作者:夢見夜七葉@偽りの星夜
作者コメント:このメンツに自分が混ざって大丈夫か?ってなってますが、自分なりにベスト憑依を尽くしたいと思います。
普通の高校生だった俺、死んだと思ったら好きな人の背後霊になっていました
作 夢見夜七葉
「大丈夫だよ、荷物持ってくれてありがとねぇ」
「いえいえ!これくらいお安い御用です!」
「何かお礼をしなくちゃねぇ、あ、この飴をあげよう」
「そんな、お礼なんて」
「若いんだから素直に受け取っておきなさいな。はい」
「あ、ありがとうございます」
俺の名前は武内優太(たけうちゆうた)。16歳、バスケ部に所属し、成績は中の下くらい、と言った感じの、いわゆる普通の高校生。特筆するべきことといえば、まず人助けが好きってこと。今もつい困っているおばあさんを見つけて、家まで送り届けてきたところだ。
「あ、この飴おいしい」
誰かを助けると、いいことをした、なんか自分にもいいことがありそうで、とても気分がいい。なんて考えているうちに、それは訪れた。
「あれ?武内くん?」
「青井さん!」
この人は青井未鈴(あおいみれい)さん。俺の中学校時代からの同級生で、現在はバスケ部のマネージャー。ふわふわとウェーブがかかった綺麗な黒髪、つぶらでキラキラした瞳、真っ白な肌の誰もが羨む美少女。
「確か、家こっちの方じゃないよね?」
「荷物を抱えてるおばあさんを手伝ってたんだよ、そういう青井さんは?」
「私は普通に家がこの辺だからだよ。それにしても武内くん、前から思ってたけど超優しいよね!」
「そ、そんなことないって!」
俺は、この人が好きだ。そしてこの好きって感情が、もうひとつの俺の普通じゃないところ。
端的に言うと、俺はこの人になりたい。憧れで言う、あの人みたいになりたいと言う願望とは違う。この人そのものになりたい。少しでも同じ存在に近づきたいと言う欲求、もしくは性癖。今通っている高校も、青井さんに近づくために猛勉強した結果なのだ。
「そういえばこうして話すのも久々な気がする。中学以来?」
「えっ、覚えててくれたの?」
マネージャーになってもあまり話していなかったから忘れられていたものとばかり思っていたが、案外そうではなかった。
「武内くんみたいな人なかなか忘れないって!あ、帰り道こっち?」
「うん」
「じゃあちょっと話しながら行かない?」
まさかまさかの嬉しいお誘いだった。やはり人助けをするといいことがあるみたいだ。
「え、本当に?俺でいいの?」
「いいよいいよぉ!どうせ暇だし」
しかし、青井さんの前だも緊張して何を喋っていいかわからない。
「そういえば武内くん、最近頑張ってるよね。先輩が抜けた分の穴を埋めようとしてるって感じ」
「ああ、そうじゃないと先輩たちに顔向けられないし!」
なんとか平常心を保ちつつ話していると、急に辺りがうるさくなった。青井さんのほうばかり見えていなかったが、近くが工事現場になっていた。
「これは、マンションでも作ってるのか?」
「そうみたいだね。だけど最近うるさくて全然寝れてないよぉ」
「そっか、この辺に住んでるのか。ってあれ!」
「え?」
突如、青井さんの真上、上空から落ちてくる物体。おそらく鉄柱。多分、ここで青井さんを突き飛ばさなければ助からない。多分俺は死ぬ。それでもいい。バスケで鍛えた反射神経と、俺の彼女への気持ちが出した結論がこれだ。
「青井さん!危ない!」
「きゃあ!」
全身が今まで味わったことのない重みを感じ、痛みすら感じる暇もなく、そのまま意識は途切れた。
気づいたら、俺は浮いていた。下を見ると、青井さんが泣いている。それだけではない。周りには俺の両親もいた。しかもみんな泣いている。
「みんなどうしたんだよ、何かあったのか?」
俺の声に誰も答えてくれない。
「こんなに若いうちに死ぬなんて、このバカ息子ぉ!」
「ごめんなさい、私がぼさっとしてたから……」
「謝らなくていいのよ未鈴ちゃん。きっと優太は助けたくて助けたの。とっても優しい子だったから……」
なんで泣いているのかと思ったら、どうやら俺は死んでいると思っているようだ。おかしいな、俺はここにいると言うのに。夢でも見ているんだろうか。
「武内さん!」
そこに駆け込んできた医者。ベッドに寝かされている俺の体に駆け寄り、脈を測っているらしい。
「いや、なんでそこに俺の体があるんだ?俺はここにいるのに……まさか」
「午後6時42分。武内優太さんの死亡を確認いたしました」
「嘘だろ、俺死んだのか?」
享年16歳。俺の人生は、結構あっけなく終わった。その後はあれよあれよという間に、俺の遺体は処置され、運び出されていった。
「武内くん……」
その後の俺はというと、青井さんについてきていた。と言っても俺の意思ではなく、青井さんが動くと、それに引っ張られるように移動する。いわゆる背後霊というやつになっているらしい。
「武内さん、相当落ち込んでるな……自分のせいで俺が死んだと思ってるのかな……?」
帰ってきてからというもの、ずっと自室のベッドで寝転がって虚空を見つめている青井さん。しばらくまっていると、だんだんとその瞼が落ち始めた。
「青井さん……寝ちゃった」
唾を飲み込む、ような感覚。いまなら無防備、俺のことは見えてないし、周りに人もいない。そう考えた途端、俺の手はいつのまにか青井さんの胸のあたりへ伸びていた。
あと3センチ、2センチ、1、0。
「……まって、手が、どんどん奥に」
触れたかと思えば、どんどん手が吸い込まれる。慌てて抜こうとするも、吸い込まれる力に勝てない。
「まって、止まれ!止まってくれ!」
そう言うも叶わず。自分の体は少しずつ青井さんの中に沈んでいき、その温かさに包まれていく。それと同時に、寝ている青井さんがうなされた様にうめく。
「……うっ……ぅあ……」
「もう腕が全部入っちゃった……」
そうこうしている間に、胴体が。
「んぅ……」
引っ張られるように足が、そして首から下が。
「うわぁぁどんどん入ってる!」
「ぁぁぅっ……んぅ……」
「どうなったんだ……?あれ、声が、変……なんか、体も重いような……あとめっちゃいい匂いする……」
不思議に思いながら、体を起こす。
「……体?待てよ、俺は死んだはず。もしかして全部夢だった?いや、でもなんか変だ」
頬を撫でる髪の感触、そしていつもより前に倒れる感覚。生きていた頃とは全然違う。
「どうなってるんだ……鏡は……あった……!?」
暗い部屋でもわかる。鏡に映っているのは、間違いない。
「青井さん……?」
自分が喋ると、鏡の中の青井さんの口も動く。試しに手を挙げると、青井さんも同じことをする。
「青井さん、だ……青井さんに、なってる……!」
そう理解した俺は、迷いなく下を見る。あるのはかわいい制服を着た青井さんの姿。もう我慢が効かなくなった俺は、そこにある二つの丘に手を伸ばす。
「あっ、柔らかい……弾力があって、しかも揉まれる感覚まであって、気持ちいい……あっ、青井さん、気持ちいいとこんな顔するんだぁ……」
自分で感じる青井さんの感触に興奮し、鏡の中の青井さんの表情に興奮し、興奮して余計にエスカレートしていきそうだ。そんな時、部屋の扉の外から不意に声がした。
「未鈴ー、夜ご飯、食べられそう?」
これは青井さんのお母さんの声だ。どうやら青井さんの体は空腹のようだし、僕が代わりに食べておいてあげよう。
「うん、いまいくよ」
少し乱れた髪と制服を軽く整え、食卓に向かう。
「いただきます」
青井さんの夕食は、ご飯、味噌汁、サラダ、焼肉という、なんとも和洋折衷という感じだった。
「未鈴、どうしたの?今日なんか様子変じゃない?」
「ああ、ちょっとね……」
「なんかあったらママに言いなさいよ」
「うん。ありがと」
青井さんの下で味わう、青井さんの母の手料理。それはもう絶品というどころではなかった。しかし、あんなに落ち込んでいた青井さんが急にご飯くらいで喜んでいるとさすがに怪しまれる気がするので、当たり障りのない感じで受け答えしつつ、食事を済ませた。
「ごちそうさまでした」
「お風呂も沸いてるからね」
「はーい」
お風呂という、とても胸躍る響きが聞こえるも、なんとか抑えつつ、部屋に戻る。そして真っ先に箪笥を開き、下着を漁る。
「おおお!」
思春期の男子である俺が、好きな女の子の下着を見てテンションが上がらないはずがなかった。しかも、これを今からその本人として着けることができる。
「どれにしようかな……やっぱり水色とかかな……ふふ」
鏡を見なくてもわかる。今の自分はとても気持ち悪い表情をしている。青井さんの顔を歪ませている。
「これがパジャマかな……あ、制服脱がなきゃ」
お風呂に入るということは、当然服を脱ぐ。まずはリボン、ベストと順に外していく。そしてスカートに手をかける。
「ここかな……?」
左側に見つけたホックを外すと、すとんと床に落ちる。今青井さんはブラウスと、下着、靴下のみ。正直かなりエロい。しかもこれから、これらも全て脱ぎ去ってしまう。そう考えるとドキドキが収まらなくなってしまいそうなので、頑張って落ち着かせながらお風呂に向かう。
「んっ、ブラジャー、外れない……っしょっと。背中痛……」
外し方に難儀しつつ、なんとか下着を外すと、現れたのは紛れもなく青井さんの生乳。
「生きてたときなら絶対勃ってたな。今は勃つものないけど」
そう言って、今穿いているパンツの下を想像すると、そこにわずかに湿り気が感じられた。早くそれを確かめたい一心で一気に下す。
「すごい、股のところ何もない」
大好きな青井さんの体であると同時に、自分とは違う、女の子の体であることを実感する。
「って、こんなに時間かけてたら怪しまれる。早く入らないと」
シャワーで体を流す。熱心にマネージャーしてくれているからたくさん汗をかいていただろうし、体丁寧に洗っておかないと。
「ちゃんと隅々まで洗おう……んっ」
ちょっと敏感なところまで触ってしまい、つい声が出る。
「だめだだめだ、そうだ、髪も洗わなきゃ」
なんとか自分を押さえつけ、長い髪を丁寧に洗い始める。こんなに長くしたことはないので合ってるかはわからないけど、なんとか洗いきる。そして変な気を起こす前に、さっさと上がった。
「これ、持ってきたはいいけどどうやってつけるんだ?」
せっかく自分で選んだブラジャーだが、付け方がわからない。何度か試してみるも、うまくいかない。
「ふっ、ふんっ、……だめだ」
仕方ないので、パンツだけ履いて、ブラジャーはつけずにパジャマに着替え、そそくさと自室に戻り、就寝の姿勢になる。
しかし、今青井さんの布団に寝転がり、全身から青井さんの匂いがしていることで、全然落ち着くことができない。
「んっ」
自分の右手が自然に股間部分へと伸びていることにことに気づいた。
「ああ、これもう、だめだな。我慢できない」
人差し指で彼女の割れ目を撫でる。男だった頃には感じたことのない、柔らかい刺激が全身に広がる。
「んぅ……ぁっ……」
青井さんの母に聞こえないよう、声を抑えながら、少しずつ体を弄ってゆく。さらに、快楽を求めた左手を自分の胸に添えられる。
「ふぅ、ふぅ、あっ……んっ……感じるっ、青井さんのっ、快感っ」
青井さんしか感じられない、はたまた青井さんすらも未だ感じたことがないかもしれない、そんな感覚を勝手に独り占めしてしまっている。そんな背徳感は体の動きを止めるどころか、より活発化させ、身も心もどんどん熱くなってゆく。
「そろそろ、ゆび、いれちゃおっかな……んあっ!……だめだめ、抑えないと」
突然の強い快感に、思わず大きな声が出る。しかしもう止まれない。顔を少し伏せて枕に口元を押し付け、なんとか誤魔化しながら進んでゆく。
「むぅ……んんぅっ!……ふぅ、ふぅ」
少しずつ慣らしながら、指はどんどん割れ目の奥に入る。その道の途中、刺激すると気持ち良くなるスポットに行きつく。
「あっ、ここっ、いいっ」
体の気持ちよさに加え、自分の口から青井さんの喘ぎ声を出し、それを自分の耳で聞いているという事実がさらに自分をかきたてる。
「あっあっ、んっ、むぐぅっ!!」
気持ちが高まるごとに、お腹の奥の方から、全身にかけて、快楽の波が伝播する。青井さんの快感を、青井さんの身体で味わい尽くしている。
「んっ、あっ、ふぁっ、んっっっ!」
自然に両手の勢いは強くなり、ちゅぱちゅぱと水音が響くようになる。彼女の快楽に自分を委ね、真っ逆さまに落ちてゆく。
「んんっっ!!ふぁっっ、なんか、きてる、きてるっ」
気持ちも身体もどんどん高まり、ぷかぷかと浮くような感覚がしてくる。もうすぐだと、この身体が俺に告げている。
「んっ、はぁ、んぐっ、はぁあっ、あっ、あっあっんっ!?っっっ〜〜!!?」
その時は、突然に訪れた。頭の中で何かが弾けて真っ白になり、その感覚が全身に広がり、全身から力が抜けて暖かく心地よい気分に満ちる。恐らくこれが絶頂、イクという感覚だった。
「はぁ……はぁ……ん……」
俺はその感覚に身を任せ、深い眠りの中に落ちていった。
朝起きると、俺は再び幽霊になっていた。
青井さんも同時に起きたようだ。
「あれ、昨日は、どうしたんだろう。ずっと武内くんのことを考えてて……いつの間にか寝ちゃってたのかな。でもちゃんと着替えてるし……」
俺に操られてエッチなことをしたことは覚えていないようで、それを実行した本人がすぐそばにいるのにも関わらず、無防備に着替え始める。
それを見た俺は、たまらず青井さんに触れた。今度は最初から中に入り込むつもりで。
「はぁ、学校、あんまりいきたくないな……ひゅ!?なに!?」
吸い込まれる感覚。これだ。これでまた、青井さんになれる。
「うっ、ぁっ、いや……んっ……ああああ!!……やっぱり、良いことをすると、自分にもいいことが帰ってくるんだな」
こんなにいいことがあるなら、背後霊っていうのも悪くない。
「これからもよろしく、新しい人生(あおいさん)」