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【憑依モノ祭り10日目】さんざめく憑依

作者:九重七志@憑依特化
作者コメント:憑依されてカクンと意識が落ちる瞬間が堪らなく好きなのです。どうぞよろしくお願いします。





「すげえだろ、な?」

あの真面目で潔癖な風紀委員長が、下着姿で机の上に座っている。
ありあえない光景、ありえない状況。それを作り出しているのは――

「ほ~れ、コンプレックスの貧乳だぜ! "憑依"すればこんなことだって出来るんだ!」

――憑依。

そう、彼女は今。
俺たちの親友、島辺 聖俊(シマベ マサトシ)の魂に、身体を乗っ取られ支配され自由自在に操られてしまっているのだ。

「スッゲェなトシ! でも開けっぴろげな貧乳に価値はねーよッ! 恥じらえッ!」

「てめーの性癖に興味はねーけどよ、これがなかなか結構感じるんだ……ひゅぁっ!!」

「ああクッソ羨ましいー……俺も早く憑依して―なぁ」

もうひとりの親友、小西 駒郎太(コニシ クロウタ)がマサトシををやっかみながら、ぼやく。
マサトシは手に持ったミントタブレットの箱をカシャカシャと鳴らし、下品な笑顔を見せる。

「あわてんなって。お前らの分もさっき渡しただろ? 早く好きな"身体"を見つけて、お楽しみタイムと行こうぜ!」

「おう! ただそう言われると悩むなー、2組の琴原もいいし、茶道部の西條先輩もいいし、椿ちゃん先生ってのもいいな……!」

「まぁ選ぶのは幽体離脱してからでいいぜロータ、飲んだら丸一日は出入り自由だからな」

「おう! [丸一日たったら、強制的に元の体に戻る]――で、いいんだな?」

「そうそう、アホのくせにこういう事はちゃんとしてんだよなぁ。
 ――おい、ヒロぉ。お前は準備できたか?」

俺――有馬 真弘(アリマ マサヒロ)は、大きめのロッカーの内側から、マサトシに返事を投げる。

「出来てるよ。コイツを飲めば良いんだよな?」

「そうそう、あとはガーっと行ってグィィと入り込めばそれでOKよ」

「……完全にノリだけで説明すんのやめてくれよ……」

「まー気にすんなって! それじゃ、グッドラーック!」

「よっしゃ、俺も――」

タブレットの箱から錠剤を取り出し、噛み砕く。
すっと居眠りするかのような感覚があり――そして、俺の身体は――


「(お……おお……!?)」

ふわりと空中に浮き出し、半透明の幽体になっていた。


「(さて、誰に憑依しようか……)」

急に言われても、なかなか思いつくものではない。
どうしようかと迷っていると、教室の方から声が聞こえてきた

「あー、だよねー! そうそう、いつもそんな感じだもん」

「でしょー! それでさそれでさ、"あの話"、しってる?」

知ってる知ってる、あの俳優の――と、マシンガントークの撃ち合いは続く。
あいつ、いっつも元気だなぁ――

壁をすり抜けて、教室の中に入る。
中に居たのは――

「あはははっ、ほんと最高……それでさ――」

――幼馴染の、夕霧 杏華(ゆうぎり きょうか)だ。
友達と放課後のおしゃべりをしているらしい。

「(丁度いいや、キョウカなら――まあ、悪くないだろ)」

顔はまあまあだし、スタイルも平均以上。
男子連中からの人気はイマイチだが……一緒に居て楽しいし。まあ、いいヤツだ。

「でね! その時アイツ、なんて言ったと思う――」

……おしゃべりの途中で憑依したら、ちょっと怪しまれるだろうか。
あとで変に思われるのも忍びないし、どうしたものか――

――なんてことを思っていると、すぐさまチャンスがやってきた。

「あ、ゴメン。ちょっとジュース買ってくるわ、もう無くなっちゃってさー」

「じゃあ、あたしの分もお願ーい。炭酸入ってないやつで!」

「はいはい、貸し一つねー」

「よろしく~!」

友人が席を外し、ひとまずトークの弾幕が止む。
周囲に人は居るが、それぞれ別のグループ同士で会話が弾んでいる様子だ。

……キョウカが他のグループにちょっかい出す前に、"やって"しまおう。

「~♪」

機嫌良さそうに、スマホを弄るキョウカ。
俺はその背後へと、誰にも触れないように回り込む。

スマホをいじりながら時折首を傾げたり、近づけてよく見たり――相変わらず、キョウカはよく動く。

少し色を抜いたセミロングの髪がふわりと何度か揺れる。
いま俺が幽体でなければ、いつものようにシャンプーのいい匂いが香ってくることだろう。

――さて。

「(キョウカ、お前の身体――貸してもらうぜ!)」

俺はキョウカの身体の中に、自分の幽体全部をねじり込んだ――


「――ん゙ッ!?」

一瞬だけ声を上げ、全身が痺れて動かなくなって、口をパクパク開けて目を見開いている――のが、"分かる"。

「ッ! !! ぁっ!!」

何これ! 身体が動かない! どうして!? わからない!
そんな頭の中の言葉も、手にとるように分かる。

「……ぅ……」

そしてキョウカは、ゆっくりと意識を失い。
ガクンと首をうなだれて、目を閉じてしまった――

「……はっ!?」

――のも、つかの間。

"俺"は思わず、声を出してしまった。

目を開く、手を顔に寄せて見る。
白くて、細くて、長い指――もちろん、俺の指とはぜんぜん違う。

「本当に――!」

思わず出た声は、高く、濁りのない、柔らかな声で。

体を揺らすと、少し長い髪がチクチクと肌に触れ。

胸元にほんの少し、重量感のある"なにか"が、二つ並んで存在感を示していた。

「やった――キョウカに乗り移ったぞ!」

声を抑えて呟いて、小さくガッツポーズまでしてしまった。

ふと見えたスマホの画面には、[作戦失敗]の文字。
ゲームの邪魔をしちゃったか――でもまあ、許してくれよ。

「――ふふっ」

俺は胸元の柔らかな膨らみに手を伸ばそうとして――
――どうにも、周りの視線が気になり始めた。

「(どうせやるなら――徹底的にだっ!)」

俺は――キョウカになった"俺"は、ガタッと音を立てて立ち上がると。
そそくさと教室を出て、トイレの方へ向かっていった。

――ちょっとヘンには思われるかもしれないが。
"俺のせい"だなんて、まずバレる筈もない――

「……!
 おっと、危ない危ない――」

いつものように、男子トイレに入ろうとしてしまった。
今の俺は、キョウカの――"女の子の身体"になっているのだから。

「女の子の、身体――」

入ってすぐの手洗い場で鏡を覗き、今の"自分"の姿をじっくりと見ていく。

「いつも見てるのと、そんな変わんねえな」

――表情は別にして、だが。

「あいつこんなヤラしい顔も出来んだな。
 えーと……こんな感じ、か?」

ニコッと、"いつものように"笑ってみる。
表情筋が覚えているのだろうか、何の苦もなくこの表情になれた。

「ふふっ。
 これで、"いつものあたし"だねっ!」

見慣れた顔、見慣れた表情、見慣れた笑顔。

正直、"ちょっといいな"とは思っているが。
なんか素直に言うのは癪だと思っている――キョウカの顔。

「えへへっ……ん……」

不意に、視線を下に向ける。
そこには――男にはない、胸元の膨らみがその存在を主張していた。

「おっぱい……」

大きすぎず、かといって小さいわけでもない、絶妙なサイズ感。

「――んっ……」

そっと手を当てると、重みでゆっくり奥へ奥へと沈み込んでいく。
生温い海の中へと沈んでいくような――感覚。

このまま溺れてしまいたい――でも。

「……嫌だな、なんか」

正直、キョウカの体であいつらと"お楽しみ"するってのは……なんか、嫌だ。
大事な幼馴染だし、なにより俺は――こいつを、ちゃんと"俺のもの"にしたい。

「……やめよう。
 別の身体に――」

俺は、キョウカの身体を解放するために、教室に戻ろうとした――


――その時。

「キョ~ウちゃ~ん、なーにおっぱい弄ってんの~? もう、キョウちゃんったらえっちっちだなぁ」

「え!? ああ、ええと――その――」

な、なんで"姉貴"がこんなところに!?
今日は確か部活の日だったろ!? こんな時間に二年の教室で用事なんて無いはず――!

「え、えっと、その――なんでこんなところに居るんですか? "サチエ"さん」

あまり呼び慣れていない、姉貴の――有馬 紗知依(アリマ サチエ)の名前を呼ぶ。

「へ? それはね~」

胸を掴んだままの手をそのまま包み込むように、姉貴は俺の――キョウカの胸を撫でる。

「ひゃんっ!?」

「部活前に、キミらに会いたくなってさ~。
 ねえねえ、マー君しらない?」

姉貴の暴力的なまでの胸が、"俺"の背中に押し付けられる。
不覚にも……少し、ドキドキ、してしまう。

「さ、さぁ……今日はもう、帰っちゃったと思いますけど」

「ふーん、珍しいねえ、一緒に居ないなんて。
 まーいっか、もうちょっと探してみるね~」

げっ……これは少し、マズいかもしれない。
姉貴は俺を探しているようだ――それはつまり、旧校舎で抜け殻になっている"俺の身体"をだ。

そう簡単には見つからないはずだが、それでもこの姉貴は油断ならない。
見ての通り、姉貴は人の言うことを聞かないし、こうと決めたらテコでも動かない。

万が一、ということもある。
なにか、手は――
……ああ。

今の俺には――"この手"があった。


「え、キョウちゃん!?」

倒れたキョウカ、慌てて駆け寄る姉貴。
俺はそれを"上から"見ていて――

「――ヒッ!?」

姉貴の"中"に、頭からすっぽりと入り込む。

ぐるんと視界が変わる。
目の前には、倒れたままのキョウカ。

視線を下ろせば、着崩した制服、ちらりと見える見せブラ、ほんの少しだけ灼いた素肌――

――少しだけ、少しだけだから。
大きく重量感のある乳房を、ぐにぐにと弄ってみる。

「――はぁ……んぅ~」

ほんのちょっとハスキーな、聞き慣れた――だけど、少し違って感じる声。
キラキラした長いネイルが、ちょっとだけ刺さって痛い。

「……」

近くにあった窓ガラスに、"俺"の姿が映る。

「姉貴……だよなぁ……」

その姿は、いつも家で見ている横暴な姉貴そのものだった――


「――どうすっかなぁ」

成り行きで憑依してしまったが、いくらなんでも"姉貴の体"を持っていくのは――本当にどうかと思う。

あのバカども相手にそんなことをしてみろ……俺はたちまちシスコンネトラレ野郎の汚名を被ることになる。
まず間違いなく一生だ、奴らならやる。きっとだ、間違いなく。それ以外の可能性など考えられない。

――とにかく、別の身体を探さなければならない。

とはいえ、そんな都合のいい女の子がそう簡単に見つかるとも思えないが――

――などと、思っていたところに。

どうやら今日の俺は、結構ツキが向いてるらしい。

「(おおっ、あれは――)」

長い黒髪、すらりとした手足、おしとやかながらもどこか艶めかしさを感じさせる足取りと仕草。
風になびいてハラハラと揺れる綺麗に切りそろえられた髪は、まさに清楚という言葉にふさわしい彼女の様を表していた。

「(憧れの、水無月 讃良(ミナツキ ササラ)先輩――!)」

これは間違いない。絶対に大正解だ。ここで憑依しなけりゃ絶対に後悔する!

俺は姉貴の身体をちょうど良さそうな場所に隠し、しばらくは目覚めないよう暗示をかけて幽体離脱する。

「(たぶんここなら風邪も引かないだろ……よっしゃいくぜェー!!)」

勢いよく俺の幽体が飛び出す。
狙いはまっすぐ一直線! 障害物も人気もなし! ふぅと吹いた風に髪が揺れうなじが微かに覗いた所を――ズギュンッと憑依!

「    」

声も出せずに口をパクンと開いたままの先輩。そしてその感覚は――すぐに、"俺のもの"になる!

「――あははっ!」

鈴を鳴らすような、透き通り澄み渡った潤いのある綺麗極まりない天使のように清らかな笑い声が"俺"の口から漏れる。

あんまりにも綺麗で、すこし狂気に満ちた大笑いを止められない、だって、だって――

「――ああははははっ、最高のカラダだぁ~!」

こんなにもいい身体なんだから!

ああ、もう――全身からすごくいい匂いがする。
俺は思わず、"自分の体"をギュッと抱きしめる。

「あっ……ふぁぁんっ!!」

意外なことに気づく。
この身体――感度がメチャクチャに、イイ……!

「うっそだろコレ……んひっ、ああッ、ムネ、だけで――んぁッ!」

水無月先輩がこんなにもえっちな身体をしていたなんて――
ちょっとだけ複雑な気分になるが、それもひと撫でで霧散するほどの超・高感度ボディ。

「ホント……サイッコーゥ……でも、なんだろ、記憶が――」

俺はミナツキ先輩の記憶をすこし、探ってみる。
すると――

「うぁ……生々しー……昨日ヤったばっかだったんだな」

ほんの昨晩――どころか、今朝の激しい性行為が脳裏で完全再現される。
3番目の彼氏、スポーツマンタイプ、ただのヤリ友、短小の割にテクが凄くて――

「――んんぅっ……って、うわっ!? 濡れてきた……」

考えてるだけで濡れてくるなんて――ホントすっげぇ淫乱な身体だな……。

「それにしても、ミナツキ先輩……5股もしてたんだな。
 清楚な顔して……すげぇ淫乱……やっべぇまた興奮してきた――」

荒い吐息、きゅぅきゅうと疼き出す全身の性感帯。
やばい――このままだと、何も考えられなくなる――

せめてトイレで――いやダメだ、ここからじゃ遠すぎる――

こうなったら――


「ここ……でだっ!」

辛うじて、人に見られなさそうな茂みを見つける。
ここで――落ち着くまで、快感を発散するしかないっ!

「――っぅ!!」

思わず出そうになる声を必死に抑える。
それがかえって快感を増すことを、俺は直後に思い知った。

「――っ! ぁッ!! ――んんんぅ!!」

手は既に股間と胸元に、おそらくは身体が覚えているのだろう。
服の隙間から指先を滑り込ませ、なめらかな素肌を直接刺激する。

「――!! ――!!!! ―――!!!!!!」

あたまが、なにも、かんがえられない。

あまりにも強烈な刺激。それは瞬く間に体中を駆け巡り、あたまとこころを桃色に染める。

「っ!! ――ぁ!!!! ―――ぁぁぁあああああ!!!!!!」

ビクゥ、ビクッ、ビクゥッ――と、無意識の内に身体が跳ね回る。

必死に抑えていたはずの声の戒めはいとも容易く解かれ、絶頂を告げる絶叫が辺り構わず響き渡る。

もう、そんなこと、どうでもいい。
だってこんなに――きもちいいんだから。

くたっと力が抜けた腕、されどその指先は「まだ足りない」とピクピク疼き。
理性がのたまう「いけない、はやく行かなきゃ」という戯言をあっさりと切り捨て、ひとりあそびは次のラウンドへと向かう――


「――ねぇ、あなた、ここで何してるの?」

「ッ!!!?」

背筋が、凍りつく。
ふわふわとやわらかく、あたたかかった感覚は消え去り。変に冷静な思考が唐突に顔を出す。

――いや、そうだ。冷静に考えろ――

どうせ、俺の身体じゃないんだ。
このまま抜け出してしまえば、恥ずかしいのは先輩だけだ。

――そんなもんで、済むだろうか?

こんな露出狂みたいな真似をしたんだぞ?
これから真っ当な社会生活を送れる程度の尊厳が残っているワケがあるか?

――それなら――

ああ! そうだ、目の前の――目撃者を、消せばいい!

この、目の前の――ニヤニヤと笑みを浮かべた、丸眼鏡を掛けた、可愛らしい顔の下級生を――

「――ぷっ」

――うん?

「あはははははっ!! なにそんな顔してんだよ、俺だよ、俺!」

「え――」

「ロータか? いや、ロータならもっと乳臭えの選ぶよなー。
 じゃあ――ヒロだな! 俺だよ俺、マサトシだよ」

「何だ、トシかよ……ビックリさせやがって……」

緊張していた肉体が一気に緩む。
深く息を吐きだすと、ごぽごぽと音をたてて潮が溢れ出る。

「しっかし、こんなところで潮吹くまでヤるなんて、
 かーなーりぃ、特殊な趣味してやがんなお前」

「うるせぇ。
 ……この体がエロすぎんのがいけねえんだよ」

「はっ! そいつぁ楽しみだ」

そう言うとマサヒロは頭の後ろで腕を組み、後ろの方を親指でくいくいと指差した。
反った身体が小さな胸を強調するような形となり、ほんの少し扇情的だ。

「ほら、とっとと来いよ。一足先に始めようぜ」

「おう、そうだな。
 お前は"その子"か?」

濃いめの色の髪を肩のあたりで整え、体つきはやや薄めといった感じの少女。
いささか地味な雰囲気で、マサヒロの好みのタイプじゃあないと思う。

「いいや? こいつはたまたま近くに居ただけでな。
 叫び声でも挙げられたら面倒だし、サクッと乗っ取らせて貰ったワケよ」

――助けてくれた、って事かよ。

「……すまんな、恩に着る」

「いいってことよ。それじゃあまた、"例の部屋"でなー」

そういってマサヒロは去っていった。
あの身体は適当な所で開放されることだろう。

……。

あいつはなんやかんやいって、友達思いのいいヤツだ。
……馬鹿だけどな。

俺は気を取り直して、着ていた服をできるだけ整えてから、"例の部屋"へと向かった。


――

「さぁっ! みなさん、授業の時間ですよっ!」

「げぇッ、佐倉センセ……じゃなくて、トシなんだよな?
 どうもなんか調子が狂うデスよ~」

「お前も喋り方が身体に引っ張られてるぞ。
 ……しかし、その、なんだ……趣味全開だな」

「ノー・プロブレムでーす! 金髪幼女は世界を救いマース!」

「ふふっ、授業中は静かにしてくださいね、ヴィルヘルミナさん。
 つーか幼女幼女ってそいつ同級生じゃねーか、いいのかロリコン」

「このまま育てば合法なのでむしろ貴重。
 前からずっと狙ってたんだけどなー、意外とガード硬いんデスよね」

「そりゃおめえだからだよ変態ヤロー……」

"例の部屋"と俺達が呼んでいる、旧校舎裏のボロ倉庫。
とにかく人目につきにくいということで、俺たち三人はいつも悪巧みにここを使うことにしている。

流石に床で素肌を晒すわけにも行かないので、使われなくなったマットのようなものを敷いてある。

「あぁんっ、そんな……おヨメにいけなくなるデース……」

「ふふ、可愛いわねヴィルヘルミナさん。ミーナちゃんって呼んだほうがいいかしら?」

クロウタが憑依している身体は、ハーフだかクォーターだかの同級生、高宮・ヴェルへルミナ(たかみや - )

小柄な体格と童顔、貧乳に無毛を併せ持ったクロウタ好みのナイスバディだ。
普段は長い金髪をツインテールに括っていて、ぴょこぴょこと動き回る姿は小動物的でかわいい。

一時期外国で暮らしていた、とかそういうこともなく純粋な日本育ち。
なのになぜか日本語の発音が怪しい、クラスの愛すべきバカどもの一人だ。

「ほら! ほら! ほら! あはぁ、今の彼氏なんかよりずっと良いわぁ……
 ……つーかもともと"そういう気"があるみたいだな。好都合だぜ!」

マサトシが憑依している身体は、今年入ったばかりの新任教師、佐倉 美咲(さくら みさき)先生。
優しくて授業も面白く、しかも可愛い系の美人なので、生徒からの人気は今も上り調子だ。

でも先生、女の子が好きだったのか――正直、ちょっとショックだ。
っても、今は俺も女の子だからな……へへ、楽しくなってきたぜ。

「佐倉先生……わたし、もう、我慢できませんっ……!」

「お、ヒロも入るか? ――じゃない。
 ふふふ……いらっしゃい、ミナツキさん。
 可愛がってあげるから――ね?」

耳元で囁かれた言葉に、身体がピクピクと疼き出す。
やっぱりミナツキ先輩の身体は、凄く感じやすくて……淫猥だ。あんなに清楚に見えるのに。ずるい。

「わたし、こう見えて――すっごく、えっちな身体してるんです……」

「うっわメッチャクチャいい……その顔でそんな事いうのは反則だろ」

「いや俺もビビったよ……あんな淫乱だなんて思いもしなかった」

「うーわいいなぁヒロ。後で貸してくれよその体!」

「お前ら折角女になってんだから、
 ちょっとは演技しろよなー。
 まあでもその気持は分かるぜ! 凄くだ!」

脱ぎ散らかされた制服、乱れきった長い髪はしっとりと体液に濡れ。
絡み合う3つの体、舐め啜り撫で弄んでは擽り。

紅潮した頬、上気して緩んだ顔。
吐く息は甘く、口の端からはたらりと涎がこぼれ落ちる。

底なしの快感。
貪れば貪るほど、もっともっと欲しくなり。

口付け、舌絡め、蜜壺への侵入。
もはや自分が男だったことさえどうでも良くなるほど、甘い甘い快楽に沈み漬けられて。

そうして長い時間が過ぎていき、そろそろ疲労の色が顔出す頃。

――突然、部屋の戸が開いた。


「あ、あなた達っ!! なななななにをしているのっ!!!?」

闖入、乱入者、水を差す二人の足音。
顔を真赤にした、見知らぬ制服の少女たち。

「せせせ、せんぱいっ! こ、これって――!!?」

迷い込んだのか、知らず入り込んでしまったのか。
ああ、どちらにせよ――


――か わ い そ う に――


「ひゃっ!!?
 う……あぁぁ……あ……?」

「な、なにこれぇ……!?
 やだ、気持ち悪……い……」


眠るように、いいや崩れ落ちるように。
少女二人の体が、ずるずると床に沈んていく。

小さく「ぅ」とか「ぁ」とか絞り出す声も徐々に消えて。
硬直しきった少女たちの身体は、一際大きくビクンと跳ねた。


「ふぅ~、危ねえ危ねえ。
 何事かと思ったぜー」

「っかしーなー、ここに人なんて来るハズ無いのによぉ」


マサトシとクロウタが乗り移ったんだ。

「なんか制服違うし、他校生かなんかじゃないか?
 とりあえず記憶探ってみろよ」

「記憶ぅ? 俺あんま読めねーんだよなぁ。
 トシの方はどうなん?」

長い黒髪の、凛とした少女に憑依したマサトシが、こめかみのあたりに手を当てる。

「あー……お、あったあった。こいつら、やっぱり他校生だ。
 えーと、"桃楼院女学園"……? って、トージョか! 超お嬢様学校じゃん!」

「おいおいマジかよ! トージョの生徒がなんでウチみてぇなトコに来てたんだ?」

「っと……ああ、生徒会の用事だってよ。交流会の打ち合わせとかで。
 終わった後で道に迷って、こんな辺鄙な場所まで来ちまったらしい」

「生徒会なのかー。いいねぇ、こんな美人の言う事なら、何でも従っちゃいたいぜ!」

「それにしても、運の悪い連中だな。とっとと帰ってれば"こんなこと"にはならなかっただろうに」

「……あ、待て。もう一人いるぞ。生徒会の子。
 副会長の――お、やったなマサ、多分お前のタイプだぜ」

「……まじかよ。やるしかねぇな。
 でもそれなら、こっちの身体の方はどうする?」

おおよそ身体から出る液体全てに塗れまくった二つの女体。
それに俺が憑依しているミナツキ先輩の身体――このまま放置するのは不味いんじゃないか。

「そうだなぁ――まあすぐには目覚めないだろうし、脱いでた服着せて教室辺りに戻しとけば大丈夫だろ」

「そうか? ならまあそれでいいか。それじゃあまずは――」

――と、遠くから聞こえてくる、きれいな声。
その内容は、おおよそ――「会長~、コヒナちゃん~、どこにいるの~?」といった様子だ。

「おっと、獲物の方からこっちに来たな。
 先にそっちを捕まえとくか」

「だな!」

俺はミナツキ先輩の身体を床に寝かすと、再び幽体を離脱させた。


――


「会長~! もうっ、どこ行ってたんですかぁ?
 心配したんですからね~!」

「ああ、すまないねチヒロくん。
 恥ずかしながら……道に迷ってしまったんだ」

「あはは、珍しいですねぇ。会長がそんな可愛いとこ見せるなんて~」

「はは、面目ない。……あまりからかわないでおくれよ?」

「うふふ~、どうしようかな~。
 ……あれ、コヒナちゃん? どうかしたの?」

もじもじと、うつむいたまま、一言も喋らない――生徒会の、後輩らしき娘。
……クロウタのヤツ、ひょっとしてまだ記憶が読めてないのか?

「……ぁ、えっと……その……」

「チヒロくん、コヒナくんはちょっと疲れてしまったようなんだ。
 少し休ませてあげたいんだが、時間は大丈夫かな?」

「ふふ、会長ったら優しいですね。
 わかりました。それじゃあどこかでお茶でも――」

「――チヒロくん」

「……会長?」

「ちょっと、これを見てくれ――」

「ええと――?」

会長は、手の中に隠した――いいや、手の中には何も隠してなどいない。
ただ意識をそちらに向けるだけの、ミスディレクションでしかないものだ。

そう、何かに意識を向けている間は――

「――えっ!?」

――幽体の侵入に、無防備だということ!

「や、やだ、なに、背筋が――ああっ、いや、いやぁ……何か……入って……くるぅ……」

背中から副会長の子の中に幽体を突っ込み――侵入させていく。
ふわふわした長い髪の毛をくぐり抜け、うなじをすり抜け、小さな肩に滑り込み――
――可愛らしい小顔へと、幽体の脳を捻り込む。

「……」

入った瞬間、にやけた生徒会長の顔が見える。
目を見開いたままの状態で、憑依することが出来たらしい。

――これだけやれば、少しは慣れてもくるか。

なんてことを思いつつ、俺は緩んだ微笑みを見せた。

「ふふふ~、ひどいですよぉ会長~。
 わたしの身体……乗っ取られちゃいましたよ~」

「ノリノリだなヒロ、やっぱお前こういうの好きだろ?」

「まあな。
 こういうふわふわした女の子、なんか……そそるだろ?」

「ったく、もっと早く憑依してくれればよかったのによー。
 この子、思考回路が独特すぎて全然記憶が読めねえんだよ……」

「マジか。あーでも……そんな感じなんだな、コヒナちゃんは」

副会長の体に入ったことで、ようやくこの三人の名前が分かった。

会長と呼ばれていた子が、東条 志津香(ヒガシジョウ シヅカ)。
凛とした雰囲気の娘で、やや男っぽい口調で話す子らしい。
セミロングぐらいでぱっつんと切りそろえた黒髪が、どこか有能そうな一種のカリスマを纏っているような気がする。
尊敬できる親友――というのが、この身体からの印象だ。

クロウタが記憶を読めないと言っていた身体は、烏兎原 小雛(ウトハラ コヒナ)と言うらしい。
可愛いものが大好き――といっても、どうやら彼女の"可愛い"は、おおよそ世間の"それ"とはかけ離れたもので。
一見するとグロテスクだったりサイケデリックだったり在る種異様な雰囲気のものを愛しているらしい。
小柄な体躯にお団子めいた髪型と、どう考えてもお子様っぽい雰囲気と無邪気さは――まあ、クロウタ好みだろうな。

そして俺が乗り移ったふわふわな美少女が、川澄 千聖(カワスミ チヒロ)だ。
学年一の才媛で、かつてはシヅカとライバル関係に在ったらしい。とてもそうは見えないが。
やや色素の薄い柔らかなウェーブヘアに、すこし潤みをもったタレ目、少し太めの眉――最高だ、素晴らしい。
スタイルも抜群で、この三人組の中では一番胸が大きい――素晴らしい最高だ非の打ち所がない。

……彼女の賢い頭で、こんなしょうもない事を考えている……それはどこか倒錯的で、なにかこう、甘美だ。
きれいなものを穢している感じがして――正直、すこし興奮している。

先程のミナツキ先輩の身体ほどではないが、チヒロさんの身体も感じやすいようで、足の付根の当たりが温かくなってきた。

「さーて、それじゃあ……」

「セックスだ!」

「待て待て待て、その前にさっきの身体の処理が先だろーが」

「そうだな、目を覚ます前にやっちゃったほうがいい」

「そんな事言われても……コヒナ、もう我慢出来ないですっ」

「いいかいコヒナくん、こう考えるんだ。
 ――溜めてからの方が、気持ちいいだろう?」

「……ぜってぇ言わねえだろ、その子」

「まーまーそんな感じでさ、どっか場所見つけてヤりまくればいいんだよ」

「ってもなぁ……お、この子――わたしの家、すぐ近くなんですよぉ。一人暮らしですし、丁度いいですよぉ」

「カワスミ先輩のお家ですかっ! コヒナ、行ってみたいです!
 家ならそのまま放置しても大丈夫だろーし、今夜は寝かせないぜェ……!」

「うわ下衆っ。まあ別にそれでもいいか。
 ああ、"私"はよくお邪魔させてもらっているよ。あの薬局の近くだろう?」

「はい~、それじゃあシヅカちゃん、コヒナちゃん。行きましょうか~」

「ああ、行こうか――」
「はいっ、カワスミ先輩っ!」


――そうして。
俺たちは後片付けをして、カワスミチヒロの自宅へ向かった――

たっぷりとある残り時間をふんだんに使った快楽の宴は、夜を越え朝を過ぎ昼さえ抜けて延々と艶々と喘ぎ続けた――

元の体に戻ったときは、もう終わってしまったのかと嘆き悲しんだものだ。
――もちろん、その欲望に果てはない。

俺たち三人は当然のように、新しい"憑依薬"の注文を済ませていた。

ちょっとしたトラブルに巻き込まれながら、愉しい時間を過ごすことになるのだが――

――それは。
また、"別の話"である――



[さんざめく憑依] おしまい
[ 2020/12/14 18:00 ] 憑依モノ祭り(憑依ラヴァーver.) | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

憑依好きの人

Author:憑依好きの人
●憑依TSF・洗脳・悪堕ち・融合など支配欲が満たされるシチュを中心に創作活動しています。
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