってしまう……謂わば表紙とタイトルの通りだけど、いかにも淫乱とは無縁な女の子がスケベな男子生徒たちの肉棒を嬉々としてニギニギして、精液を浴びて、挙げ句には本来ガードが堅いはずの制服の下のおっぱいを惜しげもなく曝け出して肉棒を挟み込んで……「ご主人さまぁっ、ユリカのおっぱいきもちぃですかぁっ♡」とか言いながら嬉々としてパイズリに興じている。

「ダ、ダメ……続きが気になって手がとまらない……」

 教師の私がこんな本を見るなんて言語道断なのに……我慢できない。だってこんなに可愛くて清楚の塊みたいな女の子が平然と淫らな行為に及ぶギャップと背徳感……こんなの手を止める方が無理に決まってる。男共から溢れ出た精液で顔とおっぱいを濡らしてもハイライトの消えた目でニコニコと微笑む様。なんて卑猥で、なんてエロいのかしら……ってそういえばこの子、ユリカちゃんっていうのか。偶然にも清本さんと名前が一緒……しかも風貌も何だか二次元と三次元の垣根はあるけど結構似ている気がする。彼女がこういうエッチな姿を晒してくれたら、それこそギャップで永遠とイけるかもしれない。

「私ったら生徒に対して何てこと考えて……」

 でも……この同人誌を読み進めると、同時に清本さんが同じように肉棒をしゃぶったりパイズリしたり精液まみれになって微笑む姿の情景妄想が止まらなくて。こんなの教師として絶対にしてはいけないことなのに。

「……んぅ♡ んっ、んはぁっ♡ ダメ……なのにぃっ」

 あぁ、まずい、手が勝手にアソコに……だって同人誌のユリカちゃんも生徒の優理香ちゃんもエロすぎるから。彼女たちが同人誌で、現実で、それぞれあんなに清楚感あふれる姿を見せるから、エッチな姿を晒す時の背徳的なギャップを妄想するのが楽し過ぎて、指が止まらなくて……あぁ、きもちぃ。やっぱり18禁同人誌を見ながらオナるのは至高の時間ね……まぁ、まだ18歳になってから3か月しか経ってないけど。

「んぁっ……あれぇっ♡ 私もう27歳……なのにぃっ♡」

 目の前の姿見を見ればそこには豊満な双丘、極上のくびれ、汗に濡れた大人びた美女の顔。18歳なんかには見えるはずもない。それにしても本当に美人でどスケベボディで。そんな女がオナニーに喘ぐ姿って凄く興奮する……他でもない私自身なのに。

「も、もっとぉっ♡ んっ、んっ♡」

 淫らな声が耳に響いてきて。私の声なのに益々興奮を駆り立てて……まるで他人のオナニーをじっくりと堪能しているような感覚。でもシてるのは私自身で……なんだか意味がわからなくて。湧き上がる興奮にアソコを弄る指も、おっぱいと乳首を弄る手の平も、何もかも止まらない、抑えられない。姿見に映る巨乳美女のオナニー、眼前に極上のおっぱい、そして同人誌に映る裸の女子高生、それに似た清本さんが喘ぐ妄想……頭の中も、目の前に映る淫らな情景も、何もかもが目まぐるしく変わって、でも全部が淫乱でたまらなくて。

「んぁ♡ も、もう……らめぇっ♡ と、とまらっ、あんっ♡ んはぁっっ♡♡」

 ショーツに感じる生暖かい感触と共に、身体中が火照り滾り、その感覚に背筋がグイッと仰け反って……そのまま仰向けになって倒れ込む。

「はぁはぁ……わ、私……」

 イっちゃった……別に初めてじゃないのにどこか新鮮な高揚感。何故なのか考えようにも頭が回らなくて、代わりに気だるい感覚が脳内と全身に一気に流れ込んできて、自然と瞼が重くなってきて……あぁ、もうダメね。難しいことを考えるのはまた明日にしよう。

 押し寄せる疲労に身も心も委ね、私はそのままソッと意識を沈めていった――





「んっ……」

 日差しが眩しい……もう朝か。

「ふわぁ~、う~ん……眠い」

 どうやら床で寝てしまったらしい。身体の節々が痛むし、どうにもダルさを感じる。とりあえず何とか起きて……あ、姿見だ。

「うぉっ、乳デッカ……誰よこの巨乳美人」

 しかもブラがずり上がって乳首が見えてるし。極秘で入手したAV嬢の誰よりもスケベな身体してるわね。それどころか同人誌の二次元エロキャラレベルにおっぱい超デカ――

「……というか私よね? まだ寝惚けてるのかしら……それにAVなんて一個も持ってないし」

 姿見に映る自分をその辺の美女と間違えるなんてナルシストみたいね。気を付けなくては……と。なんか股間が変な感じする……凄く濡れてるような。そういえば昨日エロ同人見て激しくオナっちゃったからか。それにさっきも夢の中で何度も巨乳人妻にパイズリしてもらった気がするから夢イキしちゃったのかも。

「でもパイズリって……私、女なんだけどな」

 まぁ美人にパイズリしてもらいたいなんて誰でも持ってる感情だし何も不思議じゃないか。

「……あれ?」

 何だろう……まぁいいか。さすがに汗もかいちゃってるし、ひとまずシャワー浴びなきゃ……ふふっ、シャワーか。何だか急にワクワクしてきた……なんでかしら? ひとまずブラとショーツを脱いでっと……おぉ、動くとおっぱいがすっごく揺れる。それにプリッとした大きな桃尻も実に扇情的ね。

「おっぱいもお尻も触り心地最高……ふひっ」

 とりあえずブラとショーツは、このままほったらかしでいいか。いつもは整頓してた気がするけど……面倒だし。ということでそのまま浴室に入る。

「ちゃんと入念に洗わないとねっ。隅から隅まで……にひひっ……といけない。何か気持ち悪い声が出ちゃった。気を取り直してシャワーを浴びて、乳首を刺激してっと……あっ♡ こ、これぇっ、きもちぃっ、あんっ♡」

 ゾクゾクした快感が全身を駆け巡る。このままずっと乳首に当て続けたいけど、それじゃ終わらないし身体を洗わないと。ハンドタオルは……いらないか。何となく今日は手で洗いたい気分なのよね。その方が身体中をまさぐれるし。

「ちゃんとおっぱいも下から入念に洗わないと……ふふっ、ずっしりして重たいわね。んっ♡ それにおケツもぷりぷりして……ほんとエロ過ぎる身体ねぇっ♡ 隅から隅まで貪り尽くしたいくらいっ。脚も長くてスベスベで……ひゃんっ♡」

 太ももに指を這わせると全身にサッと流れ込むくすぐったさと気持ち良さ。身体を洗うだけで楽しくて時間があっという間に過ぎてしまいそう……ってそういえば今何時かしら? 風呂場の防水時計は――

「っていけない、もうこんな時間!」

 このままでは学校に遅刻する。いっそ学校なんてサボっちゃ……ってそれだけはダメ! 私は生徒を正しい方向に教え導く教師なんだから。おサボりなんて言語道断だ。それに……教師をやめたら、可愛い女子生徒を合法的に間近で見れなくなっちゃうし。それは勿体な……あれ? 何かおかしいような……まぁいいか。

 慌てて髪を洗い流して浴室を出る。洗面台の鏡には……おぉ、おっぱいから水が滴って凄く色っぽい巨乳女ね。こんな女に抜いてもらいたいなぁ。

 そのまま適当に朝食を済ませ、急いで身支度を整える。ずっと眼前で揺れる主張の激しいおっぱいが煩悩を刺激してきて……日常生活中ずっと私の心を乱すとは心底けしからん乳肉ね。いつか昨日読んだエロ同人みたいにたっぷり揉みほぐしてお仕置きしなきゃ。

「ふふっ、あの同人のこと思い出したらまた濡れてきちゃったわ。仕事終わったら今日もアレでオナるとして……今は早く着替えなきゃね」

 スカートかパンツスタイルどちらにしようか。タイトスカートのエロさは言うまでもないけど、パンツスタイルのお尻のむっちり感も捨てがたい……って私が穿くだけなのに何考えてるんだか。動きやすさ重視ならパンツスタイルかしら? こっちの方が穿き慣れてるし。

「あれ? でも私ってどちらかというとスカートの日の方が多かった気が……まぁいいか」

 とりあえず黒いタイトなスラックスパンツとパープルの半袖襟付きブラウスを取り出す。まずは上を……ってブラつけてなかった。というか今気付いたけど私ったら今までご飯食べたり歯磨きしてる間もずっと何も着てなかったのか。そりゃおっぱい揺れまくるに決まってるわね。

 それじゃあ下着どれにしようか……って私なんでこんなにエッチなの持ってないんだろ。今度いっぱい買わなきゃね。そういえば一緒にキャミソールも入ってるけど……いちよう透けブラを防止して、生徒の風紀を乱さないために毎日着てたんだっけ?

「……なんでそんなこと思ってたのかしら? キャミなんて暑いし面倒だし。透けブラなんて好きに見せてあげればいいわよねっ」

 ひとまずキャミを着る選択肢をさっさと外して、手持ちの中でも可能な限りエロそうなショーツとブラを身に付ける。そして今度こそ半袖ブラウスを着て……なんだかボタンがいつもと逆に感じるような。でもボタンを留めながらおっぱいの山を包み込んでいく感じって何だか興奮するわね、ふふっ。

 やっと着替え終わった所で姿見を……おぉ、ちゃんと似合ってる。ブラウスを押し上げる双丘の膨らみが実に扇情的で、それにクルッと後ろ側を見てみればパンツでキュッと、それでいてたわわな桃尻がちゃんと主張されていて……というか全体的に身体の線がピッチリと浮き出ていて凄くエロい。やっぱりスタイル抜群の身体だとどんな格好でも卑猥に見えちゃうのね。

「ふふっ、今日もばっちり!」

 満足したところで外へ出る。歩いていても周りの男の視線は大半がおっぱいに注がれていることがわかる。わざとらしくパタパタと胸元を煽いでみると、より一層視線を感じて……何だか良い気分ね。つい昨日までは乳に注がれる視線に心底嫌悪感を抱いていた気がするけど、あの時の私ってどうかしてたのかしら? おっぱいなんて別に見せたって減るものじゃないし。それに私だってこんな巨乳のお姉さんいたらガン見しちゃうもの。

「……っと噂をすればあっちに巨乳美女発見! あれは大学生くらいかしら? 良い乳してるわねぇ」

 今すぐにでも鷲掴みにして揉みしだきたいくらい……でもそんなことしたら捕まっちゃうし。

「仕方ないから代わりに私の乳でも揉んでおこっと。まぁデカさならあの大学生以上だし……んっ♡」

 自分の巨乳の揉み心地とエロさに思わず涎が零れそうになりながらも最寄駅に到着する。どの辺で乗ろうか……っていつも女性専用車両に乗ってたっけ? 理由は男の痴漢を防ぐため……あれ? なんでそんなこと気にしてたのかしら。別に私のお尻って触りたいくらいエッチな桃尻っぷりだし、その程度のことなら許してあげるのに。

「なら今日は普通の車両でいいか……ん? アレは……」

 中々好みの就活お姉さんを発見。可愛らしい顔だし、おっぱいも中々。長めの黒いタイトスカートと白い半袖ブラウスっていうのがなんとも初々しくて……でも絶妙にエロいのよね。彼女が立ってるのは……女性専用車両の位置か。あ、でも考えてみれば……あそこって女の子しかいないのよね?

「それって最高じゃない! やっぱり今日もいつも通りこっちに乗ろっと♪」

 とりあえず彼女の後ろに移動し、電車を待ちながら後ろ姿を凝視する。あぁ……あのタイトスカートに包まれたお尻をお触りして堪能したい。それにポニーテールに結んだ艶やかな黒髪に顔を埋めたい。良い匂いしそう……あ、電車来た。彼女についていくように乗車して後ろに陣取って……おぉ、ほぼ満員電車だから背中に密着状態ね。これなら怪しまれずに髪や全身の匂いを嗅げる……ふふっ、甘くて良い香り。興奮して頭がクラクラしちゃうわ……ん?

 なんだか彼女の顔が赤いような。どうしたんだろう……ってアレか。かなり密接してるから私のおっぱいを彼女の背中に思いっきり押し付けてたわね。自分のモノながら少し潰れた巨乳もエロいなぁ……思えばこれって私しか見られない乳の絶景よね? ふふっ、何だか良い気分。まぁ就活お姉さんの赤い顔も可愛いし、このままずっと押し付けておこう。でもおっぱいが大きすぎて彼女のお尻が見えづらいのだけが少し難点だけど。

「はぁはぁ……」

 胸が潰れる息苦しさと美女に密着してる興奮でどうにも苦しくて落ち着かない。思えばこの車両自体が良い匂いするし、周りにも綺麗な女性が多くて……女性専用車両ってこんなに興奮するのね。よくこんな電車に乗って毎日私は股間を濡らさずに通勤してたなぁ。今日はもうすっかり濡れちゃったわ。何せ、この就活お姉さんがエロ可愛い過ぎて……あれ? そういえばさっきから“お姉さん”って……彼女、多分私より年下よね? 何故かお姉さんの方が自然としっくりくるというか……不思議ね。

 そんなこんなで楽しい時間は瞬く間に過ぎていき、電車は学校の最寄駅へ……頬を赤く染める就活お姉さんを名残惜しくも置いて電車を降りる。これからも女性専用車両に乗り続けよう……なんて思いながら校門までの道のりを歩いていると。

「先生おはようございます!」
「あら、おはよう」

 何人かの女子生徒が大きな声で挨拶してくる……何だか良い気分ね。何せ昔は誰からも挨拶なんてされなかったし。

「……? そんなことないか」

 なんだか普段と変わらない朝なのに凄く良い気分を抱えたまま職員室に入る。水泳部顧問の凛ちゃんは朝練終わりなのか既に来ていて……昨日と大して変わらないジャージ姿だ。私は特に学校で着替えたりもしないけど、凛ちゃんは私服から着替えてるのよね。もう少し早く来て覗き見すれば良かったかしら?

「残念……」
「え? どうしたんですか玲衣さん?」
「あ、ううん、なんでもない。今日も一日頑張りましょっ♪」
「ひゃっ……れ、玲衣さん、何だか機嫌良いですね」

 どさくさに紛れてお尻をサッと叩くように触ってみたけど……驚いてはいても別に嫌がってはないみたい。これなら今度はもっとスキンシップしてみてもいいかも、なんて思いながら私も担任クラスへと向かう。

 HRをして、すぐに授業も始まって……だけど、なんだか普段よりいまいち集中できない。何せうちの高校は顔や発育の良い女の子が結構揃っていて、つい目移りしてしまう。そんな自分に気付いてハッとして慌ててチョークを落としちゃったりもして――

「おぉ……」

 机の下から見えたのは女子高生のパンツ……まぁ多くは黒い見せパンだけど、中には可愛らしい物を穿いてる子もチラホラいて。

「これは濡れてきちゃうわね……ふひひっ」
「あの~先生? 大丈夫ですか?」
「え? あぁ、ごめんなさい、少し立ちくらみしちゃってね」

 スッと立ち上がるも、どうしても下から覗いた生徒のパンツが頭の中にこびり付いて離れない。またワザとチョーク落としちゃおうかしら……っといけない。

「今は集中しないと。よしっ、次の問題を牛山さん。四択から正解を言ってもらってもいいかしら?」
「えっとこれは……」

 牛山さんが起立して少し考え込む。そういえば彼女ってこの高校の生徒の中ならトップレベルにおっぱい大きいわよね? どれくらいかしら? 多分――

「答えはDです」
「いや、Gカップくらいあるんじゃないかしら?」
「…………え?」
「……あ、いや、えっと何でもないの。答えはD……よね。正解です、ふふっ」

 慌てて誤魔化したけど、牛山さんはどうやら言葉の意味に気付いたようで、顔が途端に真っ赤に染まっていく。他の生徒も少しざわついているが……まぁ彼女があんなに巨乳を主張してるのが悪いのだし、私は悪くない。

 結局、その後も授業の度にわざとチョークを落としてはパンツを覗いたり、授業中に問題を解かせている時に後ろから生徒の透けブラを観察したり……先生って何だか得した気分ね。もう5年間やってるはずだけど、こんな美味しい気持ちになったのは初めてかも。

 そして時間は過ぎていき4限目……この時間は授業は入っていない。

「いつもは午後の授業の準備をしてるけど何だか面倒ね……あっ、そうだ」

 確か、この時間は凛ちゃんが女子の体育の授業をしていて……しかも水泳だ。せっかくの空き時間だし、有効活用するしかない。私はプール付近の、泳いでいる生徒をコッソリと覗き見できる死角の場所へと向かう。

「ここは良い穴場スポットなのよねぇ、ふふっ」

 何せここで今まで何回も覗き見して盗撮して……ってそんなことはしてないか。あれ? それなら何でこんな場所知ってたのかしら。

「まぁいっか。ひとまず今日も覗き見……ん? でも考えてみれば隠れる必要なくない?」

 私って教師だし……別に堂々としてればいいじゃない。私は何食わぬ顔でプールサイドへと侵入する。

「え、玲衣さん!? あ、じゃなくて氷室先生……どうしてここに?」
「えっと、この時間は授業が入ってなくてね。愛沢先生がどんな授業をされているのか少し見学してみたいなーって思ったの」
「そ、そうですかっ。それは……私もきっちりしなきゃいけませんね!」

 最初は戸惑った表情を浮かべていた凛ちゃんもスッと気合いの入った表情に切り替わる。そこには何も疑うような様子はない。しかもご丁寧に私のためにパイプ椅子までせっせと用意してくれて。まさか女子生徒の水着姿を観察するためとも知らず……ふふっ、先生の立場ってやっぱり最高ね。

 前を見渡せば、水泳の授業に励むスクール水着の生徒たち。中には発育が良くておっぱいがはち切れそうな子もいれば、ロリ体型の子もいて……あぁ眼福。ストレッチを見てるだけで何だか興奮して濡れてきた。もう授業中で散々濡れちゃってるけど。今日は黒いスラックスパンツにして正解だったかもしれない。

「ひゃっ……ちょ、ちょっと優理香!?」
「あ、ごめん手が滑っちゃった、ふふっ」

 あれは……清本さんか。二人一組でストレッチ中みたいだけど、やたら相手の子に密着しているというか……過剰なスキンシップに及んでいるように見える。少し羨ましいわね。

「そこの二人! ちゃんと集中してよ~」
「ほら~凛先生に怒られちゃったじゃん」
「ふふっ、ごめんね」

 ニコニコと笑いながら謝る清本さん。そういえば昨日彼女の様子が少しおかしかったのを思い出す。授業中に自分のおっぱいを揉んだり、露出の激しい格好で部活をサボってゲームセンターにいたり。でも今日の数学の授業ではちゃんと難しい問題にもスラスラ答えていたし割と普通だったような。なぜか息が少し荒くて顔が火照ってた気がするけど。

 その後もスク水で泳ぐ女子生徒たちをただただ見放題……そんな眼福の授業時間はあっという間に過ぎていった。間近で見られるのは良いけどスマホでこっそり撮影できないのは難点かもしれないなぁ……なんて思っていると、何だか度々清本さんと目が合う。彼女は意味ありげにニコッと微笑んで……アレはどういう意味かしら? ともあれ私は授業中ずっとムラムラする中で、トイレに駆け込みたい気分をグッと堪え続けた。





「はぁはぁ……やっとオナニーできるわね」

 迎えた昼休み。散々お預けを食らって疼きっぱなしの身体を必死に動かし、人のあまり来ないトイレにやってきた。今日見た授業中の女子生徒のパンツ、透けブラ、スク水が作り出す扇情的なボディライン、あとは電車の中で密着した就活お姉さん……オカズにしたいネタはいくらでも頭の中に残っている。もう我慢できない。

「別に昼休みなんだからいいわよね、ふふっ」

 スルッとスラックスパンツを下ろすと、今日穿いてきた……手持ちの中ではまだエッチな方だと思った黒のレース下着が見える。かなり濡れてるみたいだけど……さすがに興奮し過ぎたか、なんて思いながらもサッとずり下げる。

「では早速……んぅっ、んはぁっ♡」

 指を入れる度にクチュクチュと淫らな水音と卑猥な声が漏れる。私の喘ぎ声って色っぽい、きもちぃ、快感……今日見て感じてきた淫らな情景と、私の出す官能的な音の数々に指が止まらない。

「んっ、んっ♡ おっぱいもぉっ♡ きもちぃっ♡ も、もうっ、らめぇっっ♡」

 空いた方の手も自然と豊満な乳肉に吸い込まれて……何て心地の良い快楽と気持ち良さ。“先生”の身体は感度もエロさも最高過ぎて、この調子ならスグにイけちゃいそ――

『せ~んせい?』
「ひっ!?」

 ドアの外から聞こえた声に身体が震える。ねっとりと愛液が付いた指を慌てて引っこ抜くが、この声の主は……清本さん?

『随分気持ちよさそうな声が聞こえましたけど……真面目な氷室先生が勤務中にそんなことしてたなんて私びっくりですよぉ』
「こ、これは……」
『ふふっ、とりあえず出てきたらどうですか?』

 素直に出てこないと何を言いふらされるかわからない。仕方なしに最低限の処理だけしてドアを開けると、ニヤッと含みを持った笑みを浮かべた彼女の姿があった。

「今は……昼休みだから」
「へぇ~昼休みならいいんですか? 生徒の模範でありたいっていつも言ってたのに」
「それは……」

 確かに考えてみれば……何だか昼休みなら問題ないくらいの気持ちで平然とオナろうと思ってたけど、生徒の模範としては明らかにダメなはず……何かがおかしい。でもモヤがかかったように何故おかしいのかがわからないというか、そんなスッキリしない気分を抱く。

「ふふっ、まぁいいです。少しついてきてもらってもいいですか? ゆっくり話がしたいので」

 そう言うと清本さんはさっさと歩き始める。その後を私は追いかけざるを得なくて……きっとそれをわかっているのか、彼女は特に振り向きもしない。その後ろ姿は女の子らしい歩き方で……昨日みたいな男っぽい歩き方はもうしないのかしら? あの時はパンツ見えそうでドキドキしたのだが……まぁいいか。今日も今日で昨日より少しスカートが短くなってるし、ストッキングとスカートの間の絶対領域がたまらなくて……あれ? 私こんな言葉どこで覚えたんだっけ?

 ぼんやりとアレコレ考えていたら気付けば誰もいない空き教室に辿り着いていた。後から私が入ったのを確認すると、清本さんはソッとドアを閉める。

「さて……話って何かしら? もしかして私を脅す気?」
「ふふっ、人聞きが悪いですねぇ。そんなことしないですよ」

 不敵な笑みを浮かべる彼女。思えば昨日の同人誌のことも含めて色々と知られてしまっているし……額に嫌な汗が流れる。

「私、ず~っと考えてたんですよ。先生が男向けのエロ同人誌を買い漁ったり、私のおっぱいの谷間とか脚見て顔赤くなったり、水泳の授業を見学とか言いながら私たちのスク水姿を観察して鼻の下を伸ばしたり……それでさっきは勤務中にオナニーなんてしてる理由って一体なんなのかな~って」
「理由なんて……」

 別に大したことではない。私はそういうのが大好きで……大きなおっぱいを見たり、可愛い女の子を覗き見したり、その妄想でオナニーするのが好きで。

「……あれ?」

 私って昔からそういうのが好き……じゃなかったよね? えっといつから……あれ? 

「うふふっ、否定もしない辺り……だいぶ“侵食されてる”のかもしれませんねぇ」
「し、侵食? 何の事……ってちょっと清本さん!?」

 気付けばシュルッとリボンを外し、ブラウスのボタンを外し始める彼女。

「何してるの!?」
「何って……“仕上げ”をしようかなって」
「は……?」
「まぁ端的に言えば、これから先生にエッチなことしてあげるって話ですよっ♪」
「え……」

 戸惑う私を置いて、彼女はボタンを一つずつ外していく。露わになる彼女の谷間、ブラ……昨日はキャミを着てたけど今日は直接ブラウス着てるのね。そういえば数学の授業中に透けブラしてたな、あれで結構濡れちゃって捗って……ってそうじゃない!

「エッチなことって……こ、こんな学校で……」
「え? さっきまで淫らにオナニーしてた先生がそれ言うんですかぁ?」

 シュルシュルっとブラウスを脱ぎ捨てる。服の擦れる音すらも何だか扇情的で……これじゃ現役JKのストリップショーだ。まずい、興奮が抑えられない。股間がキュッとしてきて……あ、清本さん、スカートにも手をかけて――

「先生ったらガン見してるじゃないですか~。いつもだったら凄い剣幕で怒りそうなのに」
「あ、いや、これは……」

 そうだ。本当なら止めなきゃいけないはずなのに、止めるはずなのに……でも止められない。こっちを見ながら、まるで焦らすように、わざとらしくゆっくりと脱いでいく彼女。ブラに包まれた谷間を見せつけるように、上目遣いで、私の興奮を見透かして誘っているかのように。

「スカートも脱いでっと……どうですか、私の下着姿は。今の先生にはだいぶ刺激が強いですかねぇ?」
「それは、その……」
「も~そんなだらしない顔しておいて今更ですよぉ? それに今日の数学の時も水泳の時もイヤらしい目で見てたことなんかバレバレなんですから」

 そう言うとグイっと私に近付いてきて……って近い。良い匂いだし、おっぱい当たって……や、柔らかい。

「はぁはぁ……清本さんそれ以上は、我慢が……」
「我慢なんてしなくていいじゃないですかぁ。私からシたいって誘ってるんですよ?」

 確かに……私が強引にヤろうとしてるんじゃなくて彼女から誘惑してるんだから別に……。

「って、そんなのダメよ! ここで我慢しなかったら……」

 下手したら教師を続けられなくなるかもしれない。せっかく女子高生を好き放題見られる環境なのにクビになるのはもったいな……あれ? そうじゃなくてそもそも生徒と昼休みにエッチすること自体が教師として、生徒の模範としてダメで……いや、そんなにダメなことかしら? というか今日だって授業中に女子生徒の透けブラに興奮したり、わざとチョークを落として生徒のパンツを覗き見したり、教師の立場を利用してプールで堂々と水着姿の生徒を観察したり……既に生徒の模範からは程遠いような。

「私って前からこんなんじゃ……なかった気が。でも別に何も悪いことしてる気がしないというか、当然の事というか……何これ、私どうなってるの……」
「もう難しいこと考えるのやめましょ? それっ♪」
「わっ!? ちょ、ちょっと!?」

 突然押し倒されたかと思うと、お腹の上にはニヤけた笑みを浮かべる下着姿の清本さん。下から見る彼女はとてもエッチで、下乳がエロくて。これじゃ私の股間は“勃起”して……あれ?

「先生ったら顔真っ赤ですねぇ。じゃあ早速……ふふっ」
「んぁっ♡ 清本さ……んぅっ♡」

 彼女がプチプチっと私のブラウスのボタンを外し始めて……というか凄く手慣れてるような。真面目でそういう行為とは縁のない子だと思っていたけど、実はレズプレイ経験者なのだろうか……なんて思っている間にスラックスパンツもスルスルッとされるがままに脱がされていく。これで傍から見れば下着姿の生徒に馬乗りされる同じく下着姿の教師。こんな所を誰かに見られたらと思うと……でも見惚れるほどに清本さんが色っぽくて……二つの緊張で心臓の鼓動が止まらない。

「……へへっ、やっぱり氷室って最高にエロい身体してんなぁ」
「はぁはぁ……き、清本さん……?」
「いぇ、やっぱり先生のおっぱいはこの学校の誰よりも大きいなって思っただけですよぉ」

 舌で唇を艶めかしく舐めながら私の身体を見下ろす彼女。イヤらしさに満ちた表情のまま、気付けば後ろに腕を回されてカチッと……一瞬でブラのホックを外されてしまった。

「清本さん、こういうの……慣れてるの?」
「え? まぁ何十人の女とヤってきましたし。ふふっ」

 何十人……おとなしそうに見えてそんなに経験豊富だったなんて……って。

「んぅっ♡ ちょ、ちょっといきなり、おっぱい……んぁっ♡」
「だって仕方ないじゃないですかぁ? 先生のデカ乳……校内一の巨乳が目の前にあって揉まない奴は男じゃないですよっ」
「え、お、男……? ちょっとあなた何いっ……てぇっ♡ ま、待って……はげし……んぅ♡」

 その手つきはどこまでも乱暴で優しさの欠片もない。普段の思慮深くて優しげな彼女とはまるで別人で……性欲にまみれた男みたいだ。

「ふふっ、もっと気持ち良くさせてあげますよぉ」

 そう言うと、彼女は私の下着をサッと下げて恥丘を露わにする。

「先生のココ、綺麗ですねぇ。ちゃんと処理してるんだ」
「そ、そんなことは別にどうでもいいでしょ!」
「いやぁ、私がヤってきた女は結構モジャモジャしてる奴ばっかりだったから新鮮だな~って思いまして」
「え? ……ってちょぉっ♡ ま、待ってぇっ♡」

 突如ピリッとした電流のような感覚が全身に流れ込む。彼女が私のアソコに指を突っ込み、細かく動かす。私も今まで何人かの男性と人並みの付き合いをしてきたけど、その誰の愛撫や弄りよりも彼女の指使いが激しく、刺激的で……そして最も気持ち良いかもしれない。

 彼女にこんな顔があったなんて教師として何も知らなかった。私が今まで見てきた清本優理香というのは……なんだったのだろうか。成績優秀で、品行方正で、少しおとなしい性格だけど穏やかで人当たりの良い笑みを浮かべる彼女と……今、ここで私の乳房を、乳首を、アソコを、全身を激しく攻めたてる彼女がまるで別人のようで。弄られる快楽でぼんやりする頭の中で、彼女に対するイメージがあっという間に書き換わっていく。

「はぁはぁ……き、清本さんっ♡」
「あ~……先生の喘ぐ姿、マジでエロいなぁ。今までイかせてきたどんな女よりも……今まで見てきたAV女優よりもエッチでたまんねぇわ」
「はぁはぁ……んっ、んぅ♡」
「マジ最高……こんなの、もう我慢できねぇよなぁ」

 ぼんやりとする頭の中に彼女らしくないガサツな言葉遣いだけが響いてきて……いや、もう“彼女らしさ”なんてなんなのかもわからない。ボヤけた視界の中で、彼女は私の愛液でヌメッとした指で自身のブラとパンツを外し、乱雑に放り投げる。しかしそのガサツな行為とは正反対に、何も身に纏わない彼女の体躯はあまりに綺麗で美しくて……その穢れなど微塵も感じさせない艶やかな18歳の肉体は、どうにも何十人の女性と濃厚な経験をしてきたようには全く見えない。

「清本も良い身体してっけどやっぱりセンコーと比べると見劣りするんだよなぁ。そっちにすりゃ良かったか……んっ♡ まぁでも乳はこれくらいの方が揉みやすいのかもしれねぇけど」
「清本さん……はぁはぁ……」
「そんなに物欲しそうな顔すんなって。言われなくてもこれからきもちぃことしてやっからよぉ。へへっ、一度やってみたかったんだよなぁ。貝合わせっていうんだっけか……確か木森が熱弁してたなぁ」
「……?」

 貝合わせ……そんな単語、私は聞いたこと……いや、ある……? そういえばレズエッチ同人誌にいっぱいあった気がする。性器と性器を擦り付けあって……あれ? でも昨日たくさん買った同人誌の中にレズエッチする本は入ってなかった気が。

「……って、ちょぉっ♡ 清本さ……んぁっ♡ またっ、いきなりぃっ♡」
「しょうがねぇだろぉ? センコ……先生ばっかり気持ち良くなってずるいですよぉっ♡ はぁっ、やっべ、これ超きもちいぃっ♡ ココ擦り付けんの……たまんねぇっ♡」

 何十人の女とヤったって言ってたけど、これは初めてなんだ……なんて一瞬ポッと出た疑問も、あまりの気持ち良さと快楽に頭の中でぼんやりと霧散していく。私だって擦り付けあうのがこんなに快感だなんて知らなくて。それにココだけじゃない……お互いのおっぱいもムニュっと反発しながらイヤらしく潰れ合い、その度に柔らかで気持ちの良い感触があって。

「んぁぁっ♡ ち、ちく……びもぉっ♡ んっ、ら、らめぇっ♡ も、もうっ……んぅ♡」
「へへっ、やっべぇ……んぅ♡ オナるのとはぁっ♡ ちげぇきもちよさだぜぇっ。んちゅっ♡」

 抱き合いながら乳首同士が擦れ合い、ピリッと全身を流れる快楽。秘部が重なり合う度にクチュクチュと耳に響く水音。そして目の前には淫らな行為の最中、執拗に舌を絡め、何度も濃厚なキスを浴びせてくる可愛い女子生徒。その全てがなんだか夢を見ているようで……生徒と教師なのに、こんな淫らな関係を持ってしまうなんて。しかも10歳近く年上の私がひたすら攻められる状況……乱暴な口調、荒々しい手つき、まるで女慣れしたゲス男のような女子生徒に。まぁでも……それも当然よね。

 だって……清本さんは、“あの乱暴な霧島龍二に憑依されているんだから”。

「…………あれぇっ? んんっ♡ なんで彼のなまぇっ♡」

 私ってば何を考えて……憑依? 霧島? でも……そういえば昨日から清本さんが偶にその単語を使っていたような。どうして……でも別に不思議ではないか。何せ“僕”だって先生の身体に憑依してるし。身体は自由に動かせないけど……え?

「んなっ♡ なにぃ……これぇっ。んむぅっ♡」
「んちゅっ♡ へへっ、どうしたんだよぉ? こんな時にぃっ、考え事かぁっ♡」

 頭の中がおかしい。いや、昨日からずっと何かが変だけど、どうにも行為の快楽が気持ち良すぎてぼんやりしちゃうというか……考えようにも頭が回らない。

 そもそも憑依なんて、そんなの現実にあるわけ……でも昨日、確か“霧島くんと一緒に憑依を決行しよう”って決めて……あれ? そんなこと私は……いや、“霧島くんは見た目が好みの清本さん、僕はとにかく学校一のスタイル抜群美女の氷室先生に乗り移ろう”ってなって……いや、確かに私は巨乳でエロい身体してるけど、私が私に乗り移るって意味がわからないような。だって私の身体を動かすのは他でもない……“僕”なんだから。先生の身体はほんとスケベで最高だよなぁ……何せ自作ノートに学校の女子生徒、教師、近隣の人妻、OL……色々と書き込んできたけど、この手で全身にセクハラしたいランキングのトップが氷室先生だったからねぇ。厳しくてエッチなことが大嫌いだった先生が僕みたいなエッチ大好き人間になっていく……それで淫らに喘ぐ姿は妄想通りのエロさでたまらなかったよぉ。

「ふひひっ……んぅ♡」

 何だか気持ち悪い声が漏れちゃった……でも先生の声だと何だか可愛いな。僕の場合だと周りから舌打ちとか「きもっ」とか言われるだけなのに。やっぱり先生は何やってもエロいし美人だし最高だなぁ。妄想の中で何度セックスして喘がせたことか。先生を陵辱する妄想を何度も何度も何度も何度も、それこそ数えきれないくらいしてきて………………あれ?

 何か、さっきからおかしい。私の心の中に何かが割り込んで、混ざって、溶けていくような。興奮して頭が変になってるのかしら……でもまぁ仕方ないか。だってもうすぐ先生の身体を自由に動かせそうなんだし興奮するのも当たり前だよねぇ……ふひひっ、もう我慢の限界だよぉ。昨日からずっと先生の身体の中にいるのに身動きがとれないなんて……え? 身体の中にって……誰? 私の中に何か……いるの?

「そ、そんなぁっ♡ いやぁ、出て行ってぇっ。私のエッチな身体は……僕のモノだぁっ♡ や、やめ……もう我慢できないよぉっ♡ 私が……私じゃなくなっちゃぅっ♡」
「んぅっ♡ おっ、そろそろかぁ? それじゃぁ最後までヤっちまおうぜぇっ♡」

 頭の中の異物が……私の中に溶け込んでいく。もう止められない、いや止めなくていいんだ。もう少し、あとちょっとでこの身体は……“僕の物に”。

「んはぁっ♡ も、もう……らめぇっ♡ イ、イくぅっ♡♡」
「んぉっ♡ 俺も……んぁっっ♡♡」

 プツリと、何かが切れたような感覚と共に、私は――








「はぁはぁ……」

 全身を支配する高揚感。股間に感じる生暖かい感触。そして横に寝転ぶのはクラスの美少女、清本優理香。

 ということは――

「僕は……ひひっ、ふひひっ、遂に成功だぁ!」

 声が出せる。先生の透き通った綺麗な声が好きなように。それに身体も……ゆっくり起き上がってみると、プルンっと胸元が揺れるような感覚とずっしりとくる重さ。手も指先も“僕”の意思で自由に動くってことは……つまり。

「おっぱいも……んっ♡ も、揉み放題と……おぉ、最高だぞぉ!」

 やっぱり自分の意思で揉むおっぱいは格別だ。さっきまでも揉んでる感覚はあったけど全然違う。

「へへっ、早速お楽しみかぁ?」

 気付けば隣で同じく起き上がっていた清本さんがニヤけた笑みを浮かべている。

「ふひひっ、そりゃそうだよぉ! 清本さん……いや、“霧島くん”?」
「そのきもちわりぃ笑い方……美人でも面影残ってんなぁ、“木森”よぉ」

 清本さんは僕の正体がちゃんとわかったようだ。まぁ当然か……何せこうやって表に出してくれたのは他でもない彼女、いや“彼”のおかげなんだし。

「ん~っ、おっぱい揉み放題だしお尻も触り放題……ふひっ。身体もスベスベで抱き締めると凄く柔らかいよぉ。ふひ、ふひひっ……あ、ヨダレがおっぱいに」
「ははっ、あのイケすかねぇセンコーも中身がお前になったらざまぁねぇな。……まぁ正直少し前からだいぶお前みたいにキモい奴になってたけど」
「も~キモいだなんてひどいなぁ。こんなにエロい身体になれたら何でも触りたくなっちゃうなんて当たり前でしょ? 美女の生おっぱいなんて当然見たことないのに、いきなりこんなすごいのが揉み放題なんてさぁ。AVどころかエロ同人の巨乳キャラレベルだよぉ! やっば、鼻血出そう」

 持ち上げただけでも結構な重さ。さすが推定……いや、氷室先生の記憶から辿ったから正真正銘の“確定”Hカップだ。ギュッと鷲掴むと、溢れんばかりの乳の脂肪が指の隙間から零れる様に自然と頬がニヤけてしまう。

「それにしても良いねぇ、身体の自由がきくってさぁ」
「そのことなんだが……何で俺はすぐに身体動かせたのに、お前はできなかったんだろうな?」
「え? まぁ確かに……」

 昨日の例の授業中……あの日、僕と霧島くんは教室の中にいた。交通事故で二人とも死んだはずなのに、あろうことか幽霊として。最初は適当に女子生徒のスカートの中を覗いたりして楽しんでいたけどすぐに飽きて……そんな中で“他人の身体に乗り移れるのではないか”と提案したのは僕だった。そこであの授業中、試してみたのだ。僕は氷室先生の身体へ、霧島くんは清本さんの身体へ。

「だけど……なんか僕だけ上手くいかなかったんだよねぇ。全然身体動かせないし、先生は普通に意識あって喋るし。それなのに霧島くんは成功したっぽくてずっと清本さんのおっぱいで遊んでるし……羨ましいったらなかったよぉ」
「そりゃお前、女の身体を好きにできるってわかったら乳揉むしかねぇだろっ。まぁともかく……お前はなんでダメだったんだろうな? 氷室ってプライド高そうだし、抵抗でもされたのか?」
「いや、別にそういうのはなかったんだけど……」

 その場に胡坐をかきながら首をひねる霧島くん、といってもその姿は全裸の清本さんのためか、アンバランスな感じがどうにもおかしい。

「でも僕はずっと先生の身体の中にいたわけでさぁ……しかも不思議なことが起こったんだよねぇ。僕が興奮したりエッチな気分になると先生も似たような感じになっちゃう……的な」
「へぇ~やっぱりそうだったのか」
「え? わかってたの?」
「まぁなんとなく……というか、あの鬼教師の氷室が女子高生のエッチな同人誌とか買うわけねぇだろ? それで色々考えて多分お前が中にいること自体は間違いねぇとして……それで氷室がお前の影響を受けて頭おかしくなってんじゃねえかって思い当たったのさ」
「ふ~ん……それでなんでまた先生にエッチなことしようって思ったの?」
「氷室がもっと興奮すれば症状が更に悪化して、もっとお前っぽくなるかお前自体が出てくるか……とりあえず何か変わるんじゃねぇかと思ってな」
「よくそこまで考えたねぇ」
「まぁ俺本来のオツムじゃ無理だろうな。清本のココのおかげだな、へへっ」

 頭をコンコンと指でつつきながら清本さんが得意げな笑みを浮かべる。

「でも正直ダメもとだったけどな。そもそも憑依自体が嘘みてぇなことだし、こうしたらどうなるとか何もわかんねぇし。最悪お前の精神が出てこなくても俺が気持ち良ければそれで問題ねぇか的な?」
「うわぁ~ひどいなぁ。まぁ結果的には良かったけど」

 それに先生も途中から僕のスケベな感情とシンクロしたみたいに自分でお尻とか胸とか揉んでくれるようになったから感触だけなら割と楽しめてたし……なんて思いながらもう一回おっぱいを揉む。すると何やら視線を感じて……って今ここには僕以外にもう一人しかいないわけだけど。

「……ふひひっ。霧島くん、もしかして僕のおっぱいが羨ましいのぉ? 清本さんより大きいもんねぇ」
「んなっ……まさかお前に挑発される日が来るとはなぁ。確かにその乳は羨ましいけどよぉ」

 僕がおっぱいを見せつけるように寄せ上げると、彼女は食い入るように凝視する……わかりやすいなぁ。せっかくなら少し遊んでみようかな? 試しにこの溢れんばかりの巨乳を持ち上げて、ぷっくりした敏感な突起を僕の口元に……。

「んちゅっ♡ んんっ♡♡ ふひひっ、大成功……巨乳過ぎて自分で乳首舐められちゃったよぉ! すっごい快感……こんなことが出来ちゃうなんて氷室先生のおっぱいはやっぱり最高だよねぇ。まぁ清本さんも十分エロいと思うけどこの身体には劣るかなぁ~?」
「ほぉ~……アラサーの癖に随分上から目線で言ってくれるじゃねえか。現役JKの身体なめんなよぉ? 清本って吹奏楽部だけど運動もできる方だからめっちゃ身体動かしやすいし……タバコでガタついてた俺とは大違いでさぁ。それにおっぱいもこれくらいの程よい巨乳の方が動く分にはちょうどいいんだぜ?」
「へ~でも僕も昨日知ったんだけど、先生ってジム通いしてるみたいで爆乳でも身体は結構動かしやすいんだよぉ、ふひひっ。知らなかったでしょ?」
「チッ、なら他には……清本の乳首ってめっちゃ感度良いんだぜ? 乳首オナニーやったら超気持ち良くてよぉ。それにこれ、本人すら知らねぇ情報だからな? 何せ清本ってセックスどころかオナニーすらしたことねぇみたいだし、ひひっ」

 乳首を弄りながらニヤける清本さん。思えば……傍から見れば互いにおっぱいも乳首もアソコも恥ずかしげもなく見せ合い、胡坐をかきながら互いの身体の良さを嬉々として語り合う全裸の女教師と女子生徒なのか。規律を重んじる美人教師と品行方正な優等生が綺麗で透き通った声でエロい発言を繰り返している……それが耳に響くだけで自分が喋ってるのに何だか興奮してくる。

 しかも本人しか知らない情報から挙げ句には本人すら知りえない情報までペラペラと……って。

「あれ? そういえば霧島くんも清本さんの記憶読めたんだ」
「おう、何回もオナってる内に勝手に流れ込んできてな。だから怪しまれない程度にコイツのフリするくらいは楽勝だったわけさ。本来なら意味わかんねぇ問題とかもサラッと答えられるのは爽快だったぜ」
「ふ〜ん。でも怪しまれないって……今日の水泳とか結構怪しかった気がするんだけど」
「え? まぁアレくらいのスキンシップなら問題ねぇだろ。というか更衣室でも抱き着いたりしたし」
「えぇ!? いいなぁ」

 僕が見てない間にそんな羨ましいことをしてたなんて。目の前で誇らしげにサムズアップする彼女がなんだか憎たらしい。

「へへっ。でもまぁ……今日色々とお触りしたどの女の身体よりも極上の奴が目の前にあるんだけどなっ」

 グイッと近付いてきたかと思いきや、その手は一直線に僕の……氷室先生のおっぱいに吸い込まれる。

「んはぁっ♡ もう……霧島くんもおっぱい好きだねぇ」
「お互い様だろぉ? やっぱり氷室の乳は揉み心地たまんねぇんだよ。俺の……清本の乳も好きなだけ揉んでいいからさ」
「じゃ、じゃあ遠慮なく……おぉ、良いねぇ、ふひっ」

 互いに乳肉を揉み合うと、文字通り揉む感触と揉まれる感触が一緒に流れ込んできて……また興奮してアソコがキュッとなってきた。

「あはっ、濡れてきた……ねぇ霧島くん。またさっきみたいに僕の身体を愛撫してみてよぉ。あの快感が忘れられなくてさぁ。凄く手慣れてたよね」
「へへっ、だてに何十人の女をイかせてきたわけじゃねえんだぜ? まぁでも今までにヤったどの女よりもお前を……氷室をイかせるのが一番興奮したけどな」

 指をくいくいっとヤらしく動かしながら話す清本さん。本当はセックスどころかオナニーすら経験の無い彼女が豊富な女性経験をペラペラと話す様に何だか背徳的な感情を抱く。

「そんじゃあこれから第二ラウンドといくかぁ? まだ昼休みの時間は残ってるし……エロボディをお互い堪能しまくろうぜ!」
「そうだねぇ、ふひひっ……んおっと♡ また押し倒しちゃて……霧島くんは早いなぁ」
「へへっ、なんだかよぉ、いつもは強気で偉そうなセンコーを生徒の身体で攻めるってのがゾクゾクしてな。ごほんっ、さぁ先生? 私のテクで淫らに喘ぐ姿を見せて下さいねぇ、うふふっ」

 僕たちは互いに向き合って、そしてさらなる快楽に溺れようとして――

「な、何を……してるんですか?」
「「っ!?」」

 突然バタッと、物が落ちた音が耳に響き、反射的に音の方へと目を向ける。そこには無造作に落ちたバインダーと、ジャージ姿の……尻餅をついて呆然と座り込む愛沢凛先生の姿があった。

「チッ、邪魔が入ったか」

 不機嫌そうな表情を隠そうともしない清本さん、もとい霧島くんだが、傍から見れば生徒が教師を押し倒す構図……この状況は割とまずいんじゃなかろうか。

「れ、玲衣さん……それに清本さんも……どうして……」

 生徒の前では“氷室先生”呼びのはずだし、愛沢先生も相当混乱しているんだろう。確かココは人通りの少ない空き教室だけど、近くには体育用の物置みたいな小部屋がある。おそらく先生はそこに用があって、僕らの淫らな嬌声を聞きつけて足を運んでしまったのかもしれない。

「どうしよう霧島くん……このことバラされたら下手したら氷室先生はクビだし、清本さんもどうなるかわからないよぉ」
「え、別にいいんじゃねぇか? 俺たちは困らねぇし。可愛い女なんて他に幾らでもいるし、適当に乗り換えれば済む話だろ」
「それは……というか試してないけど身体って簡単に乗り換えられるのかなぁ?」
「じゃあお前試してみろよ」
「えぇ!? やっと先生の身体を動かせるようになったばかりなのに……霧島くんやってよぉ」
「はぁ? めんどくせぇし……つうか俺に指図すんなよな」

 元来の不良っぽく睨み付けてくるが顔は清本さんだからあまり威圧感はない……けど、まぁ僕がやるしかないか。ということで改めて愛沢先生の方に目を向ける。

 僕らの小声話は聞こえてないだろうけど、目の当たりにした光景に対する驚きで腰を抜かして床に座り込んだままで……あれなら逃さずに乗り換えられるかもしれない。

 僕はスッと立ち上がると、行為終わりで一瞬フラつきながらも彼女の元へ近付く。背も小さめで、胸もBカップ程度で、可愛らしいルックスだけど色気は少なめ……でも優しい笑顔が印象的で明るくて。性格がキツい氷室先生よりも校内での生徒人気は遙かに高い、というか多分一番だ。そんな彼女が驚きと羞恥で顔を真っ赤にする様はどこか純粋で可愛くて……その全てを意のままにできるかもしれないと、そう思うと心が高鳴る。

「ふひひっ……」
「れ、玲衣……さん?」

 氷室先生に普段と違う雰囲気でも感じたのか、怯えた表情でガクガクと身体を震わせ始める愛沢先生……なんだか嗜虐心に駆られるというか。僕は別にSではないんだけど、もしかしたら氷室先生の身体に影響されているのかもしれない。

「玲衣さん……どうして生徒とそんないかがわしいことを……」
「ふふっ、別にいいじゃない。休み時間の使い方は自由でしょ?」
「そ、そんな……」

 ひとまず氷室先生の口調で話してみるが、相変わらず彼女は状況を呑み込めないようで。まぁ普段あれだけ厳格な先輩教師が裏でこんなことやってるなんて……そう簡単に受け入れられることじゃないか。

「あなたもヤってみれば案外きもちぃと思うわよ。混ざってみる?」
「えぇ!? そ、そんなの……結構です!」
「それは残念ねぇ。凛ちゃんって本当に小柄で可愛くて……襲っちゃいたいくらい愛くるしいなぁってず~っと思ってたのに」
「え……そ、そんな目で私を……玲衣さんのこと、尊敬してたのに……」

 驚きから幻滅へ……いつも笑顔が多い彼女のこんな曇った表情は初めて見た気がする。氷室先生に憑依して読み込んだ記憶によると、愛沢先生って氷室先生に純粋な恋愛相談をするくらいには“そっちの気”が特にないノーマルな人みたいだし当然か。

「まぁ埒が明かないし早速ヤっちゃいますか」
「え? な、何をですか? まさか無理やり……?」
「無理やりじゃないわ。あなたが“自らヤりたくなっちゃう”のよ? ふふっ」
「そ、そんなのありえません! 私、もう行きますから!」

 抜かした腰を何とか上げて立ち去ろうとする彼女。逃がすもんか……でもどうやって今の身体から抜けようか。とりあえず頭で念じてみるか……乗り換えたい、氷室先生から愛沢先生へ……彼女の身体の中に入りたい――

「ひゃっ!? え? な、何? 寒気が……」

 それは一瞬の出来事で。念じた瞬間にフッと身体の感覚が無くなったかと思うと、あっという間に背を向けていた愛沢先生の身体の中へと吸い込まれるように流れ込んでいく。

 彼女の驚いた悲鳴が聞こえたと同時に、身体の感覚が少しずつ戻り始める。真っ先に幽体を入れ込んだ腕も、手も、指の先までも……それだけではない。そのわなわなと震える上半身の感覚も、悪寒も、何もかも。さっきまで感じていたような、でも胸元や身体のバランスはかなり違うような、そんな全身の感覚が取り戻されていく。

「ちょ、何これ……腕が動かない? い、いや……どうして」

 怯えた声を漏らす彼女などお構いなしに次は脚に幽体を入れ込む。すると、震えながらもその場にかろうじて立っている感覚が流れ込む。あとは……頭だけだ。

「ひゃっ、な、なに、これ……あっ、あぁっ……ひんっ……ぃやぁっ」

 頭部を強引にねじ込むと、まるで感電でもしたかのように淫らな喘ぎ声を漏らす彼女。その声を出す感覚も、口元からだらしなく涎が垂れる感覚も、混乱と恐怖で涙が頬を伝う感覚も、全てが自らの感覚としてリンクしていく。挙げ句には……『何かが入ってくる』『怖い』『苦しくて声が出ない、誰か助けて』……声には出せない彼女の感情までもが頭の中にドッと流れ込んでくる。氷室先生に入った時とは全く違う感覚と手応えだ。

 これならもしや――

「あぁ、やっ……も……たす……けぇ……んはぁぁっっ」

 最後、びくっと一瞬身体が硬直したのを境に……彼女の心の声は何も聞こえなくなった。ゆっくり目を開けてみると、そこには開いた部屋のドア。サッと後ろを振り返ってみれば、何も身に纏わず全裸のままうつ伏せとなって気絶する氷室先生の姿。

「身体、動かせる……声も出るぞ」

 手を開けたり閉じたり、さらにはわずかばかり視界に入る先ほどよりだいぶ主張の乏しい胸元を擦ってみれば少しだけ、でも確かに感じる乳の感触。

「お、おぉ……乗り換えに成功したぞぉ、今度は愛沢先生の身体だぁ!」

 いつも元気で可愛らしい先生が僕みたいに喋っている。たったそれだけの事実にあっという間に股間が湿ってきて……僕が勝手に感じた興奮によって先生の心臓を昂らせ、身体を滾らせ、そしてヤらしく股間を濡らさせてしまったことに益々気分が高揚して……これじゃ際限がなさそうだ。

「どうやら上手くいったみてぇだなぁ」

 倒れた氷室先生の奥には、アソコが丸見えなのも気にせず、生まれたままの姿で胡坐をかく清本さんの姿。そのニヤけた笑みを見て僕も口角を上げる。

「ふひひっ、氷室先生と違ってすぐに乗っ取れたよぉ! 霧島くんが清本さんに乗り移った時ってこういう感覚だったんだねぇ」
「まぁな。だからお前が氷室の身体を動かすのに時間かかったのが不思議だったってわけさ」

 まぁ氷室先生の方がずっと我慢させられていた分、完全に動かせるようになった時は凄く感動したけど……こうやってすぐに動かせる方がそりゃ楽だし良いもんだ。

「というか愛沢先生の身体すごく軽いよぉ! 氷室先生とおっぱいの大きさが全然違うもんねぇ、ふひっ」

 胸の重さがごっそり無くなるだけでこうも違うのか……と思ったが、それ以外にも小柄で華奢でかつ水泳部顧問の体育会系な身体なのも影響しているかもしれない。ジム通いこそしていても動く度に暴れる爆乳を持つ氷室先生とは動きやすさが段違いだ。あと髪もロングからショートヘアになったから邪魔にならない。

「お~い。いつまでそこで準備運動みたいなことしてんだぁ? 乗り換えたんなら、さっさと脱いで俺とヤろうぜ?」

 くいくいっと手招きする清本さんの元へと近付くのも身体が軽く、思わずスキップしてしまう。その間にもジャージのファスナーを下げてTシャツを脱いで……あっという間の脱ぎやすさで下着姿になる。

「う~ん、スポーツブラに……これはボクサーパンツかな? 色気ないなぁ」
「愛沢が色っぽいの着けてたら逆に驚きだろ」
「まぁ確かにねぇ。今度エッチなの買いに行こうかな、ふひひっ」

 もちろん愛沢先生のお金で……なんて思いながら、ブラとパンツもあっさり脱ぎ捨てる。おっぱいこそ小ぶりだが、水泳によってキュッと引き締まった体躯は氷室先生とはまた違ったエロさだ。全裸の僕らを見て顔を真っ赤に染めていた純粋な先生も、身体を乗っ取られるとこうもあっさりと全てを曝け出してくれる……憑依ってやばいな。僕はもうこの快感から逃れることができそうにない。まぁ逃れる気もないけど。

「それにしても愛沢の乳はちいせぇな。まぁ乳首は綺麗だけど、へへっ」
「あんっ♡ もう、また急に触るんだから」

 乳首を抓られるとピリッと全身に流れる快楽。それは氷室先生の時よりも敏感に感じたような……身体が違うだけでこうも感覚って違うのか。

「さぁ今度こそ始めようぜ。愛沢の身体と清本の身体でエッチの続きを――」
「あら、何を始めるのかしら?」
「うぉ!?」

 今にも僕、愛沢先生の身体を押し倒そうとしていた清本さんがビクッと震える。今度は誰だよと一瞬思ったのも束の間……原因は横から聞こえた声、というかソレはさっきまで僕の喉から出ていた聞き慣れた声で。

「ふふっ……」

 そこには気絶していたはずの……あけっぴろげの爆乳にスラッとした脚と魅力的なくびれ、まさに誰もが認める妖艶なボディを惜しげもなく晒した全裸の氷室先生が仁王立ちしていた。その扇情的な体躯の全てがついさっきまで僕の物だった事実に言い知れぬ興奮を覚えるが……今はそんな場合じゃないか。

 まさかこんなに早く目が覚めるとは。この状況どうやって説明して……あれ?

「(そういえば……何だか様子がおかしい気が)」

 そもそも本来の氷室先生だったら、生徒が後輩教師を押し倒そうとしてる姿を見れば怒るどころか、ニコりともしないだろうし……何より裸のまま平然と立っていることがおかしい。

 これってもしかして――

「な~に二人とも黙ってるの? 私も混ぜてよっ、“木森クン”、“霧島クン”?」
「うぉ!? な、なんで俺らの名前……」
「なんでって……だって木森クンが私の身体を乗っ取る間にいっぱい教えてくれたじゃないっ。清楚な巨乳生徒の清本さんには霧島クンが入っててぇ……あと木森クンは多分私の身体から可愛い後輩の凛ちゃんに乗り換えてるんでしょ。あ~いいわねぇ、どっちの身体もブチ犯したいくらい良いわよねぇ」

 ニヤっと微笑む氷室先生。笑うこと自体がレアだが、その笑顔は彼女の本来の性格からは程遠い気が、というか僕と似たような空気を感じる。

 これはもしや……僕が憑依していた影響なのか? いや、していたというよりも、多分僕がずっと彼女の心の中に介在して影響を及ぼし続けていた……アレが原因なのか?

「何だかよくわからねぇが……事情は知った上で、それでも俺と木森のことは怒らねぇのか?」
「怒る? あ~、まぁ昔の私だったら何とかして君らを成仏させる方法とか考えるのかもしれないけど……今の私は木森クンに身も心も書き換えられちゃったものっ。私みたいなエロい身体の女とか可愛い子に憑依しておっぱい揉んでエッチしたい……そんなの人として当たり前のことでしょっ。私はあなた達が羨ましいわ! 女の乳や尻を揉み放題なんて……ふふっ」

 “書き換えられた”……その自覚もあるのか。つまりは僕があの真面目で厳しい鬼教師を、生徒や後輩教師の乳や尻に性的な目を向ける変態女教師にしてしまったと。その事実に無性に興奮を覚えるというか……つまりあの長くて我慢の多かった憑依は決して無駄ではなかったわけだ。

「ほらほらっ、お喋りはここまでにして、早く三人でエッチなことしましょ? 凛ちゃんは小動物みたいで可愛いし、清本さんは清楚だけど巨乳だし……二人とも同人誌で見るエロキャラみたいに良い身体よねぇ。あなた達の乳もお尻も何もかも全部堪能させてもらうわよっ」

 もう待ちきれなさそうにヨダレを垂らす氷室先生にかつての厳格な面影はどこにもない。彼女が餓えた肉食獣のように迫ってきたのを合図に、僕らは早速互いの身体をニヤニヤと品定めし合い、弄り合い、快楽を享受し合い始めて――

「あぁっ♡ みんなエロいわねぇっ、もっと触らせなさいっ」
「んぁっ♡ へへっ、いつも触る側だったが触られるのも悪くねぇなぁっ。やっば、女の快楽たまんねぇっ♡」
「ふひっ、二人のおっぱいきもちぃ……んほぉっ♡ 最高だよぉっ」

 夢のようで……でも夢じゃない情欲にまみれた時間の中で。僕は氷室先生の爆乳と清本さんの巨乳に挟まれ、ただその心地よさに身を委ね続けた――





「んぅっ、んはぁっ♡♡」
「はぁはぁ……れ、玲衣さんっ♡ んふぅっっ♡♡」

 月日は流れ。

 僕は今日も淫らなレズエッチに耽る。幾分小さなおっぱいと華奢な腰を揺らして……24歳の水泳部顧問の可愛らしい女教師、愛沢凛として。

「んはぁっ♡ り、凛ちゃん、もっとぉ……んほぉっ♡ イくぅっっ♡」

 そしてたった今、僕の目の前でイったのが氷室先生だ。その暴力的に揺れる溢れんばかりの双丘、キュッとくびれた腰つき。そして、すっかり僕に脳みそを書き換えられてしまった彼女は、その聡明で整った顔立ちに何とも幸福そうな淫らな表情を浮かべる。

 あれから一ヶ月、僕は氷室先生と愛沢先生の身体を数日ごとに乗り換える日々を送っていた。氷室先生の時は、授業は先生の知識を引き出しつつも自習を増やしたりして適当にやり過ごし、空き時間に度々オナニーに耽る毎日。あとは何といっても巨乳であることを存分に楽しもうと、先生が日々通っていたジムのランニングマシンを使うことで暴力的に揺れるおっぱいを堪能したり、カフェで乳にタピオカのボトルを乗っけて飲んでみたり、谷間丸出しの色っぽい恰好で街へ繰り出して男共の欲情をそそってみたり……。

 一方で愛沢先生の時は、水泳部の活動中にフォームチェックと釘打って撮影したり、指導のフリをしてお触りしたり、彼女と似ているロリ魔法使いアニメキャラのコスプレをしてオナニーしてみたり……まぁ二人が教師の仕事を追われない程度には僕の欲望を満たして色々楽しんでいる。

 なんというか他の女、例えば生徒とかに乗り換えてもいいんだけど成人してる方が制約は少ないし金も持ってて使い勝手が良いというか。いや、それよりも二人の先生の身体に凄く“ハマってしまった”というか……そんな訳で今は彼女達の身体だけをひたすら堪能し続けているのだ。

「はぁはぁ……ボーっとしてどうしたのぉ? 木森クン」
「ふふっ、今は“凛ちゃん”ですよ? 玲衣さん?」
「あぁ、ごめんなさいね。ふひひっ」

 どこか僕みたいな笑みを浮かべながら今も僕の……愛沢先生の華奢な肉体をジロジロと舐め回すように見つめる氷室先生。本来であれば……少なくとも僕が彼女の身体に憑依するまでは、こんな人間ではなかったはずなのに。それが今や後輩教師相手に好き好んでレズエッチに及ぶようになってしまったわけだ。

 その証拠に……今、僕らがエッチに興じているのは氷室先生の部屋だが、なんとも部屋の中が様変わりしたというか。簡素で物の少ない部屋だったのに、今や二次元と三次元の卑猥な美女のポスターやAV、エロ同人誌が混在する乱れた室内……そこにかつての面影はどこにもない。これは僕が彼女に憑依している間に買った物もあるが、現在では彼女が自発的に購入した物の方が多い気がする。中には我が校の生徒や教師の着替え中の盗撮写真まで……かつての規律を重んじる姿勢はどこへやら。今や女の子への欲情が全く抑えられない変態女教師、それが氷室玲衣というわけだ。

「それにしても木森クンのおかげよ。あなたが憑依しないと凛ちゃんとエッチできないものねぇ」

 ただ……実を言うと頭の中の書き換えができたのは彼女だけで。愛沢先生は僕が憑依している間や憑依される直前のことは全く覚えていないのだ。まぁおかげで氷室先生と清本さんの全裸百合状態のことも忘れていたのは助かったけど。

 他にも、それこそ霧島くんに至ってはあれから何十人と身体を乗り換えているけど、誰一人として憑依されていた時の記憶はないらしいし、氷室先生みたいに何かが捻じ曲がった様子もないみたいだ。例えば清本さんなんか普通に日常生活を送ってるし。まぁ多少スカートが短くなったり、スキンシップが目立つようになった気は……するけど。

 ともあれ、ここまで精神に影響が及んだのは氷室先生だけってわけだ。まぁそのおかげと言っていいのかはわからないけど、鬼教師と呼ばれていた時よりも恐さが薄れてフランクになり、他にもさりげない露出やわざとらしく胸を押し当てるようなスキンシップが増えたことで主に男子生徒からの評判はうなぎ上りなようで……むしろ今の先生の方が前より遙かに人気なのは間違いない。

「あ、そうだ。木森クンもさぁ、そろそろ私とか凛ちゃんばっかりじゃなくて他の女にも憑依してよっ。例えばうちの生徒とか……何ならその母親も良いわね。前に保護者面談した時に凄く美人で巨乳のママさんがいて、レズエッチしたいな~って思ったの!」
「あはは、まぁ僕もそろそろ他の女にも――」

 と、話していると不意にインターホンが鳴り響く。今は夜中の10時、こんな時間の来客……いや、正直予想はついていたけど。インターホンの画面に目を向けると、そこには白いノースリーブニット姿の妙齢の美女の姿。口の端をニヤりと吊り上げ、ヤらしく胸元を揉みまくる様に“中身”が誰なのかは容易に見当がつき、早々にドアを開ける。

「うい~っす! 一発ヤりにきたぜぇ」
「今日も凄くエロい身体だねぇ……どこで憑依してきたの?」
「デパ地下さ。随分と良いトコの女って感じでよぉ……まぁ人妻なんだけどな」

 そう言いながら、左手薬指に光る指輪をニヤニヤと見せつける美女。

 白いノースリーブニットの下は紺のロングスカート。その清楚な見た目とは真逆な言葉遣いとニヤけた表情で彼女……いや、“霧島龍二”はズカズカと中へと入っていく。スカートに包まれたお尻は豊満で、ニットを押し上げる巨乳も何ともたまらない。

「奥原楓(おくはらかえで)って名前で年は29歳。旦那は超エリートらしくて今は二週間の海外出張中らしいぜ。そんな野郎から美人妻のことを身体ごと寝取るってのもそそるもんがあるよなぁ」
「あはは、確かに。それにしても昼に乗っ取ったなら今まで何してたの?」
「そりゃあ早速家に帰ってオナニー三昧よ。やっぱり自分の身体をそのまま極上のオカズにできちまうって最高だよなぁ! それにこの女めっちゃ感度良くてよぉ~……最近JKの身体ばっかり乗り移ってたけど大人の女もいいよな。まぁ疲れやすいのが少し難点だが。おっぱいおもてぇし」

 ニットに包まれた乳を持ち上げながらボソッと呟く楓さん。まぁ重たいと言いつつも鼻の下が伸びているように見えるのは気のせいではないと思うけど。

「まぁおっぱい重たいのって結構大変だよね。Bカップの愛沢先生からHカップの氷室先生に乗り換える度に心底実感するよ」
「だろぉ~……っつうか、お前はいい加減その二人以外にも憑依しろよ! JKとかJDとかよぉ~……エロい女なんて誰でもいるだろぉ?」
「それはそうだけど……僕は憑依した身体で沢山の時間を楽しみたいというか」
「ほんと俺と全然ちげぇよなぁ。俺はとりあえず片っ端からヤりてぇのと一緒でさ。いろんな女の身体でオナニーに耽りたいわけよ。そしたらそいつらみんなイかせた気分になれっからさ……人によって感じやすい部分もちげぇし、ソレを記憶とか読む前に探し出すのも楽しいんだよなぁ、へへっ」

 傍から見れば清楚な美女とは思えない信じられない言動が続く。

「それで何度もオナニーして飽きたらさっさと次に行くわけよ。身内に美人の姉とか妹がいたらちょっとスキンシップして乗り換えちまうとかさぁ。後はオナニーして読み込んだ記憶に美人がいたらそいつに接近して乗り換えるとかな」
「なるほど……」
「この身体だって元は“いつも大体同じ時間にデパートに現れる美女”っていうことで俺が憑依してた美人店員の記憶の中にあってな。それで見事に来てくれたもんだからあっさり乗り換えたってわけだ。こうすりゃ永遠に美人の身体を渡り続けられるってもんよぉ」

 綺麗に澄んだ声で得意げにペラペラと喋りながら微笑む楓さん……つまり彼女は霧島くんの辿っていった記憶の中の美人として不運にも見つけ出されたが故に、こうして身体を乗っ取られてしまったわけだ。

「僕もそうやって乗り換えてみようかなぁ。愛沢先生の親友に可愛い子いるみたいだし」
「そうそう、そういうのだよ……俺もこの人妻には歳の離れた女子大生の妹がいるらしいから、そのうち乗り換える予定だぜ。この女の妹なだけあって金持ちのお嬢様らしくて男っ気もあまりねぇらしいし。そういう女の身体に乗り移ってオナニーしながら犯し尽くすってのもゾクゾクするよなぁ」

 おそらく楓さんにとっては大切であろう妹のことを“犯す”だなんて当人に言わせる……そんな姿に背徳的な興奮を覚える。というか“オナニーしながら犯す”っていうのもなんとまぁ僕らにしかわからない言葉だろうな。 

「まぁ、それは置いといて……今日は手土産に良いもん買ってきたぜぇ」

 なおもニヤけた笑みを浮かべながら彼女がドサッと下ろした袋の中、そこにはバイブやらディルドやら。いわゆる大人のおもちゃが大量に入っていた。

「旦那がいっぱい稼いでるからなぁ。大人買いしちまったぜ」
「すっごいねぇ、これ……どこで買ったの?」
「普通にアダルトショップだけど。まぁ店員とか客にジロジロ見られたけどなぁ」

 そりゃそうだろう……なんて思いながら、スラッとした綺麗な手で卑猥なディルドを取り出す彼女を見つめる。

「今日は誰かコレつけて俺に挿入してくれねぇか? たまには挿れられる気持ち良さってヤツを味わいたくてよぉ」
「それなら男とヤればいいんじゃないの?」
「いや、なんつうか、どうしても男とヤるのは抵抗あんだよなぁ」
「ふ~ん……僕も中身は男だけどね」
「へへっ、ば~か。わかんだろぉ? 大切なのは中身じゃなくて外側だって~の」

 ニヤニヤしながら僕の、愛沢先生の身体を隅々まで見つめる。

「いやぁ~愛沢凛もいいよなっ。お前が氷室の身体にいる間に一回憑依したんだが、貧乳だけど乳首の感度がたまんねぇなって思ったんだよ」
「そうそう、凄くいいよね……って霧島くん誰にでも乗り移ってるよね」
「あったりめえよぉ。可愛い女はみんな俺のもんだぜ」

 清楚美人な人妻の身体で嬉々として語る霧島くん。一体この一ヶ月だけで何人の身体を乗り換えたんだろうか……なんて思いながら話を聞いていると。

「いいなぁ」

 それまでのやりとりを見ていた……というより人妻美人の楓さんの乳や尻を四方八方から食い入るように見つめ続けていた氷室先生がボソッと呟く。

「二人とも羨ましいわ。女の子の身体を乗っ取って好き放題できるなんて!」
「いや、アンタは自分が良い身体してんだから別にいいじゃねえか……」
「確かに私は誰もが羨むエロい身体だし、ここ一ヶ月は自分をオカズに何回もオナニーしてきたけど……そういうことじゃないのよっ。私も私以外の可愛い女の子の身体で好き放題やりたいの! おっぱい揉みたいしお尻触りたいしオナニーしたいのっ!」

 昔の氷室先生がこんな人みたら激怒しそうだけど……それが今の彼女自身っていうのがなんとも皮肉な話だ。僕のせいだけど。

「とりあえず早く始めようぜ? 今日も3Pでやるとして誰がディルドつけてくれるんだ?」
「はいはい私! 美女のソコに挿入とか一度やってみたかったのよねぇ。早く始めましょっ」
「へへっ、まぁ慌てんなって。良いトコの人妻だろうが俺が憑依してる限りは逃げも隠れもしねぇからな。乳もケツもアソコも好き放題させてやっからよぉ」

 スルスルッと服を脱ぎ捨ててベッドに寝転ぶ人妻美女の楓さん。そして全裸でディルドを嬉々として装着し始める氷室先生。

 今日も楽しい宴になりそうだ……そう思いながら僕もスレンダー美人の愛沢先生の身体で淫らな輪の中に飛び込んでいった――
[ 2020/12/15 18:00 ] 憑依モノ祭り(憑依ラヴァーver.) | TB(-) | CM(1)
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[ 2020/12/22 10:58 ] [ 編集 ]
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