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【憑依モノ祭り9日目】魂憑依

作者:toshi9(小説)、jpg(挿絵)
作者コメント:今回は運営の緊張感から解放されての参加。憑依作品は苦手ですが楽しんでもらえると良いです。(toshi9)




「アナタハ、カミヲ、シンジ、マスカ?」
公園のベンチに座って空を見上げ、は~っとため息をついていた俺に、神父らしき外国人が変なイントネーションの日本語で声をかけてきた。
新興宗教の勧誘だな、そう思った俺はその神父を無視した。

「アナタは、カミを、シンじ、マスか?」
俺が何も答えないでいると、神父は立ち去ることなく再び声をかけた。
うるさいな、そう思った俺はぶっきらぼうに答えた。
「そんなもの信じねえよ、神様がいたら俺のことを何とかしろ」
神父は俺の言葉に軽く唇を歪ませると、三たび尋ねてきた。

「デハ、アナタは、アクマを、シンじ、マスか?」
「言っただろう、信じ……え? 今なんて? あくま?」
「シンジ、マスか?」
神父はじっと俺を見て笑う。

「俺は就職浪人確定中の身だ。今は神も仏もないって心境なんだよ。神様だろうが悪魔だろうが、ほんとにいるのなら俺を就職させてみる」
俺の名前は神尾信二。現在就活中、いや、就活していたと言うべきか。
何社エントリーしても全然採用が決まらない。
そしてほんの今しがた、最後に残された一縷の希望とも言うべき会社から断りの電話が入ってきたばかりだった。
電話の切れたスマホを持った手をぶらんとベンチに投げ出し、この後どうするか考えることができずにただ空を見上げるばかりだった俺。そんな俺に向かって妙な神父が声をかけてきたのだ。こんな気持ちで声をかけられても愛想よく答えられるわけがなかった。
だが、神父は嫌な顔ひとつ見せずにうんうんと頷くと、おもむろに両手につけていた白い手袋を外した。
「ワカリました、コレモ、カンユウのイッカンデ~ス、ダイサービスですヨ」
神父はそう言って外した白い手袋を俺に差し出す。
こんな勧誘は初めてだ。そう思いつつも、手袋を差し出してきた神父が何をしたいのかよくわからない。
「なんだそれ、そんな使い古した手袋なんか間に合ってるぞ」
「オオ! ソウでした。コレがナニか、アナタにはワカリマセンね。コレはコノヨウに、ツカウのデ~ス」
神父は一度外した手袋を再び両手につけると、右手でベンチに座る俺の手をつかみ、グイっと引っ張った。
妙に強い力で引っ張り上げられた俺は思わず立ち上がってしまった。しかし立っているはずなのに足に地面の感触が無い。ふわふわと変な感覚だった。

気がつくと後ろに人の気配がする。振り返ると俺が呆けた顔でベンチに座っていた。
俺はここに立っているはずなのに、俺の後ろに俺がもう一人?
自分の手を見ると、うすぼんやりと透き通っている。しかも服を着ていない。裸だった。
「え? え?」
「このテブクロのチカラで、アナタをヒッパりダシ、マシタ」
「はぁ!?」
これって、幽体離脱!?
ネットで幽体離脱する話を読んだことがあるけど、まさか俺自身が体験するなんて。

「サテ、アナタのノゾミは、シュウショク、でしたネ」
そう言って、神父は戸惑う俺の手を掴んだまま歩き出す。俺は半ば宙に浮いたまま神父に引っ張られていった。
神父はキョロキョロを周囲を見回すと、少し離れたベンチに座ってスマホを懸命に打っているリクルートスーツを着た女子に近づいていく。
「アナタはキョウ、シュウショクが、キマリましたネ」
「え? なに?」
嬉しそうにスマホを操作していた彼女は、神父の声に思わず顔を上げた。
神父は彼女の腕に左手を伸ばすと、俺の時と同じようにぐいと引っ張り上げた。
すると彼女の中からもう一人の彼女が引っ張り出されたのがわかった。
まるで彼女が分身したかのようだった。いや、引っ張り上げられた彼女の姿は座っている彼女よりも少しぼんやりとしている。しかも身体の中から出てきた彼女も俺と同じように裸だった。

「ソレデはミチカラで、アナタのゼツボウを、キボウにカエて、あげマショウ」
神父は彼女の中から抜き出したもう一人の彼女の手を左手でつかんだまま、胸の双丘の間に右手をかざすと、胸から腹にかけておろしていく。その手の動きに従ってぼんやりと立つ彼女の中からさらにぼーっと人型に光るものが出てきた。出てきた光る人型はやがて光の珠に変わってしまうと、神父の前にふわふわと漂うように寄ってきた。
神父は彼女の手を離して目の前の光の珠を手に取る。光の珠を抜かれたぼんやりした彼女の身体は手を離されても立ったままじっと動かなかった。

「コレは、カノジョの、レイタイデ~ス」
神父は手のひらの上に乗った光の珠を俺に差し出してそう言った。
「レイタイ……霊体?」
「コレがカノジョの、ホンタイデ~ス。ソシテこのレイタイが、ユウタイからナクナルと、あのユウタイは、デイリじゆうデスヨ。さあ、ドウゾ」
「どうぞ? どうぞって?」
だが神父は俺の問いかけを無視して再び俺の腕を掴む。
「ハヤくシマショう、アナタがコノレイタイのカワリに、カノジョのユウタイのナカに、ハイルのデ~ス」
そう言って神父は手に持つ光る珠の代わりに俺をうすぼんやりした彼女に押しつける。
「う、うわっ、生暖かい」
 彼女の姿に触れた瞬間、生暖かいマシュマロのようなものに触れたような気がした。そのマシュマロの中にずぶずぶと身体が包み込まれていく。俺はぼんやりと立つ彼女の姿の中に徐々にのめり込まれていった。心地よい感触が俺の体を包み込んでいく。そして全身がその感触に包み込まれた瞬間、俺は急激に眠気に襲われ、そして気を失った。

「イカガ、デスカ?」
「いかがですかって、え?」
急に眠くなって……それから何が起きたんだ?
はっと気がつくと俺は自分の身体を確かめた。
俺の身体はやはりうすぼんやりしたままだった。服も着ていない。だが少し様子がおかしい。ぼんやりした俺の姿は俺ではなく女性の姿になっていた。
半透明ながら大きく膨らんだ胸、上から見下ろしても何もない股間、細い腕……。
俺には何が起きたのか理解できなかった。でもはっきりと自分の姿が女性の姿に変わっているのを感じる。
「これ、俺?」
「はい。アナタのタマシイ、スナワチ、レイタイもユウタイもイッショに、カラッポになったカノジョのユウタイのナカに、オシコミマシタ。アナタは、アナタというソンザイのママ、カノジョのタマシイにナッタのデ~ス。コレデ、そこにスワッてイル、カノジョのカラダも、アナタのモノにナリまシタ」
「なに、なんだって? 意味がわからない。俺が彼女の魂になって、彼女の身体が俺の物?」
「タマシイとは、ユウタイとレイタイで、ナリタッテいます。ヨウスルに、カノジョのユウタイとヒトツになったアナタのタマシイは、カノジョのタマシイに、ナリカワッタのデ~ス」
「要するにって、要約になってないぞ。意味がわからねえ」
「コマッタカタですネ。デスカラ、アナタは、アナタがキボウしていたカイシャにゴウカクしたジョシダイガクセイとして、シュウショクデキルのデ~ス。さあモドりマショウ、アタラシイ、ジブンのカラダに」
そう言って神父が促すと、女子の姿に変わってしまった俺の体は糸で引かれるようにベンチに座ったまま動かない彼女の身体に引っ張られていく。そしてその中に吸い込まれるように入ってしまった。

はっと気がつく。
俺は黒い女性用リクルートスーツを着てベンチに座っていた。黒い細身の上着の下に着ている白いブラウス、細い腰、そして履いているのは黒い膝丈のタイトスカート、ストッキングに包まれたむっとりした脚、頬に俺の髪とは明らかに違うさらさらした長い髪がかかる。そして手には盛りだくさんのアクセサリーでデコレートされたスマホを持っていた。
「ええ? 何が起きて、はっ」
ごく自然な仕草で頬にかかる髪を肩の後ろに払いのけながら小さな叫び声をあげると、声もかわいい女の子の声に変わっている。
「この声、俺の声なのか?」
胸からはブラジャーで強く締め付けられる感触が伝わってくる。そして下半身はストッキングで締め付けられているのがわかる。それは俺がさっきまで着ていたゆったりしたビジネススーツとは全く違う女の服の感触だった。
自分の身体が女性の体形に変わっている、声も女性の声になっている。着ている服もさっきの女子が着ていたリクルートスーツ、俺は自分がさっきまでスマホを打っていた女の子になっているのを実感するしかなかった。

「アナタのオナマエナンデスか?」
「不渡早紀と申します、え? ええ?」
妙なフレーズの神父の問いに引きずられるように答えて思わず絶句する。俺が答えたのは俺の名前ではなかった。
神父が笑う。
「アナタはココデ、ナニしてマシタ?」
「第一志望の会社から合格の連絡が入って、嬉しくて彼にメールを打ってた……え? え? 違う、あたしは……いや俺は、あれ? あれ?」
「アナタは、アナタがキボウしていたカイシャに、シュウショクできました。ヨカッタですネ。コレもミチカラのキセキなのデ~ス」
そう言って、神父は祈りのポーズをとる。
「いや、でもそれはあたしじゃなく、いや俺じゃ、いやあたしじゃなくっておれ、あれ? あれ?」
声に出して答えようとすると、つい女のような話し方で話してしまう。
「あたし、ほんとにこの子になったの?」
改めて胸を見ると、黒いスーツの下の白いブラウスを膨らみが押し上げている。だがブラジャーに締め付けられて息苦しい。ブラウスの下のブラジャーのサイズが胸の大きさに対して小さいというか……ちがう、今日のはすべり止めの面接だったし審査官にあたしの大きなおっぱいを変な目で見られないようにわざと胸を小さく見せようとしたのよね。
え? これ俺が考えている?
胸を触ると確かに盛り上がった自分の胸のぽよんぽよんとした感触があった。視線の先のストッキングを履いた長い脚を手でさすると、それは間違いなく自分の脚だった。
立ち上がると、黒いヒールを履いていた。そして再びファサっと頬に降りてくる長い髪。

「デハ、これからのカノジョのジンセイを、タノシンでクダサイ。ワタシもヨキタイカをイタダキマシタので、カンユウしたカイがありまシタ。コレはアナタにサシアゲまショウ。ツカいカタは、ゴジブンのテにツケルと、ワカリマ~ス。ドウぞアナタのヨクボウのオモムクママに、ツカッてクダサイ。デハ、またオアイしまショウ」
神父は再び手袋を外すと、俺に手渡した。そしてこの身体の本体とも言うべき霊体……光る珠を自分の黒い鞄に入れた。
「ヨキ、ジンセイヲ」
そう言って再び祈る仕草を見せると、神父は歩み去っていった。驚くことに向こうのベンチに座っていた俺の身体もゆらっと立ち上がって、神父の後についていく。
「あたし、いや、お、おれ、それ、おれのからだ、待って」
「アナタのカラダは、ソチラでしょう。コレハ、もうアナタのカラダでは、ありまセ~ン。カラになったこのウツワも、ヒキトッテまいりマ~ス」
神父はその言葉を最後に残してゆっくりと歩き去ってしまった。
女子の身体になった俺は呆気に取られてそれを見送るばかりだった。


行っちゃったよ……
俺は改めてまざまざと女になった自分の身体を確かめ、起きた事態に顔を青ざめるばかりだった。
俺、女になっちゃったんだ。全く知らない女子に。いくら就職を望んだからと言っても、あの神父、俺を就職の決まった女子に変えてしまうなんてちょっと違うだろう。これから俺はこの女子になって生きていく? いったいどうするんだよ。
あまりに突然で思いもかけない出来事に、俺ははぁ~っとため息をつきながらスマホをベンチに置いていた黒いバッグにしまおうとした。だがバッグを開けてふと気がつく。
さっきまでこの子の持ち物だったのに、このバッグもバッグの中身も……これ、もう全部俺の物なんだよな。女の子のバッグって何が入っているんだろう。
そう思いながらバッグの中を探ってみると化粧品や財布に定期券、ハンカチといったものの中に免許証があった。そこには綺麗な女の子の写真がプリントされている。
これ、俺の免許証なんだ。この写真の女の子が今の俺の顔なんだ……こんな美人が俺。
バッグにはコンパクトも入っていた。開いて自分の顔を写してみると、免許証の写真と同じ美人の顔が写っていた。
表情を動かすと、鏡に映る美人も同じように顔を動かす。
ほんとに俺がこの美人なんだ。俺、男だったのに、まさか女になるなんて思ってもみなかったけど……うーん、こんなに美人ならまあそれもいいかもな。

「これからどうしよう」
頭がまだぼーっとしている。改めて自分のことを思い出そうとすると、自分の記憶以外の記憶が思い浮かんでくる。
「この記憶ってこの子の記憶? あたしの名前は、不渡早紀か……って「ふわたりさき?」なんて縁起でもない名前なんだ。いや、『ふわたり』じゃなくて『ふわたし』か。生年月日は……同い年じゃないか」
自分の名前を思い浮かべようとすると、漢字の名前と同時に「ふわたしさき」という読み方が思い浮かんでくる。大学は違うけれど俺と同じ大学4年生で、今日までリクルートスーツを着て就職活動の毎日だったいうわけだ。
そして俺が知るはずのない住居の場所や田舎の実家のこと、生い立ちとかが段々と思い出されてくる。
「両親は二人とも八王子で医者。裕福な実家から離れて都心のマンションで一人暮らしの大学生活。妹がいるのか、妹は港区の全寮制の私立の女子校生か。それから……え? 付き合っている恋人がいるって? げげっ」
俺が成り代わった不渡早紀には、大学の1年先輩で去年一足先に就職した付き合っている男がいるらしい。で、しょっちゅう早紀のマンションに遊びに来ている? 来るたびにエッチしていて昨日もえっちした?
記憶をたどっていくと、男に抱かれていた記憶が次々と思い出されてくる。
男に口づけされて、全身愛撫されて胸を揉まれて、それから自分で股を開いて、覆いかぶさってきた男のナニを入れられて、嬉々として腕を回して……げげげ、なんだこの記憶は。
挿入され突かれた感覚も股間に蘇ってきた。思い出すにつれて股の間がきゅんと締まる。俺は思わずガニ股気味だった両足を閉じてしまった。
「今日も来るの? 男とエッチなんていやだな。……でも帰るしかないのか」
俺は仕方なしに立ち上がると、記憶をたどって彼女のマンションに向かった。


マンションの入り口に立って少し躊躇する。
両親とも医者なだけあって、そこは俺の学生専用アパートに比べてはるかに立派なマンションだった。
「いいのかな、いいんだよな、ここが今のあたしの家なんだよね」
(ここが今の俺の家でいいんだよな)と言おうとしたが、声に出してみるとかわいい声相応の女性の言葉として出てくる。
マンションの中に入ると守衛が愛想よく「お帰りなさい」と声をかける。
俺もいつもの早紀のように軽く会釈して「こんにちは」と返した。
守衛が嬉しそうに笑っている。

記憶に従ってエレベーターに乗って24階まで上がる。当たり前のように通路を歩き、「不渡」と書かれた部屋の前に立ってバッグから出したカギでドアを開けると、恐る恐る中に入った。
部屋の中は元の俺の部屋と違って広く、そしてきちんと整頓されていた。
少しいい匂いが部屋の中に漂っている。
「良い部屋ね」
奥のリビングに足を進めると、壁には大きな姿見が掛けられていた。
そこに今の俺の全身が映し出されている。
それはリクルートスーツを着た美女の姿だった。
「はぁ~、これあたしなんだ」

tamashii_hyoui_jpeg01.jpg




まじまじと自分の姿を見つめていると、無意識に右手がお尻に伸びる。
「やわらか~い」
お尻を撫でているとむらむらとしてくる。
俺は鏡の反対側に置かれたリビングのソファーに大股開いてどかっと座った。
鏡には初々しいリクルートスーツを着た美女が、あられもない恰好で座っているのが映し出されていた。
タイトスカートの中のベージュのパンティが丸見えだった。
この美女が俺で、そのパンティは今俺自身がはいている。鏡を凝視しながらそれに気がついて、ドキドキしてきた。
パンティに包まれた股間、それはさっきまでの童貞暮らしだった俺には決して見ることのできなかった秘密の場所だ。

「これ、あたしがはいているんだ」
声を出すと、やっぱり女性そのもののソプラノボイス。
この声を出しているのって俺なんだよな。
いかにも女の子といったその声が自分の声なんだと思うと、それだけで興奮してくる。
興奮してきた俺はタイトスカートをたくし上げて、のっぺりとしたそこに手を伸ばす。今までの俺にあった一物はそこにはない。
パンティ越しに盛り上がりのないそこを触ると奇妙な感覚だった。

女はここを触られると気持ち良いって言うけど、本当に気持ち良いんだろうか。
男だった俺には、もちろんわからない。ネットにはいろいろ書かれているけれど、俺自身は童貞だったので本当のところどうなのかもわからなかった。だが不渡早紀のオナニーの記憶が俺の中にあった。
パンティを撫でながらその記憶をたどると、パンティの中を自分の指でいじった記憶だけでなく恋人に挿入された記憶が……いやいやそれは止め止め。
オナニーの記憶を思い出そうとしたら、再び男とのえっちの記憶までもよみがえってきそうになって、俺は慌てて思い出すのをやめた。
女の子のひとりエッチ、記憶の中のそれは俺が今まで想像していたほど敏感ってわけではなさそうだが、確かに男だった俺の知らない『気持ちいい!』という記憶があった。

試してみるか。
早紀の記憶に従ってパンティストッキングの中に右手を突っ込み、そしてパンティの中にゆっくり手を入れてみる。そして陰毛の間をかき分けるように指を伸ばしていった。
「あ……う……」
それは確かに男と全く違う感触だった、いやこの身体はよく知っている感覚なのかもしれないが、そこにある手で握れるはずのアレが無く、代わりにあるのは指先がふにっと潜り込む縦長の溝。ふにふにと柔らかい襞で閉じたソコに指先を少し入れ、そして突起を刺激する。
「あ、ああ、ああん」
何度もさすっていると突起が膨らみ固くなってくる。
じわりと襞の奥から湿り気を帯びてくるのがわかる。
続けていると、じわじわと快感が沸き上がって心地良かった。
鏡の中でリクルートスーツ姿で大股を広げ、右手をパンティの中に突っ込んでいるというあられもない恰好の女の子が、悩ましい表情をこちらに向けて悶えていた。
俺の動きと同じように動くその女子は間違いなく俺自身の姿だった。
今までの人生の中で決して見ることのできなかった同学年の女子の悩ましい痴態、それもとびきりの美人の痴態を見ているとさらに興奮してくる。
股間の突起をさする指がもう止められなかった。
刺激された突起が膨らんでいくと、さらにそこから快感がこみ上げてくる。
指の動きが激しくなる。
「あ、ああん、もうだめえ」
一気にナニを噴出させる男のアレとは違っていたものの、自分の中の快感は高みまで上り続け、弾け、そして俺はそこで果ててしまった。


「さてと、早紀の記憶だと合格した会社への初出社までにまだ何日かあるのよね。これからどうしようかな」
ソファーに倒れ込んではぁはぁと粗い息をしていると、自分の膨らんだ胸が上下しているのがわかる。
だがそれがようやく落ち着いてくると、俺はソファーから起き上がってさらに彼女の記憶を呼び覚ましてみた。
「そっか、さっきは恋人に合格を知らせるメールをしていたんだ。あれ? 恋人って、この顔どこかで……山元? これ山元じゃないの」
早紀がメールを送っていた相手だった恋人の顔と名前を思い出してみると、それは俺が高校時代に部活でさんざんいじめらていた1年先輩の山元大樹だった。山元が中心のいじめグループにはパシリをさせられ、金を巻き上げられる絶望の毎日だったのだ。奴が卒業したのを機に俺へのグループのいじめは終わり、俺も奴とは違う大学に進学したのでその後会うこともなくほっとしていたんだ。まさか奴が俺の志望会社に就職していたなんて。

早紀はどうやら山元と同じ大学に進学して、部活で出会った奴とつき合い始めたらしい。
で、恋人になった山元と同じ会社に就職したいというのが、この会社を第一志望にした理由だぁ!?
そりゃ、俺もあの会社が第一志望だったけど、俺は本当にあそこで自分の力を試したかったんだ。何だ、この早紀の志望動機は。まあ早紀が合格したのはともかく、まさか奴がいるなんて。
山元との恋人関係がどうだったのかもう少し記憶をたどってみる。するとさっきの記憶の中で俺が挿入されていた相手は奴だということがわかった。しかも……。
「げげっ、ここでしているエッチって、来るたびにエスカレートしているの!?」
後ろから、前から、そして俺、いや早紀が山元の上にまたがって……何度となく繰り返した奴とエッチした記憶が、そこで味わった快感が蘇ってくる。
俺に男に挿れられる趣味はない。ましてや現在恋人同士の相手があいつだなんて……何の因果なんだ。
散々いじめられた、憎々しいあいつがこの女体に快感を与えてくれていた彼氏って、どうするんだ、これ。
俺はスマホをぽんぽんと放り上げて、はぁ~っとため息をついた。
さっきのメールの返事はまだ来てないけど、今夜、奴は来るんだろうか?
来たらどうしようか、そう思い巡らしていると、その時ドアホンが鳴った。

「げ、ま、まさか、もう来た?」
恐る恐るドアホンのディスプレイを確かめると、映っているのは女子校生だった。この顔はっ……そうだ、早紀の妹だ。
「早紀姉~、遊びに来たよ~」
ドアの向こうからかわいい女の子の声がする。
「この声……妹……名前は夕紀か、良かった。いきなりここに奴が現れても、まだ心の準備が……」
来たのは山元ではなく早紀の妹だった。でも奴のメールの返信に仕事が終わったら来るって書かれていた記憶が残っている。てことは、奴が夜には来る可能性が高いってことだよな。そして、もし来たらその後は……。
腰の奥で膣がきゅっと締まる感覚を感じた。
くそう、さんざんいじめられたあいつに今度は犯されるなんてあの神父、とんでもないことしやがって。
いくら気持ち良いってわかっていても、あいつとエッチなんかしたくないぞ。何とかできないのか?
悶々した思いを抱きながら立ち上がった俺は、乱れたスーツを直して玄関ドアに向かった。
その時、ふと神父にもらった白い手袋のことを思い出す。あの手袋はバッグに入れたままだった。
あの神父はあの時あの手袋をつけて俺と早紀の魂を抜き出したんだよな。そして俺の魂を早紀の魂と入れ替えて、いや違う、俺の魂を早紀の魂にしてしまったんだよな。
あの手袋を使えば他人の魂の出し入れができるのか……
「そうだ」
俺はあることを思いついて、内心ニヤニヤしながらドアを開けた。


「いらっしゃい、夕紀」
俺はドアを開けてセーラー服姿の妹の夕紀を招き入れた。彼女が着ていたのは俺が大学時代につきあってみたいと憧れていた都内の有名女子校の制服だった。
「突然ごねんね、早紀姉」
「こんな時間にどうしたの? 学校は?」
「ちょっと嫌なことがあって、ふけてきちゃった。ね、今日は泊めて」
お嬢様学校だろうに口が悪いな。内心そう思いながらも俺は会話を続けた。
「だめじゃない、あなた寮の門限があるでしょう」
「それはそうなんだけど、お願い! 早紀姉」
そう言って夕紀はかわいい仕草で両手を合わせる。
「もう、仕方ないわね。わかったわ、ゆっくりしてらっしゃい。でも明日はきちんと学校に行くのよ」
「ありがと、早紀姉」
夕紀は話している相手が姉ではなく別人、それも男が自分の姉に成り代わっていることにまるで気がついていないようだ。
一方の俺は、早紀の記憶に従って早紀が話すような言葉と仕草で会話していたのだが、目の前の妹と会話を続けていると早紀の記憶がどんどん自分のものとして馴染んでいくのがわかった。
いくつかの会話を重ねているうちに、俺はごく自然に早紀としてふるまえるようになっていた。

「今日は早紀姉の彼氏さんは来るの?」
「うーん、どうなのかな」
「ま、いっか」
多分仕事の終わった後、奴はここに来るだろう。就職が決まった恋人を祝うために。中身が俺になっているとも知らずに。
だが夕紀はそれ以上山元への関心を見せずに、セーラー服のままベッドに寝そべるとLINEを打ち始めた。
まあ身内というか、あたしと夕紀は何気兼ねなく生きてきた姉と妹なのよ。
早紀の記憶がそう言っていた。
だが俺にとっては、こちらに何の警戒心を見せずに女子校生、それも憧れの制服を着た女の子がこちらにパンツを見せて寝そべっているのを見せつけられているのだ。
スカートの奥の彼女の股間が丸見えになっているをの見ていると、男としての俺の心がむらむらとしてくる。
やるか。
俺はバッグから手袋を出して両手につけると、スマホを持つ夕紀の手を掴んだ。
「え? なあに? 早紀姉」
手を掴まれて夕紀は振り返ろうとしたが、その動きが止まる。そして彼女の中から裸の夕紀が、彼女の魂が俺の手で引っ張り出された。
「成功だ、俺でもできるんだ」

夕紀の魂はキョロキョロを部屋を見まわしているが、ベッドに寝そべったままの自分の身体を見て驚いているようだ。
「え? これ、どうして? 何が起きたの、早紀姉?」
手袋の効果なのだろうか、幽体の声がはっきりと聞こえる。だが俺は彼女の問いに答えずに、彼女の胸の間に手を当てておろしていった。すると手を動かした後に裂け目ができて、中から光の人型が抜け出てきた。同時に夕紀の幽体はそのまま動かなくなってしまった。光る人型は光の珠に変わると、そのままふわふわとその場に浮かんでいた。俺はその珠をつかむとバッグの中に入れた。
「これで夕紀の身体から幽体を、幽体から霊体を分離できたわけね」
ベッドに寝そべったまま動かない制服姿の夕紀、そして裸のまま立っているぼんやりした幽体の夕紀。
二つの夕紀の姿を見比べていると、神父の言っていた通り何となく手袋の使い方がわかってくる。
俺はさっき思いついたことを試してみることにした。

まず自分の左腕を右手でつかんでぐいと引っ張ってみた。
すると俺の幽体が早紀の身体から抜き出されてしまった。
早紀の身体から抜き出された俺の姿は裸の早紀の姿。魂の姿までも早紀の姿になった俺の姿だった。
不思議なことに、手にはめた白い手袋は身体ではなく幽体になった俺の手にはめられていた。いや、持ち帰る間に汚れてしまったのか、手袋は幾分灰色がかって見えた。
「幽体になって夕紀の身体に入ったら、どうなるのかしら?」
俺はベッドに寝そべっている夕紀の身体に早紀の姿になった俺の幽体を重ねてみた。
俺の体が夕紀の中に吸い込まれていくのを感じた次の瞬間、俺はベッドに寝そべってスマホを見ていた。

「へぇ~?」
俺は早紀の妹、セーラー服を着た女子校生の夕紀になっていた。
身体から抜き出した夕紀の幽体を見ると、傍らに立ったままだった。
これって……早紀の幽体になった俺が夕紀に憑依したということになるのか。
次に俺は、動かない夕紀の幽体を早紀の身体に押し込んでみた。
とたんに早紀の身体がパチッと目覚める。
「あ、あれ? 夕紀」
「こんにちは、早紀姉」
「あたし、何かおかしい……あたし、誰だったっけ」
「何言ってるのよ、あたしの姉貴、早紀姉でしょう」
「そうだったかしら。何か記憶がおかしな感じで……あたしって早紀姉だったっけ、違うような気がするんだけど」
「もういいかげんにしてよ、早紀姉」
「はい、わかりました」
「え?」
「あれ? 何かあなたの言う事はなんでも聞かないといけないような……あれ? どうしてだろう」
ふーん、どうやら誰かの幽体を入れてやると身体は動けるようになるらしいけど、霊体の無い空っぽの幽体だと言いなりってわけか。そうか、これって身体の記憶で動いているだけで、自分が無いってことだよな。
よし、試してみるか。

「早紀姉、そこに四つん這いになってみて」
俺は思いついたように、早紀の身体に命令してみた。
「はい」
普通ならそんな命令に従う人間はいない。だが早紀の身体は俺の言うままに床に四つん這いになってしまった。
「次はどうすればいいの? 夕紀」
「そうね、あたしにキスしてみて。早紀姉が彼氏さんにするみたいにね」
「はい」
俺が四つん這いの早紀に近寄って目の前でしゃがみ込むと、早紀は俺に抱きついてきた。抱きつかれた俺が体勢を崩して寝転がされてしまうと、早紀は俺の上から覆いかぶさってキスしてきた。そして口の中に舌を入れてくる。
強烈な快感が身体を駆け巡った。
どうやら、夕紀はキスの経験もなかったらしい。ドキドキして胸がはぁはぁと高まる。
「ねえ、もっとして。彼氏さんと同じようにあたしとエッチしてみて」
「はい」
早紀は俺の舌に自分の舌を絡めて口の中で動かす。
あ、ああ、ぞくぞくする。
早紀はしばらくキスを続けると、口を離した。
「はぁ、はぁ、はぁ、早紀姉、も、もっと、もっとして、もっと彼氏さんとしていることを、して」
「はい」
早紀は俺の履いているプリーツスカートをまくり上げると、俺のはいているレモン色のストライプ柄のショーツに手を入れた。
「な……い」
早紀の手が何かを探すようにショーツの中を動き回っていた。
「おちん〇んがない」
「そんなのないわよ」
彼氏のおちん〇んを探している? ほんとに記憶のまま、俺の言うがままなんだな。
「うーん、じゃあもう一度キスして、そして自分が気持ちいいこと、オナニーしてたことをあたしにもしてみて」
「はい」
俺の言葉を聞くと、早紀の身体は顔を近づけて俺の唇に自分の唇を重ねてきた。そしてもう一度舌を入れてくる。
舌が俺の舌に触ると、再びぞくぞくっとした感触が全身を駆け巡る。
この暖かくて柔らかい舌の感触、ああん、ぐにゅぐにゅと俺の舌に絡みついてきて……いい。

tamashii_hyoui_jpeg02.gif




ショーツの中でまさぐっていた指は、今度は一点に集中してきた。ショーツの奥の真ん中にある溝、その襞の中に割って入ってくる。それも優しく、そして滑らかな手つきで。
早紀は俺の股間をまさぐりがら、もう一方の手をセーラー服の上着の下から中に入れると、ブラジャーをめくりあげて胸をゆっくりとやさしく撫で始めた。そして乳首を指先で転がす。
左手で股間を、右手で胸をゆっくりと撫でられ、そして口は彼女の口で塞がれていた。
「ん~ん~」
全身が快感で震える。思わず早紀を跳ねのけようとするが、彼女は俺の上に覆いかぶさったままひたすら俺の、夕紀の全身を愛撫し続けた。やがて体の芯からキスした時の快感とはまた別の感情が沸き上がってくる。
じわっと身体の奥から何か溢れてショーツを濡らしているのを感じる。
「ああ、これ、とってもきもち良い」
言葉が見つからない。……これって女子校生のボキャブラリーしかないから? いや、そんなこともうどうでも……いい。

俺は自分の、夕紀の身体を早紀に翻弄され続けた。
セーラー服の上着もプリーツスカートも巧みに脱がされ、下着だけの姿でベッドに寝かされると、早紀よりも小ぶりな胸を包むブラジャーも脱がされてしまった。そして最後に濡れてしまったショーツも脱がされる。
「早紀姉も脱いで。一緒に気持ちよくなりたいの」
「はい」
俺の言葉に従って、早紀は着ていたリクルートスーツを脱ぐと下着だけの姿になった。
「夕紀、もっと気持ちよくしてあげるね」
むき出しになった乳首を再び優しく撫でられる。何度も何度も。そして口に含んで吸い始める。
「はぅぅ……なに、これ」
これが愛撫されるってことか……
「ほら夕紀、脚をゆっくりと開いて」
俺は早紀の言葉の言うがままに脚を左右に開いた。
その中心部はすでに奥から湧き上がってきたモノでヌラヌラと濡れていた。
ベッドに四肢を投げ出したまま、はぁはぁと息を荒くする。
俺は意識を朦朧とさせながらも、半ば興味津々で早紀が何を始めるのかを待った。
すると、早紀はベッドから降りてサイドボードからあるものを取り出した。

「ちょ、ちょっと、それ」
大人のおもちゃだった。男のそそり立つモノそっくりに形作られた太くて長い……。
「通販で買ったの。あたしがオナニーしたいときに使ってるのよ。夕紀もこれで気持ちよくしてあ・げ・る」
アレを突っ込まれるのはさすがに……。俺は起き上がろうとするが、早紀は構わずにそれを俺の開いた股間に押し付けてきた。
濡れて口を開けた股間に、それは先端からズズズっと入っていく。
「いや、もういいから、や、やめ、あひぃ」
「だーめ、あなたの命令でしょ」
「あ、だめ、あ、入って……く……る、いや」
オモチャは股間の中にゆっくりと沈み込んでいく。そして奥まで入ると早紀がスイッチを入れたのjか、中でウィンウィンと動き始めた。
「あ、あひぃ、やめ、やめてぇ」
「だめよ、これからもっと気持ちよくなれるから、最初は我慢するの」
だめ、たまらない。俺は手を股間に伸ばした。だがそれより先に早紀はオモチャを抜き出す。
だがほっとしたのもつかの間、再びぐーっと沈められるのを体中で感じる。
はじめは股間の内側に異物を無理やり押し込められる感覚があったものの、二度目に体の奥に入ったオモチャが再び動き始めると、体がビクッと震えた。
「ああん、なにこれ、いい……何か、くる」
「気持ちいいでしょう、あなたの身体が受け入れ始めているの。でも、もっとよ」
オモチャの動きが早くなる。
そして、胸と股間の愛撫も再開された。
「ああ、だめ、ああん、もうやめて、イク」
「ヤ・メ・ナイ」
「だめ、もう……だめぇぇぇぇ」
全身を快感に苛まれ、俺は果てた。


「はぁ、はぁ、は、あ、あは、あはは、あははは」
「どうしたの? 夕紀、急に笑い出して」
「ん? なんでもないよ」
ふふふ、何か変な感じだ。さっきまで男だった俺が巨乳美人の早紀になって、今度はその妹の女子校生夕紀の身体になって姉にレズエッチさせられて、しかも相手の早紀姉は俺の言うがままか。
「夕紀、シャワー浴びる?」
「え? う、うん。早紀姉も服を着てね」
「はい」
俺は夕紀の身体でシャワーを浴びた。
女子高生の瑞々しい肌がシャワーの湯をはじく。
「これが俺の身体なのか」
早紀より胸は小さいけれど、肌の張りが違う。これが女子校生の身体なんだな。

バスタオルを身体に巻いてバスルームから出ると、早紀は部屋着に着替えていた。だがそれだけではなかった。
部屋の中に男がいた。山元だった。
くそう、こいつもう来たのか。
「あれ? 夕紀ちゃん来てたんだ」
バスルームから出てきた俺に、山元はうろたえている。
まあ、こんなかわいい乙女がこんな格好で現れたら驚くか。さて、こいつをどうしてやろうか。
復讐心を心の中に湧き上がらせつつも、俺は夕紀そのままに山元に答えた。
「あ、あら、早紀姉の彼氏さん? えっと、山元のお兄さんだっけ、いらっしゃい」
夕紀の身体で早紀とレズエッチして、シャワーを浴びて、夕紀の身体の隅々まで感じているうちに、夕紀の記憶も仕草も俺のモノになっていた。
「そんな恰好で出てこられても目のやり場に困るな。早く何か着てきてよ」
「うん、ちょっと待ってて」
俺は恥ずかしそうな仕草でソファーの上に脱ぎ捨てていた下着とセーラー服と拾い上げると、バスルームに戻った。
「さて、あいつをどうしてやろうか……そうだ」
黄色のショーツをはき、ブラをつけ、その上からセーラー服を着ると、俺はリビングに戻った。

リビングに入ると、山元がおろおろとしながら俺に寄ってきた。
「夕紀ちゃん、早紀の様子がちょっとおかしいんだけど、どうしたんだろう」
「早紀姉って今日、第一志望の会社から合格通知をもらったんだって。嬉しくてぼーっとしているみたい。山元さんと一緒に働けるって言ってたよ」
「そうか、そうだったんだ」
山元は頬を緩ませてにやけている。この野郎、今に見てろ。
「おい、早紀、しっかりしろよ。4月からは俺と一緒に働けるんだぞ、おい早紀」
山元が早紀の肩をゆする。だが、視線の定まらない早紀はソファーに座ったままだった。
誰の命令でも聞くというわけではないのか。今の早紀は俺の命令がないと何もできないらしいな。
俺は早紀の両肩を掴んでゆさぶっている山元の後ろから近づくと、ゆさぶっている山元と早紀の手を掴んで、えいやっと引っ張った。
とたんに、山元の身体から山元の幽体が、早紀の身体から夕紀の幽体が抜き出される。二人の幽体は勿論裸だった。夕紀の裸はともかく、山元の裸というのはあまり見たくない。

「え? なんだ、何が起きて? え、裸? 夕紀ちゃん、俺どうしたんだ?」
「へへっ、ちょっと待ってて、山元のお兄さん」
驚く山元の幽体を俺は早紀の身体に押し込んでしまった。
そして山元の身体には霊体の入ってないままの夕紀の幽体を押し込めてしまう。

「え? 今、何が起きて……あたしは、あれ」
意識を取り戻した早紀がそう言いながら、しきりに咳をする。
「声、声がおかしい」
「どうしたの? 早紀姉」
「早紀姉? 違う、あたしは山元よ、夕紀ちゃん。あれ? 何これ、声が、言葉が変」
早紀になった山元はしきりに首をかしげている。これは面白いぞ。
「何言ってるのよ、早紀姉は早紀姉でしょう、その胸のどこが山元よ、あなたはあたしの早紀姉でしょう」
「違うの、夕紀ちゃん、あたしは早紀じゃなくって、はうっ」
うろたえて、早紀になった自分の身体を撫でまわす山元。だが、胸の巨乳を手で持ち上げると顔を青ざめさせて固まってしまった。
美人の早紀姉、でも今その中に入っているのはにっくき山元本人。
俺は早紀の妹の振りをしたまま、奴が奴の身体に犯されるのをここで眺めていてやる。

「ふふふ、早紀姉って山元さんが来たら必ずエッチするんだったよね。今日はあたしが見ていてあげるね」
「え? 夕紀ちゃん、何を言って……」
「さあ、山元のお兄さん、いつものように早紀姉とえっちしちゃいなさい」
「はい、えっちします。さ、早紀」
山元の身体は俺の言葉に促されるままに着ていたスーツを脱ぎ始めた。
霊体を無くした夕紀の幽体を押し込めた山元の身体は、さっきの早紀と同様、俺の言うなりらしい。
ズボンとトランクスをおろすと、イチモツはだらんと垂れ下がっている。だが見るからに長い。巨根だった。
くそう、俺のより立派じゃないか。
山元の身体は服を脱ぐと、今度は早紀の服を脱がせ始めた。
戸惑う早紀になった山元は成すすべなく着ている服を、そして下着を脱がされていく。
「や、やめ、やめて」
「ふふふ、今のあなたは早紀姉なのよ、お姉の身体を楽しんでみたら?」
「え? 今なんて……だって、だめだ、そんな、やめて、いや、やめ……うぷっ」
山元の身体に強引にキスされてビクッと早紀の身体がのけぞる。その胸を、わき腹を、首筋を山元の身体が舐め始める。山元の身体も興奮しているのか、股間の大きなモノがみるみるそそり立っていくのがわかった。
「ふふっ、早紀姉かわいい。さあ、山元さん、早紀姉も準備できたみたいよ。あなたのソレで犯しちゃいなさい」
「いや、違う、あたしがあたしで、違う違う、山元大樹はあたしよ」
「なに訳わからないこと言ってるの、早紀姉。山元のお兄さん、早くその太いのを早紀姉のアソコに突っ込んで犯してあげて」
「はい、犯します」
「や、やめて~」
山元の身体は早紀を抱きかかえてベッドに放り出すと、馬乗りになって愛撫しようとする。早紀はその山元の身体から四つん這いでベッドから逃げ出そうとした。だが山元の身体は早紀の身体を離さない。がちっと両手で腰を掴むと後ろから自分の巨根を挿入し始めた。
「い、いやあ」

それから二人の行為は延々と続いた。
キスされ、体じゅうを愛撫され、そして股間に巨根を挿入されて、中出しされては抜かれ、そして態勢を変えてさらに突かれ続ける。成すすべなくそれを受け入れる早紀。
その眼には涙を浮かべている。
それは屈辱の涙か、歓喜の涙か、それとも両方なんだろうか。
早紀の身体で犯されることを最初は嫌がり、逃れようとしていた山元だったが、早紀として延々と犯されているうちに段々と早紀身体の快感に馴染んでいったらしい。途中からは自分から元の自分の巨根を求め、しゃぶり始めるようになっていた。
俺はそれをソファーの上から頬杖をついて楽しそうに見ていたが、ふと自分の股間、履いているパンティが湿っているのに気がついた。
段々と早紀の身体が歓喜の表情を見せ始めるのを見て、俺の夕紀の身体もむらむらしているらしかった。
いつのまにか自分の息がはぁはぁと荒くなっていたのに気がついた。
俺もアレを味わってみようかな。
早紀の身体になって涙を流して犯されている山元への復讐心は消え、歓喜の表情で自分についていたモノを受け入れ始めた早紀の姿に、俺の中であの大きなモノを挿れてみたいという欲望のほうが膨らんでいた。
俺はソファーから立ち上がって服を脱ぎ捨てると、早紀がレズエッチの時にしまっていた引き出しから大人のおもちゃを取り出した。そしてオモチャを手に二人の間に入ると山元の身体に抱きついた。

「早紀姉、あたしもエッチしたくなっちゃった、いいよね」
「良いって、そんなことあたしに、ああん、そんなことどうでも……あん、もうだめえ。早く、もう一度お願い」
メスの快感に染まった山元が山元の脚に抱きついて懇願する。
「早紀姉、早紀姉にはあたしが挿れてあげる」
俺は大人のおもちゃを一度しゃぶって早紀の股間にぐっと押し込んだ。
さっきから何度も突かれて愛液が溢れている早紀の股間は難なくそれを受け入れていった。
「あひぃ!」
ウィンウィンと動き出すソレに、早紀は再び身体をビクンビクンと震わせる。
「ねえ、山元さん、あたしのここにもソレをちょうだい」
俺はオモチャを持つ手を動かしながら早紀をよがらせる一方で、自分の尻を山元の身体に向ける。
山元の身体はそれに呼応して、今度は俺の腰を掴むと、ぐいっといきり立つモノを股間に挿れてきた。
二人の行為を見ていて濡れてきていた俺の股間の中に、痛みも無くそれはぐいぐい侵入してくる。
「あふっ、いやん、入って、挿ってくるぅ」
自分の中に熱い異物が入って、そして内側から暴れ始める。
男に犯されるなんて嫌だと思ったのに、その瞬間、俺の中で何かが弾けた。
「これって熱くて、硬いのにこの感触……柔らかくて、ニュルニュルで、ああん、気持ちいい、あ、あん、これ、いい」
バックから何度も突かれる。パンパンと俺の尻に山元の身体が当たる音が部屋に響く。山元が俺の身体の向きを後ろ向きからお互い向かい合うように変える。俺をじっと見つめる山元の顔を見ると気恥ずかしくなってくる。山元の身体は両手で俺の両脚を開くと、再び奥にぐいっとそのイチモツ突っ込んでくる。俺も山元に抱きついて腰をさらに押し付け深く咥え込もうとした。
「もっともっと奥に、ひぃ、あ、あたるぅ」
一方の早紀の身体の山元は膣内でウィンウィンと動くオモチャを自分で持ちながら、前後に動かし続けてていた。
「ああ、いや、こんな、だめ、もう……いく、ああああ」
「あ、いい、、いくう、もう、ダメ、ああん、だ、だめええええ」
早紀の身体の山元が果ててしまう。そして俺も夕紀の身体で果ててしまった。


気がつくと、早紀の身体はまだぐったりと気絶したままだった。
俺はぐったり動かないその身体から山元の幽体を抜き出した。早紀の身体から解放されて意識を取り戻した山元の幽体はあたふたと俺に何かを訴えようとするが、俺は有無を言わせずその幽体から霊体を抜き取った。途端に山元の幽体はぼーっと動かなくなる。
そして山元の身体に入れていた夕紀の幽体を抜き出すと、山元の幽体を本来の身体に戻してやった。

「これでこいつはあたしの言うなりだよね。ふふっ、会社に入ったら会社でもプライベートでもこき使ってやる。これからお前はあたしに、恋人でもある新入女子社員にこき使われるんだゾ。さあ、起きなさい」
「あれ、俺、今までどうして……」
「今日はもう帰っていいよ。山元のお兄さん、またね」
「は、はい」
山元は服を着るとふらふらと帰っていった。

「さてと、次は妹のほうか」
俺は自分の幽体を夕紀の身体から抜き出した。夕紀の身体から出た俺の幽体の姿はもちろん早紀の姿だ。だが手につけていた白い手袋はさっき見た時よりも黒ずんで手にぴたりと密着していた。
「真っ白だったのにもう汚れちゃったよ。ま、いっか」
幽体になった俺は自分の身体に……早紀の身体の中に戻ると俺が抜け出た夕紀の身体に、霊体の無くなった夕紀の幽体を戻してやった。
やがて夕紀が眼を覚ます。

「夕紀、なんか今日は疲れちゃったね」
「う、うん」
「あなた、門限前に寮に帰りなさい」
「わ、わかった、早紀姉」
「今日は泊めて」とやって来た夕紀は、俺の言葉を聞くと素直に帰っていった。

夕紀を寮に帰して一人になると、俺は早紀が持っている衣装の一つ一つを思い出してみる。
「うん、これにしてしようかな」
思い浮かんだ衣装のひとつ、彼女のワンピース水着をクローゼットから取り出すと俺は服を抜いでその水着に脚を通して着込んだ。水着が身体に密着する。そして鏡には水着を着た俺が、早紀が映っていた。
俺は鏡を見ながらいろんなポーズをとった。
手を頭の後ろに組んで胸を強調するポーズをとってみたり、お尻を突き出して「挿れて」と挑発するようなポーズをとる。
今まで見たことのない美女のあられもない姿だ。
俺は鏡に映るそんな自分の姿に興奮し、密着している股間のすそをめくって中に指を入れ、再びオナニーにふける。
グラビアアイドルのようなこの女の子が俺で、そしてこんな格好を俺に見せつけているなんて……あ、あん。
目で堪能し、そして股間の快感を楽しむ。まさに一挙両得。
「この手袋の力ってほんとに面白い。就職した後もいろいろ楽しめそうね。あの神父、ほんとに良いものをくれた」
「シュのミチカラ、デ~ス」
え?
部屋の中に他人の気配がする。
「誰!?」
オナニーの手を止めて部屋の中を見回す。
部屋の入り口近くに、手袋をくれたあの神父が立っていた。

「タノシめ、マシタか?」
にこにこと笑いながら神父が尋ねる。
どうして神父がこんなところにいるんだ!? 
驚いた俺はワンピース水着姿のまま慌てて立ち上がった。
神父は俺の姿には興味ないらしい。にこにこと目を開いているのかいないのかわからないようなその細い目で俺を見ている。
「え? あ、まあ」
「コレからも、ドウゾ、アタラしいジンセイを、タノシんでくだサ~イ」
「は、はあ」
「オドロカセタよう、デスネ。ワタシはソレを、イタダキに、キマシタ」
神父が右手をクイっと動かすと、俺がバッグに入れていた二つの光の珠、夕紀の霊体と山元の霊体がふわふわと抜け出てくると、神父に寄ってきた。それを神父は手中に収めると、自分の黒い鞄に入れた。
「あ、それは……」
「コレハ、ミチカラの、シヨウリョウのようなモノデ~ス。デハまたオジャマシマス、フワタシサキさん」
「ちょ、ちょっと待って」
ドアの前からぼんやりと消えていく神父を追いかけようと、俺は早紀の身体から抜け出して幽体になった。
気がつくと、お尻に短い黒い尻尾が生えていた。
「え? なに!? この尻尾」
「テブクロをツカウと、スコシずつ、ワタシタチとオナジスガタに、カワッてイクのデ~ス。ツギのタマを、オマチシテマ~ス」
そう言い残して、神父は消えた。
「な、なにあいつ、人間じゃないの? ましてや神父でもない。まさか本物の……」
言いかけて俺は言葉を飲み込んだ。
それにしても、このまま手袋を使い続けると、神父と同じ姿になる? どういうことだ?
一抹の不安を覚えつつも、手袋の力を使い始めてその面白さを一度覚えた俺は、その後も幽体になったり他人の幽体を取り出しては他人の身体に入って遊び続けた。


4月になると、俺は志望していた会社に無事入社した。元の俺、神尾信二としてではなく新入女子社員……不渡早紀としてだが、それもまあ悪くない。女子社員の制服着て腰を振りながら社内を歩くと男性社員が振り返る。俺のスタイルと美貌はたちまち社内で評判になった。
モデル並みの美女が入社したということで先輩男性社員や上司にかわいがられる日々。男心を知り尽くしている俺の受け答えがテキパキとしている事、さらには山元の献身的なフォローもあって俺の社内での評判はうなぎ上りだった。
だがその裏で俺はこれはと思った女子社員の幽体を取り出し、その身体に憑依しては夜の街で男を誘っては遊びまわった。
それは変な噂を立てられることなく女性の快楽を楽しみ続けると共に、これからライバルになりそうなエリート女子社員に不特定の男と遊んでいるという噂を立てて蹴落す。そんな一石二鳥の企みだった。

入社した後、自分が会社に入りたかった動機も忘れて、そんな風に手袋の力を使う日々が続いた。
一度知った快楽の味は忘れらない。俺の行動はエスカレートするばかりだった。
会社の中で不渡早紀は美貌の優等生と評価を上げていったが、その一方で何人もの女子社員が街での娼婦まがいの行為がばれて辞めていった。それも美人で仕事もできると評判の子ばかりだった。
だが、俺は女子社員の幽体や霊体を取り出すたびに手袋が黒ずんでいくことを、お尻の尻尾が徐々に長く伸びていく意味を深刻に考えることはなかった。

さて、今日は秘書室のあの娘になって遊んでやるか。彼女の評判を落として、代わりに俺が秘書グループの一員になる。そしていつかこの会社の社長の霊体を……。
狙いをつけたのは秘書の中でも品行方正で評判の清楚な子だ。だが俺が彼女の中身になったら……ふふっ、どれだけ言い寄る男がいるか楽しみだぜ。
俺はいつものように幽体になって早紀の身体を抜け出た。幽体になった俺の尻には真っ黒く長い尻尾が生えていた。それは悪魔の尻尾そっくりだった。真っ白だった手袋もいつのまにか漆黒に変わり、幽体の手と一体化していた。
黒い手、そして黒い尻尾が生えた裸の不渡早紀の幽体。それが今の俺の姿だったが、もうそんな自分の姿を見ても何の違和感も感じなくなっていた。

「何か変な姿になっちゃったけど、ま、人生楽しめるからいいよね」
狙いをつけた女子社員の身体を奪うために秘書室に向かう俺の頭に、手袋を手に入れた日の神父の言葉がふっと頭をよぎる。

「アナタは、アクマをシンジマスか?」

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(終わり)



[ 2020/12/13 18:00 ] 憑依モノ祭り(憑依ラヴァーver.) | TB(-) | CM(0)
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