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【憑依モノ祭り5日目】理想の性癖

作者:んごんご



■プロローグ■

「ふひひ……」
 いよいよ僕の目的が達成される。スマホのアプリ画面を眺めながらこれから起こることを想像すると、興奮とにやけが止まらない。
深呼吸をして、ゆっくりスタートボタンを押した。間もなく、僕の意識はなくなった―――


■第一章■

 僕の名前は人見 真。男子高校生。ルックスは中の下、勉強は下、運動神経は下の下。人見知りの陰キャで友達はいない。今日も義務的に登校して退屈な授業を受ける。昼休みになると、クラスメイトたちの会話を否が応でも耳が拾う。僕はというと、ただいつものように一人で購買のパンをくわえながら、自分の席で黙々とスマホをいじるだけ。
遠目で僕を見ながら、女子たちがクスクス笑っている気がする。本当か、気のせいか、いつも分からずにただストレスだけが溜まる。そうして僕は、今日も憂鬱な一日を過ごす。
「善子~!部活終わったらスイーツ食べに行こうよ~!」
「いいね!予定空けとくよ!」
 だけど、僕の毎日は憂鬱一色ではない。基本、女子には下心を抱いてしまうが、それを越して恋心を抱いた人がいる。
彼女は天貝 善子。水泳部所属でスポーツ万能の女子高生。純粋で裏表がなく、誰に対しても明るく気さくに接する彼女は、男女関係なく好かれる学校中の人気者だ。ルックスも上級でスタイル抜群。特にそのたわわな胸は、僕を含む男子たちからすれば目を向けてしまうこと請け合いである。そんな天が何物も与えし存在に、僕は不釣り合いながら片思いをしている。
さらに、気が多いと言われても仕方ないが、このクラスにもう一人、彼女とは別に僕が恋心を抱く女子が―――
「人見くん、ちょっといいかしら」
「わっ!?あっ、あっ……!」
「日本史のノート、提出してないのあなただけよ。今持ってる?」
「ああっ!わ、忘れてた、ち、ちょっと待って……」
 頭の中で独り言を垂れ流していた最中、そのもう一人が突然目の前に現れる。僕は慌てふためく醜態を晒しながら、机から提出し忘れていた日本史のノートを取り出した。
「は、はい……あっ、手……!ごめん……」
「別にいいわ。提出物はちゃんと出すようにね」
「う、うん……ありが、とう……」
 渡す時にうっかり手が当たってしまったが、彼女は全く意に介さず、僕のルーズを注意してその場を去った。そう、たった今話しかけてきた女子こそ、僕のもう一人の片思い人だ。
彼女は地原 美紀。成績優秀で学級委員も務める女子高生。常に冷静で気丈に振る舞う彼女は、みんなからの憧れの的だ。そして、天貝さんに負けず劣らずのルックスとスタイル。彼女の豊満な乳房が、僕を含む男子たちを虜にしているのは言うまでもない。まぁ、本人はとっくにその視線に気づいているだろうが……
 天貝さんと地原さん。学校カーストのトップクラスに位置する二人が同じクラスで、毎日その姿を拝むことができるのが、僕が学校に来る上での唯一の楽しみだ。

 放課後。下校のチャイムが鳴ると、クラスメイトたちがこぞって教室を後にする。大声で騒ぎながらイケイケな会話をするリア充たちや、インテリぶった口調でこの後の塾の話をするガリ勉たちの会話を聞いては彼方へ受け流す。
帰宅部の僕は、ただ一人、黙々と帰り支度をする。嫉妬心が湧きつつも、最後は諦めが勝つ。ていうか、そうでもなければ僕は今頃嫉妬の過剰摂取で死んでいる。諦めメーターが最大になり、誰もいなくなった教室を一人で出ようとした、その時―――
ドンッ!
「うわっ!」
「あ!ゴメン!人見くん大丈夫!?」
「わわ……!あっ、あっ……!」
「ゴメンね、急いでて前見てなくて……!」
 教室の扉の前で誰かとぶつかり、尻もちをついてしまった。再び醜態を晒してしまったものの……声からして相手は女子、しかも、憧れの天貝さんじゃないか!
「ケガはない?本当にごめんね、今ズボンのホコリ払うね……」
「あうぁあ……!あう……!」
「これでよし、と。じゃ、気を付けて帰ってね!」
「う、うん……ありが、とう……」
 彼女は僕のズボンのホコリを手で払うと、会釈をして、恐らく忘れ物があるのであろう自分の机へ足を急がせた。僕はいたたまれず、たった今起きた出来事を脳内で反芻して余韻に浸る時間を捨て、昇降口へとダッシュした。

「はあっ……!はあっ……!」
 肩で息をしながら、昇降口の扉に手をつく。まさかこんなラッキーな日があるなんて。一日のうちに、天貝さんと地原さんと会話をするどころか、接触するイベントが起きるなんて。しかも二人とも、僕の名前を覚えてくれていたなんて……!
僕の人生もまだまだ捨てたもんじゃないなと思い、上履きから私靴に履き替えようとした時、ポケットに入れていたスマホを地面に落としてしまった。
カタンッ!カラカラ……
「ああっ!くそっ……!」
 二度あることは三度あるというが、そう簡単に良いことは続かないか……遠くの地面で勢いよく回転するスマホに誘われるように歩み寄り、取り上げて無事を確かめる。電源ボタンを何度押しても真っ暗のままで、画面が表示されない。壊れた?修理に出したらどのくらいかかるだろう……いつも使ってるのに、これじゃあ死活問題だ……僕は激しく狼狽した。
カチカチ……カチカチ……
「くそっ……!くそっ……!」
ブォンッ!
「わっ!?」
 やけくそになって何度も電源ボタンを押していると、謎の音とともに突然画面が真っ赤に染まった。思わずスマホを手放しかけるも、また落として壊すことがないようとっさに両手で掴み、胸に抱えてしゃがみこんだ。そのまま一分ほど息を整え、心を落ち着ける。全く、今日は本当におかしなことだらけだ。帰ったら早めに寝よう……そう思いを馳せ、恐る恐るスマホの画面を見る。
「なんだ、これ……」
 それは目を疑う光景だった。先ほどの赤い画面は紫に変色し、画面の中央にはお化け屋敷のようなフォントででかでかと『憑依アプリ』と表記されている。こんなアプリをダウンロードした覚えは全くない。でも、憑依って……あの憑依だよな……もしやこれを起動した瞬間、そういうことになるのだろうか……
好奇心が湧いたが、あまりに怪しすぎて起動するか迷った。しかし、いつもと違う日常を送って変なテンションが取り憑いていた僕は、どうせつまらない人生なら一か八か、という気持ちで、意を決して指を動かした。
 画面をタッチすると、色々なワードが出てきた。ワードを押すと色が変わる。恐らく、この中にあるワードを組み合わせて、好きな憑依の形を作り上げるんだろう。書かれたワードは、節々を拾うだけでもたまらないものだらけだ。しかし、いきなり最上級の形に持っていくのでは面白くない。まずは小手試しという気持ちになり、数あるワードの中から『短時間』『自動解除』を選択し、一呼吸置いて一番下の『スタート』をタッチした。
程なくして画面が暗転し、スマホが勢いよく振動する。凄まじい緊張感に僕は固唾を飲んだ。そして画面から一筋の光が差すと、僕の視界を瞬く間に真っ白に染め上げた―――

どれくらい時間が経っただろう。いや、もしかすると一瞬を漂っているのかもしれない。とても不思議な世界に包まれている。ここは…さっきの昇降口か?心なしかいつもより視点が高い……下を向くと、にわかには信じられないが、壁に寄りかかって地面に尻をつけた僕のカラダ、もとい、抜け殻があった。
そして、僕はどうやら半透明の全裸姿で宙に浮いているようである。夢か?……いや、意識がはっきりしているから現実だ。恐らく、僕は今霊魂になっているのだろう。非現実的な現実を目の前に心がうろたえたが、同時にあのアプリの信憑性が一気に高まった。少しして心のうろたえが収まると、そのまま校内を散策することにした。

 ゲームのようにスイスイと前に進むが、風は全く感じない。魂だけで動くってこんなにも心地が良いんだ。現実の理解度に比例して気分も高揚していく。そして廊下の曲がり角に差し掛かったところで、ある人物を発見した。
地原さんだ。書類を抱え、颯爽と廊下を歩いている。学級委員の仕事中なのだろう。僕はほぼ彼女の真横で浮遊しているが、向こうからは全く見えていないようだ。それにしても、近くで見ると改めて彼女の美しさが分かる。表情が一切崩れない、凛とした顔立ち。後ろにたなびくさらさらのロングヘアー。そして、一歩歩けばたゆんと揺れる豊満な乳房。
邪な気持ちが一気に僕を襲う。いや、あのアプリを起動した時点で、僕はとっくにそれに支配されているのだろう。背後に回り、ゆっくりと彼女に近づく……彼女の背中がどんどん視界を占領していく……いよいよゼロ距離になった。
深呼吸をすると、僕は勢いよく彼女の背中に飛び込んだ―――

挿絵1


ドクンッ……!
「ひっ……!?」
バサバサッ……!
「な、何……!急に……寒気が……!」
ドクン……!ドクン……!
「だ、誰か入ってくる……!?い、いや……入ってこないで……!」
ドクンッ!ドクンッ!
「い、いやあああああ!!」

「……ん……ぅ」
 気が付くと僕は、知らない書類が散乱した廊下の床に倒れていた。おぼろげな視界でゆっくり起き上がろうとした時、すぐに違和感を感じた。少なくとも、自分が知っているいつものカラダじゃない。先ほどまでの記憶に違いが無ければ、僕は『なっている』。慌てず、目の前の光景に順応するよう自分に言い聞かせると、そっと目を凝らした。
「お、おお……わぁ……!」
 まず最初に目に入ったのは胸部のふくらみだ。自分の胸に、豊かに実った二つの乳房がある。それを覆う服にはリボンが備えられており、女子の制服を着ていることも分かった。
「よ、よし……へへ……」
 触りたい気持ちをあえて堪え、次に両手を視界の中に入れる。さっきまでかけていなかったはずの眼鏡の先に見えたのは、いつもの何の面白みもない手ではなく、小さくて白くて産毛すら一切ない綺麗な手だ。今すぐ顔に付けたいところだが、ここも我慢する。
「じ、じゃあ、あとは……」
 立ち上がって目線を下に向ける。女子用のスカート、黒いハイソックス、視界に見え隠れするロングヘアーの髪先。もう間違いない。僕は『なったんだ』と確信し、真横の教室の窓にゆっくり目を向ける。
「……やっぱりね……ふひっ」
 窓に映った彼女は、じっとこちらを見つめている。僕に染められたような下卑た笑みを浮かべながら……でも、そんな表情すらそそられるだなんて、卑怯だよ……ふひひ……
そしてそのまま、徐々に視界が薄くなっていった―――

「……ん」
 次に目が覚めると、僕はさっきの昇降口にいた。手足を見て、元のカラダに戻っていることを確認する。手元のスマホを見ると、先ほどのアプリがホーム画面に追加されていた。このアプリは本物だ。アプリ内の色々なワードを選択して組み合わせ、そのワード通りの憑依能力の取得・実行が可能になるんだ。現にさっきは憑依が『短時間』で『自動解除』された。
僕は全てを理解すると、脳内でありとあらゆる変態的思考が駆け巡った。僕の顔が、嫌らしく歪んだ目と、気持ち悪く緩んだ口を表現し、目の前のガラス扉に映る。ああ、僕は何て最低な人間なんだろう。このアプリを最大限に利用して、愛しの二人を『僕のもの』にしよう。天貝さん、地原さん、待っててね……ふひひひ……!


■第二章■

 その日の夜。僕は自室にこもって計画を練った。明日いつ、どこで実行に移すか。どのような憑依をするか。どちらからにするか……止まらない筆の動きから作り出された文字たちは、僕の性欲を着実に刺激する。そりゃそうだ、もうすぐあの二人を『意のまま』にできるのだから……全てを書き終えると、僕はすかさずティッシュを取り出して陰部に巻きつけた。そして、ベッドに転がっている抱き枕の上にまたがり、それをオカズにオナニーに勤しんだ。
「へへ……んっ……!んっ……!」
ずりっ……!ずりっ……!
 抱き枕の上で陰部をこすり付ける動きがいつもより激しくなる。至高のオカズを前に、僕は今まで経験した中で最高の気持ち良さを感じていた。
「んっ……!んっ……!」
ずりっ……!ずりっ……!ぐぐっ……!
「んんんっ!……ふぅ……」
 僕は抱き枕にしがみつき、絶頂を迎えた。精子がこれ以上にないほどあふれ出し、次々とティッシュに着地していく。やがて賢者モードに入り、何分かを無為に過ごした。
自分のカラダでもこんなに気持ちが良いのに、明日から味わえるカラダはきっと、もっと、この何十倍も、何百倍も気持ちが良いのだろう。ああ、楽しみだなあ……再び気分が高揚し始めた僕は、目の前の抱き枕を憧れの二人に見立て、なめるような頬ずりをした。待っててね、僕の『新しいカラダ』……うひひ……

 翌日、僕は意気揚々と学校に登校し、教室に入る。天貝さんと地原さんは二人とも来ていたが、いつもクールに振る舞っている地原さんの様子が少しおかしい。何かを警戒するような感じで辺りをキョロキョロ見回している。クラスメイトに話しかけられてもそつのない返事をしているが、どこか反応がよそよそしい。昨日僕が憑依して、突然意識を失ったのだからああなるのも当然か。立派な外壁のお城も、中から崩されたら脆いものだね……
「地原さん、おはよー!」
「あ、あぁ……おはよう、天貝さん」
「どうしたの?顔色悪いよ?」
「何でもないわ。今度の大会、がんばってね」
「うん!ありがと!」
 天貝さんと地原さんが話をしている。彼女たちの会話はたまに目にする程度だから拝めるのはかなりレアだ。地原さんは、純粋で優しい天貝さんにすらよそよそしい態度を取っている。ダメだよ地原さん……天貝さんともっと話をしてよ……二人の姿を見ているだけでも尊いのに、二人揃って話してるなんて最高に尊いんだよ……もっとさぁ……天貝さんとイチャイチャしてよ……
ま、君がその気じゃなくても、僕が後でその気にさせてあげるけどね……!

 昼休みになると、僕は誰もいない空き教室にこっそり入り、教壇の下に隠れた。そしてスマホを取り出し、お待ちかねの憑依アプリを起動した。
「ふひひ……」
 いよいよ僕の目的が達成される。スマホのアプリ画面を眺めながらこれから起こることを想像すると、興奮とにやけが止まらない。
深呼吸をして、ゆっくりスタートボタンを押した。間もなく、僕の意識はなくなった―――

 僕は二度目の幽体離脱をした。空き教室をすり抜け、昼休みの学校をさまよう。昨日とは打って変わって、どこもかしこも人であふれている。全裸でさまよっているのに誰も僕に気付かないなんて透明人間のようだ。
教室からリア充たちやガリ勉たちの会話が聞こえる。でも、今の僕にとってもはやそれは全く気になるものではない。僕は彼らを鼻で笑いつつ、お目当てのターゲットを探す。しかし、廊下・教室・職員室、どこにもいない。居場所の目星を付けてからにすればよかったか……と半ば後悔しつつ、教室付近の女子トイレの前でふいに立ち止まる。
まだ見ぬ未踏の地に好奇心の湧いた僕は、今がチャンスと思いドアをすり抜ける。高鳴る心臓とともにすり抜けたその先には、奇跡的にもターゲットがいた。
「はぁ……昨日のあれは何だったのかしら……」
 地原さんが一人、洗面所で手を洗っている。何てタイミングが良いんだ。僕はいたく高揚した。どうやら昨日のことをまだ引きずってるみたいだ。
「また同じことが起きなきゃいいけど……」
「ふひひ……」
「!?今、声が……」
 おっと、声を聞かれてしまった。そうか、昨日は声を出してなかったから気づかれなかったんだ。まぁいいや……
「は、早く教室に戻って次の授業の予習でもしましょう……」
「待ってよ、地原さぁん……」
「ひっ!……だ、誰なの……」
ドクンッ!
「ひぅっ!?」
「君は何も知らなくていいんだよ……」
ドクン……!ドクン……!
「や、やだ……!入ってこないで……お願い……!」
「ふひひ、いいじゃないか、だって……」
ドクンッ……!
「君は、『僕』になるんだからさ……」

「ん……」
 意識と肉体が融合する快感を再び味わった僕は、目を開けると女子トイレの床で倒れていた。普段と全く違う感覚のカラダをゆっくり起こし、憑依の成功を確認する。
「声……変わってる……おっぱい……んん、ある……お尻……んっ、スカート……柔らかい……」
 カラダをまさぐり、あえて声に出しながら確認をし終えると、立ち上がってそばの鏡を見る。地原さんだ。僕の大好きな地原さんがいる。いや、違う。僕が地原さんになっているんだ……!
「はぁ……はぁ……人見くぅん……」
 計画を実行に移す前に少し遊びたくなった僕は、彼女のカラダでニヤニヤの表情とクネクネの動きを鏡に向け、彼女の声で自分の名前を呼んでみる。彼女が僕に下心を抱いているみたいで、たまらなく興奮する。そのまま鏡に近づき、嫌らしい雰囲気の彼女と間近で対面する。
「あひっ……うひひっ……」
 僕ですら引くぐらいに、目の前で下品に笑う彼女が気持ち悪く見える。憧れの人のこんな顔が見られるなんて、最高だ……!
「はぁっ……!はぁっ……!んっ……!」
 僕の男の吐息が彼女の女の吐息に変換され、鏡を白く染める。その色気に惑わされるまま夢中で頬ずりをする。鏡の彼女は火照った顔をしているのに、冷たい感触なのがとても不思議だ。こんな光景、傍から見られれば、彼女は間違いなく痴女に思われるだろう。そうした背徳感がさらに僕を刺激し、眼下にある二つのふくらみに再び手をかけさせようとした。
「あっ……!いけないいけない、ふへへ……」
 その瞬間、本来の目的を思い出して我に返り、性的興奮で大きく弾む胸に優しく手を当てる。程なくして落ち着きを取り戻すと、鏡に目を向け、眼鏡を整え、洗面台に手を置いた。
「分かったわ、人見くん。私が天貝さんに手紙を書けばいいのね。ふふふ……」

 放課後、学校昇降口―――
「善子お疲れ~!またね~!」
「うん、バイバーイ!……は~、今日は部活ないし、早めに帰ろっと!」
カチャッ
「あれ?手紙?何だろ……」

「地原さん。今日のお昼、様子がおかしかったけど大丈夫?」
「そうだよ。急に教室に戻ってきたと思ったら何か書き始めるしさ……」
「だ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう……」
「この後学級委員の仕事なんでしょ?私たち、待ってようか?」
「い、いいのよ、先に帰ってて……」
「う、うん、分かった。無理しないでね……」
「な、何かあったら連絡してね!」
「ええ、さよなら……」
ガララ……バタンッ
「……おかしい、絶対おかしいわ……昨日だけじゃなくて今日の昼も意識を失ってた……」
コツ……コツ……
「しかも無意識のうちに体が動いてただなんて……いいえ、あの感じは確実に何かが入ってきてた……」
コツ……コツ……
「このままじゃ、私が私でなくなる……今からでもすぐ病院に……」
 ガララッ
「どこに行くって?地原さん」
「!」
 放課後の教室。一人になった地原さんの前に僕は姿を現す。昨日まで話すだけでも緊張していたのに、これから彼女に起きることを想像すると、その緊張なんて屁のようなものだ。
「人見くん……あなた、どうして……」
「安心しなよ、手紙は今頃ちゃんと見てるはずだから……」
「何を言って……うっ!?」
 彼女は突然頭を抱え出した。アプリの『予約』が発動したようだ。
「何……急に、頭が痛いっ……!」
「ああ、そろそろお楽しみの時間だからね……」
「も、もしかして……昨日も、今日の昼も……あなたが……」
「気づいた?まぁ、もう自分で言ってるようなものか。その通り。僕が犯人さ。ふふふ……」
 僕はじわじわと彼女に歩み寄る。彼女は痛みに耐えかねてその場にうずくまった。
「手紙は『記憶読取』で君の記憶を読み取って書いたんだ。だから天貝さんにはバレないよ……」
「うう……誰か……」
「ああ、ごめんごめん。もうすぐ終わるから安心して。痛みも、そして君のこれまでの人生もね……」
「ど、どういう意味……あっ!」
ドクンッ!
「こ、今度は……心臓も……!」
「ふふ、抱きしめてあげるよ……」
ギュッ……
「い、いやぁ……!」
「嫌なことなんて何もないよ。僕を受け入れて。とろけるように優しく、僕と一つになろう。さぁ……」
ドクンッ!ドクンッ!
「だ……め……!あ、ぁ……」
ドクンッ……!
 彼女の抵抗がゼロになった。さて、これで準備は整った。お楽しみ会のスタートだ……!


■第三章■

コツ……コツ……
「『天貝さんへ あなたに伝えたいことがあります。放課後、教室で待ってます。 地原 美紀』かぁ……急にどうしたんだろ」
コツ……コツ……
「そういえば、昼休みも様子おかしかったなぁ……何か辛いことがあるなら相談に乗ってあげたいけど……」
コツ……
「着いた……地原さんは……」
「ひっく……えぐっ……」
「……ち、地原さん!?」
ガララッ!
「だ、大丈夫!?何があったの!?」
「ぐすっ……天貝さん……」
「私でよかったら話聞くから、ね!?」
「天貝さん……私、寂しかった……あなたが来るの……ずっと待ってたの……」
「うんうん、分かったよ。私の胸でたくさん泣いていいからね」
「ありがとう、優しいのね……」
「困ってる人は放っておけないよ。地原さんも泣きたい時あるんだね」
「そうなの……私、今困ってて……」
むにっ……
「んっ……ち、地原さん……?」
「最近あなたを見てると落ち着かなくて……ドキドキが止まらないの……」
むにむに……
「やっ、ちょ……どこ触って……!」
「興奮を抑えられなくて……さっきあなたでオナニーしたの……ふひひ……!」
「……!」

挿絵2

むにむに……
「ふひひ……おっきなおっぱい……やわらかぁい……」
「な、何……ちょっと、急におかしいよ……!」
「何もおかしなことないよ……だって僕たち、女の子同士じゃないか……」
むにっ……
「やんっ!ぼ、僕たちって……や、やめてよ!胸を、そんな、嫌らしく……!」
「ひひっ、その引きつった顔、いいねぇ……よっぽど今の僕にドン引きなんだね……」
「……やっぱりおかしい……!あなた、地原さんじゃない!一体誰よ!?」
「教えないよ……いや、教える前に君も楽しんでおかなきゃね……」
ガシッ……
「うひひ……」
「ひっ……!やだっ!だ、誰か助け」
チュッ……
「……!」
「あむっ……じゅるっ……んれろっ……」
「んん……んんん……んっ!?」
「ごぽっ……ぐぽぽっ……!」
「がっ……!?んん!んんん!!んん……!」
「ぐぼっ……ぐじゅるっ……!んうっ……」
「んん……ん……」

「……ん」
 次に僕が目を覚ますと、教室の床でうつぶせに倒れていた。カラダを起こし、ボーッとした頭が平常になるのを待つ。さっきと違うカラダの感覚……乾いた口元の唾液跡と口の中の唾液……隣には、さっきまでカラダを乗っ取っていた地原さんが横たわっている……ということは……
「やった……僕、天貝さんになれたんだ……ふひ、ふひひ……!」
 成功だ。成功だ。ついにもう一人の憧れの美少女のカラダも手に入れた。僕は夢中になり、すかさず胸に生えたたわわな果実を揉みしだく。
むにっ……むにっ……
「あひっ……地原さんのも良かったけど、天貝さんのおっぱいもすっごく大きくて……気持ち良い……くんくん……くんくん……!」
 興奮冷めやらぬまま、お次はワキの匂いを嗅ぐ。汗の酸っぱさと女子のフェロモンがブレンドされた甘酸っぱい匂いが、鼻の穴をつんざいて脳に到達する。ふひひ……天貝さんが、自分のワキの匂いに興奮してる……!
僕は着ていたセーラー服を脱ぎ捨て、青のスポーツブラと真っ白なパンティーだけの姿になった。そして背中のホックを、固唾を飲みながらじっくり外す。
「よい……しょっと……!」
ブルンッ!
「わ……わぁ……!」
 ほどけたブラを勢いよく外すと、二つの大きな肌色の果実が、桃色に突起したヘタとともに、大きく揺れながら姿を現した。さらに、ブラの中にこもっていた甘い匂いが、僕の視覚だけでなく嗅覚をも痛烈に刺激した。
「うひ……うひひ……!」
 大事なものを扱うように、ゆっくりと両手で両乳房を下から持ち上げる。服越しでは感じられなかった温かさと、手に吸い付くもちもちの触感。それだけで僕の性欲の海は瞬く間に大荒れと化す。
むに……むに……
「ああ、たまらない……最高だよ……!」
ぎゅっ!
「んぁあぁっ!!」
 本能の赴くままに両乳首をつまむと、強い電気が全身を瞬く間に駆け抜けた。あまりにも大きな衝撃に、内股のまま激しく足が震える。
「はぁっ……!はぁっ……!す、すごいや……!」
 とめどない興奮が荒い息と唾液に変換され、断続的に口から漏れる。僕は唾液を余すことなく彼女の舌で舐め取る。美少女から出るモノは、唾液ひとつとっても格別な味だなぁ、ふひひ……
そして胸の先の股間へ目をやると、純白のパンティーの一部分が薄灰色に染まっていた。どうやら愛液も漏れているようだ。
「うひひ……僕が感じれば君も感じるってことだね……!」
 無我夢中でパンティーを脱ぐと、ぐっしょりと濡れた女性の陰部があらわになり、僕の意思で興奮している天貝さんのカラダをよりいっそう興奮させた。そのまま、濡れたパンティーを頭に被って彼女を変態にし、胸を揉みながら陰部をこすり、オナニータイムに勤しんだ。
くちゅ……くちゅ……
「はぁっ……はぁっ……いいよぉ、人見くぅん、もっと私のおっぱい揉んでぇ……!」
 『記憶読取』を使って口調と仕草を引き出し、天貝さんになりきる。オナニーをしているのに僕が犯しているような倒錯感が絶大な快感を作り出し、最高に気持ちが良い。
くちゅっ……!くちゅっ……!
「私のおっぱいも……おまんこも……全部人見くんのものだよ……あっ……!あっ……!」
 感度が上がるにつれ、手の動きも激しくなる。男のカラダじゃ決して到達しえない快感の無限ループにハマり、徐々に女の絶頂に導かれていく。
ぐちゅっ……!ぐちゅっ……!
「ああっ……気持ち良いよ、天貝さん、一緒にイこうね……!」
ぐちゅっ!ぐちゅっ!
「んああっ!イク!イクウウウゥッ!!」
 僕は演じることも忘れ、カラダを激しくこすって快感に身を任せた。エッチな喘ぎ声、みだらな汗、固くなりきった乳首。くちゅくちゅと卑猥な音を奏でる陰部。たまらない……たまらない……!
ぐちゅっ……!
「んっ……あああああ~~っ!!」
 そして僕は、彼女のカラダで絶頂を迎えた。愛液が陰部から勢いよくあふれ出す。僕は全身を痙攣させながらのけぞり、そのまま仰向けに倒れた。

 それから何分かが経過し、快感の余韻が残ったまま起き上がる。カラダ中、赤く火照って大量の汗が流れ、カイロのように温かくなっている。横には、依然として眠りこけたように横たわる地原さん。発散して間もない性欲が再びたぎってくる。僕はそれに従うまま、地原さんの服を脱がし始めた。
「へへへ……可愛いよぉ、地原さぁん……!」
 地原さんの上にまたがり、天貝さんと同様に生まれたままの姿にしていく。そして全部をむき出し終えると、勢いよく抱き着き、カラダをこすりつけた。豊満で柔らかな女体同士をこすりつけるのもまた、一人でするのとは違ってそこはかとない快感だ。
「うひ……うひ……へへへ……!」
 顔を近づけ、吐息を吐きかける。天貝さんの甘い吐息が地原さんの肌を反射して、僕の嗅覚を刺激する。かつての僕ならこれだけで当分の主食だったのに、今やステーキの備え付けのコーン一粒ほどの価値だ。しかし、そのコーン一粒ですら格別の味。美味しいものは最後に取っておく主義の僕は、最も格別なステーキを贅沢にほおばる為に、地原さんの胸を揉んだり、頬ずりをしたりして、外からじわじわと食らい尽くしていく。

挿絵3

こりっ……こりっ……
「んんっ……乳首をこすり合うのも気持ち良いなぁ……うへへ……!」
 天貝さんの汗だくの乳首を地原さんの乳首にねっとりとこすり合わせ、まだ味わっていなかった快感を得る。もはや何をやっても童貞の僕の妄想をはるかに超える気持ち良さで、まさに美食のドカ食い状態だった。今の姿を誰かに見られたら、天貝さんも僕と同レベルの変態に思われるだろう。同性の綺麗なカラダを下品に貪るドン引きレベルのド変態に。そして僕は一切咎められない。うひひ……この妄想は格別のデザートだ。
僕は二人のカラダで一通りのことをやり終えると、いよいよステーキを食べるための準備に入った。さぁ、ラストスパートだよ……!

「……ん、ここは……」
「あ、あれ……私、何で倒れて……」
「えっ!?あ、天貝さん……どうして私の上で裸に……!」
「ひっ!ち、地原さん!え、な、何で……!」
「いやっ!私も裸になってる……!も、もしかして……!」
「ま、待って違うの!私じゃな」
 『記憶浸透』発動―――
「やっ!?な、何で……私、どうしてこんなこと……!」
「嘘でしょ……私も天貝さんに……何なの、この記憶……」
「そ、そうだよ!私もさっき地原さんに襲われたんだよ!?」
「うぅ……」
「でも、あの時の地原さん……知らない人が中に入ってるみたいで……怖かった……」
「そ、そうだわ、私、昨日から何度も誰かが入ってくる感覚に襲われてるの!」
「そんな……私たち、どうなってしまうの……こんなの、誰かに見られたら……」
「……思い出した!あの時、人見くんが私の目の前に……!」
 『肉体浸蝕』発動―――
ビクンッ!
「「うっ……!?」」
「な、何……急に、体の自由が……!」
チュッ……
「んっ!?」
「んむ……んん……れろっ……」
「んっ……!んう……!」
「んん……んふ……」
 『第一精神浸蝕』発動―――
「ぷはっ……!ちょっと天貝さん、急に何やって……!」
「うひひ……知りたいかい……?」
ニヤア……
「!?」
「久しぶり、僕だよ、地原さん……」
「人見くん……全部あなたの仕業なのね……!」
「その通り。僕は天貝さんも地原さんも大好きだからね。でも、選べないから二人まとめて憑依したの。うひひ……」
「や、やめて……天貝さんの声で、そんなこと言わないで……!天貝さんの顔で、そんな表情しないで……!」
「どぉしてぇ?記憶ももう完全に読み取れるから、天貝さんはもう完全に僕のモノなんだよぉ?」
 『記憶読取』発動―――
「こんな風に……ね?どうかな、地原さん?ふふっ♪」
「さ、最低よ……!早く私たちを元に戻して!」
「え~!ダメだよぉ~、せっかくここまで来たんだからさぁ~!地原さんも人見くんに完全に乗っ取られちゃおうよ!ねっ?」
「い、いや……!」
「人見くんに乗っ取られて何もかも一つになるの、とっても気持ちが良いよ♪」
「いや……いや……!」
「ああ~、人見くんに乗っ取られた地原さんの姿を妄想しただけで、私のおまんこがぐっちゅぐちゅに濡れちゃう♪」
ガシッ……
「さぁ、口を出して……ホラ、早く……」
「さ……触らないで!」
バシッ!
「うっ!」
「あっ……ご、ごめんなさ……」
「……何するんだよおおおおお!!」
グッ!
「あっ!?」
「天貝さんの綺麗な顔を傷つけやがって!このっ!この……クソ女!」
ググッ!
「やめてっ……!い、息がっ……あっ……!」
「ぬうっ!」
バタッ!
「いやっ!」
「今度また抵抗したら、顔面ボッコボコにしてブサイクにしちゃうよ……?」
「ひっ……!」
ニヤア……
「なぁんてねぇ。僕は地原さん大好きだからそんなことしないよぉ。びっくりしたぁ?うひひっ!」
「……!」
「その顔、恐怖と嫌悪感でもうろくに声も出ないって感じかなぁ?それじゃあ、そろそろ楽にしてあげるね……」
スッ……
「さぁ、口を開けて……」
「うぅ……」
「開けろ!!」
「ひっ!は、はい……」
「ふふ、それでいいの♪それじゃ、おじゃましま~す♪」
ガパッ……
「んん……ん……うおえっ……!」
「んん……!ん……!」
「ごぽっ……がぽっ……ぐぼぼ……!」
ズル……ズル……
「んん……ん……」
「ぐぽぉ……!」
 『第二精神浸蝕』発動―――
『完全複数憑依』完了―――


■エピローグ■

キーンコーンカーンコーン……
「みんな~おはよ~♪」
「ちょっと善子、昨日電話したのにどうして出なかったのよ!」
「ごめ~ん!考え事してたら出るの忘れちゃって~!」
「もう……それより、今日は一緒に帰れるの?」
「ごめんね~今日も用事あってさ~」
「何よそれ~アンタ最近付き合い悪いわね~」
「ごめんって!そのうちヒマになるから!」
「天貝さん、ちょっといいかしら?」
「あ、地原さん!てなわけで、じゃあね!」
「善子!……全く、急にどうしたんだかあの子は」
「彼氏とかじゃない?」
「まっさか~」
「そういやあの二人、最近すごい仲良しだよね。いつも一緒だし」
「ウワサだけど付き合ってるって聞いたよ?この間も手つないでるの誰かが見かけたんだって」
「そうなの!?まさかあの二人にそんな趣味があったなんてねぇ……」
「……ねぇ、ところでここの机って誰だっけ?」
「え?確か男子だった気がするけど……忘れた」

「んん……ちゅ……」
「んむ……んん……」
「んあむ……ぷはっ……」
「うひひ……地原さんの唾液、今日も甘くて美味しい……」
「ふふ……たくさん味わってね……」
「二人とも『僕』にするのもいいけど、記憶を読み取ってリードしてもらうの、最高だよ……」
「明日はアナタの番よ、天貝さん……」
「地原さん……僕たち、ずっとずっと一緒にいようね……僕と天貝さんと地原さんの三人で、ずーっとずっと……」
「そうね、三人でたくさん気持ち良いことしましょうね、ふふふ……」


おしまい
[ 2020/12/09 18:00 ] 憑依モノ祭り(憑依ラヴァーver.) | TB(-) | CM(1)
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