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【憑依モノ祭り2日目】私への憑依についてとそれから

作者:sioDL
作者コメント:憑依のお祭り うれしいものですね……





金曜日の夜中、12時を少し回ったころ。
私は、掛け布団の下にうずくまって頭を抱えていた。

「あー……あー嫌だ……。練習試合行きたくない……あー」

明日は私の所属する柔道部が月イチで行う、他校との練習試合の日だ。私は、この行事が死ぬほど嫌いだった。
しんどいし、疲れるし、怒鳴られるし、投げられると痛い。
他の部員たちがみんな「がんばるぞー!」とか「大会に向けて、しっかり今の自分の力量を計りたいと思います!」とか妙にやる気に満ちているのが本当に不思議である。

そもそも私、和東沙耶は、たまたま生まれつき身長がでかくて体格が良かっただけの、ゴリゴリの内向的・ガールなのだ。基本的にああいう暴力的な運動は性に合っていない。中学も書道部だったし、家ではサブスクでアニメばかり見ている。

私が柔道部に入ったのは、入学当初に「キミめっちゃ向いてるよ、ヒーローになれるよ」とバレー部やらたくさんの体育会系の先輩に囲われて舞い上がってしまったからである。
もちろん退部も考えたことがあるけれど、私の唯一の親友である知ちゃんが柔道部所属だったことや(もちろんこれも私が柔道をすることになった理由の一つである)、別段運動神経が悪いわけでもなかったせいで中途半端に団体戦の中堅に選ばれてしまって、下手に穴をあけるのが申し訳なさすぎて諦めてしまった。

私のこの、微妙にまじめな性格は一体なんなのだろう。

小学校の頃はずっと遠慮して『配り係』だったし、毎日家⇔学校の往復で寄り道しなけりゃ彼氏もいたことがないし、車がいなくても青信号になるまで待つし、カップ麺は毎回調理法を見てから作るし、文句があっても口に出さずにこうして頭の中でぐちぐちこねくり回すだけで抱え込むし、年々生意気になってくる妹の優美にも家族間の空気を考えてあまりきつく言うことができない。だれかと取っ組み合いのケンカをするなんてそれこそもってのほかだ。柔道の試合中も、技掛けられる相手が痛くないか心配になっている。

クリーム色の枕に顔をくっつけ、「う゛~~~」と唇を震わせる。
あー、どんどんしんどくなってきた。練習試合の嫌さを始点に、自分のダメな部分が連動して浮かび上がってくるようだ。

「やだ~~~……行きたくない……」

……散々ナーバスなことを言ってきたけど、これでも一応、いま頭をもたげている心配とか閉塞感を打破するためにはもっとこう積極的な私になる必要があるのではないか、みたいなことは漠然と考えている。私は決して現状に変化が起こるのを指をくわえて待っているだけの人間ではないのだ。
今の私には、友達やライバルと切磋琢磨する向上心もなければ、もちろんそんな友達自体、知ちゃん以外ほとんどいない。でも、だからこそ、寝る前に一日の自分のわずかな会話と行動を思い出して反省会を開くんじゃなく、起きたもんはしょうがねぇ! と切り替えられるような豪快さと勇気がいるはずだ。

幸い腕っぷしは身に着いているのだから、とりあえず、気に食わない人には即寝技をかけるくらいの気概がある活発な子になれば、きっと世界の見え方も変わってくる……のだと思う。



「うぅ、痛いのやだなー……。キツイ、つらい、サボっても顧問怖い……あ~~~~~」

とはいえ、人間とはそう簡単に人格を変えられるような生きものではない。結局今日も寝る前にこんなことを考えて貴重な睡眠時間をふいにしてしまった。もうこうなったら、一度全く違う人間に乗っ取られでもしない限り死ぬまでこのままの方針な気すらする。

「うう……嫌だ…………嫌だ~……………………」

私はベッドの中で胎児のように丸くなって、ショートカットの髪を両手で掻きむしった。この髪も柔道のために短くしたのだった。




一通り呪詛を吐いたあと、体感で三十分ぐらいだろうか。ようやく精神がいくらか落ち着いて、眠りに落ちそうなその時。

「……うおっ!? ……よ、よし、いったか!? わと、和東の、部屋……で、いいんだよな?」

私は、突然大声を上げて起き上がると、激しく動転した様子で豆球の点いた部屋を見まわした。
えっなに? なにこれ?

「ちょっ、電気電気……あっこれか……」

あわあわしながら、おぼつかない手つきで枕元のリモコンを手に取る。

「……うわ、すっご……! ちゃんと女子の部屋じゃん……!」

私は照明を全灯に切り替えると、見飽きた自室に驚いて感嘆の声を漏らした。
おい、なんだこれ。身体が勝手に動いている!?

困惑する思考を放置して、身体は勝手に布団を蹴飛ばしベッドをそそくさと離れる。
私は部屋の真ん中に仁王立ちすると、顔を下に向けて自分の身体を見下ろした。

「へ、へへへ……すごい、和東の身体だ……! 俺より背高いからな、視界が全然変わって見えるわ……! 今は和東の目を使わせてもらっているからダブルミーニングだな」

私は意味の分からないことを言うと、ふへへへ、とバカみたいにニヤケながら着ていたスウェットの上下にそれぞれ両手を差し込んだ。自分の身体の感触を楽しむように、指をいやらしく動かして肌を撫で上げていく。
あー! なに!? ちくしょう、反発したくても身体が動かせない。こういう、考えることだけはさっきからできているんだけど、どうしても身体運動に反映させることができない。なにが起こってるの!?

「んっ……うあっ、うわぁ……わ、和東の、マ、マンコと……乳首に……触って……うぇ、えへへへ」

えへへじゃねぇクソ。

……全然状況が飲み込めないけど、この感じはたぶんとんでもない悪夢を見ているか、変態霊みたいなのが入り込んで身体を操っているか、あるいは部活が嫌すぎて完全に頭が狂ったかのどれかが私の身に降りかかったってところだろう。
私的に狂うのはちょっと嫌なので悪夢説を推したいところだけど、夢にしてはあまりにリアルすぎる。胸も股間も全く普通に感じていて、手が性感帯に乱暴な動きで触れるたびに電気みたいな快感が走るのを確かに感じる。
これまでオカルト趣味はないつもりだったが、もしかしたらそっち方面に転向する必要が出てきたかもしれない。

「……っく、き、気持ちいっ……。……ま、まぁ、パジャマが全身グレーのスウェットっていうのはやめてほしい感じするけども……!」

右手の親指と人差し指で乳首を擦りながら、ガニ股になって左手で性器周辺をまさぐる。自分の身体に興奮しきっているのか、愛液が安物のショーツから溢れて、まるでお漏らししちゃったみたいにスウェットの生地を内側から点々と濃く染めていく。お股とショーツに挟まれた左手からぐしょぐしょの陰毛の感触が伝わってくるのがなんとも気持ち悪い。こんなことなら処理しておくんだった。

「ふ、ふうっ、ふっ、う、うあ……マンコが……うぅ……」

中指が膣口を捉える。つぷ、とおっかなびっくり指の先を挿入させると、私は背筋に走るゾクゾクとした刺激に腰砕けになって、床にどすんと尻もちをついた。
ぐえっ、と野太い声が漏れる。幸いフローリングの床には小っちゃいじゅうたんが敷いてあるので、お尻に痛みはあまりない。

ん? そうか、お尻か。

『俺』は、右手を一旦乳首から離して、スウェットの下とショーツを膝までずり下ろした。つるつるの肌にじゅうたんのごわごわした毛羽立ちが突き刺さる。
うあー、そうか。俺は今、和東のお尻で、和東の脳を使ってじゅうたんの感覚を得ているんだな。そんなことを考えて、改めて和東の身体に憑依している事実を噛みしめながら、俺はマンコをじゅうたんに擦りつけるように腰をヘコヘコと動かし────って違う違う、これは私だろうが!

……なんだいまの、危ないところだった。少し気を抜いた途端に、私の思考がいつの間にか全然違うものに切り替わっていた。一人称まで違う。
え、今は……大丈夫だよね、うん。私は、和東沙耶だ。あー怖かった。
今の一瞬、確かに私は自分のことを男だと思い込んで、自分からこの身体にえっちなことをさせようとしていた。しかもかなりスケベなやり方で。
えっじゃあなに、いま私にはエロ男の霊が憑りついてるってこと? さ、最悪すぎる……!

未だ身体は動き続ける。
私がこれまで経験したことのない男としての興奮に心の中で心臓をバクバク脈打たせていると、私の身体は女の快楽を貪るように両手で性器を弄り始めた。

「おあー……。……あー……。あぁっ、ここ、ここだっ! ここっ、気持っちいっ…………! ふぅ、うおおっ……!!」

明らかにこわごわといった手つきで、しかし加減の知らない強さで乱暴に膣周辺をまさぐる。女の子には基本処女膜があるって知っとんのかこいつは。

鼻の下を伸ばし、膣を覗き込むように猫背になって、一心不乱にお股をほじくっていく。

あっやばい。クリトリスが、勃っ……! ちょっと、強い、強いって……!

「ぎゃっ!? ……こ、これ……イッ……っくく………………おえ゛っ…………」

私は、女子が出すべきでない声色の喘ぎ声とともに、あっという間に絶頂を迎えた。
ううっすごい、なんだこれ。私の今までのオナニーの中でもトップクラスに気持ちいいかもしれない。そして、トップクラスにお股がひりひりする。

足を広げた体操座りみたいな姿勢から仰向けになって、襲い来る快感の波に耐える。

「おお、おっ、お……ほごっ」

斜め後ろに置いてあった姿見に、鼻水を垂らして悶える自分の姿が写る。我ながら直視できないくらいあまりにも情けない格好だ。しかし私は、そんな自分の醜態を記憶に焼き付けんとばかりに目をかっぴらいて凝視する。
なぜそんなことをするのか。考えなくてもわかる。
大好きな女子がオナニーでイキ狂っている姿を思い出して、後でシコろうと思っているのだ。

……あー嫌だ! 恥ずかしい!
実はさっき絶頂した瞬間に、憑依していた奴の思考が私の頭の中にどばっと流れ込んできてしまったのだ。うぅ、自我同一性の危機だ。どういう仕組みか分からないけれど、ぐわっと意識が二人分になって、私の脳に被さってきたみたいな感覚がある。

この脳内情報によると、いま私の身体で涙目になってハァハァしながらひっくり返っているのは同じクラスの品本くんらしい。
うえぇっ、マジか! 品本といったらうちの学校の生徒会副会長を務めている真面目な男子だ。というか、それぐらいしか知らない。接点が全然ない。

そうか……品本か。品本が、私のことを好きなのか。
純粋に好意をぶつけられたのは初めての経験なので、それに対する喜びの気持ちと、なんでこんな能力が使えるんだよという疑問と、いますぐやめてくれという文句と、私の身体ってこんなにエロかったんだという新鮮な驚きが頭の中を駆け巡る。
……いやおかしいおかしい、さすがに自分に欲情してたらヤバいって。

うわー、ひょっとしたらかなりまずいかもしれない。怖い。私の精神のけっこう深いところまで品本の思考が入り込んでいるみたいだ。いくら「和東沙耶」に対する恋慕と情欲の思いを鎮めようとしても、心のどこかで「これからもいっぱいこの身体でエロいことしてやるぞ」と考えてしまっているし、むしろそれが当たり前だ、いつもこうだったじゃないかと納得しかけている自分もいる。これってひょっとして本当に私の人格が上書きされている?

ううう……。そういうことじゃないって、あれは。
だめだだめだ。自分をしっかり持て。負けんぞ……。品本なんかには、私は……!



結局、次の日の練習試合は熱を出したので休むことになった。あれからすぐに品本は私から出ていったのだが、そのあと一晩中全裸で自分の身体オカズにしてオナニーしてしまったせいですっかり冷えてしまったのだ。正直自己嫌悪がすごい。

……しかし、安心したことに、結局私の身も心も品本に乗っ取られたりなんてことは起こらなかったようである。
少なくとも体感で言えば、そう、前よりちょっとスケベな自分を見るのが好きになったくらいで、私は確固として『私』のままであった。

たぶん。





そして今日は月曜日。
例の事件があってから二日あったが、そのどちらとも私は憑依されて散々な目に合った。

詳しく言うと、土曜日はずっと三十七度九分くらいの熱があったのに郵便受けに入ってた謎のスク水(しかも旧型!)着てエロ自撮り撮影会やらされて、日曜日は品本の顔写真でオナニーをさせられた。

嘘だろこいつ自分で興奮するのかよ、と思ったけど、「こんだけ刷り込んどきゃあ」みたいな独り言から察するにどうやら「和東沙耶の好きな人」として私の自我に品本のことを植え付けようと試みていたみたいだ。そして悲しいことに、その試みは見事大成功を収めていたらしい。
私にこんなことしてる時点で好感度はダダ下がりのはずなのに、今日一日どうしても授業中に品本の後頭部をチラチラ見てしまったり、ふとした瞬間に「おっ」と思ったりしてしまった。明らかに品本に対して、私の恋する乙女モードがちょいちょい起動している。

……あーもう勘弁ならん! 自分に発情させたりとか、もうこれ以上私の価値観を弄ばないでくれ。あと正直、気づかれてないと思い込んでいろいろやってるのも恥ずかしすぎて見ていられない。
文字通り変に情が移ってしまったせいで恐ろしいことに「金輪際私に関わるな」とは言えないほど品本のことが気になるようになってしまったけど、それでも文句の一つだけでもつけさせてもらいたいものである。

と、いうわけで私は放課後、品本を校舎隅の少人数教室(そういうのがある)に呼び出すことにしたのだった。





薄暗い教室で、机にドカリと腰を下ろして待つこと二十分。ボロい引き戸がおそるおそるといった様子でゆっくり開かれる。

「…………あっ、あの、和東さん……だよね? えっ、ぼ、僕に用があるって聞いたんだけど……」

品本だ。相変わらず印象に残らない顔をしている。

私は腕と足を組んで彼をキッと睨みつけた。
こういうときに大事なのは相手に優位をとらせないことである。もちろん私に憑りついて好き勝手操れる時点で確実に品本に分があるのだけど、ここでひるんではいけない。
私は友達がいないせいで、クラスでは寡黙なキャラとして扱われているのだ。私の柄ではないが、ここは高身長な運動部女子の端くれとしていくらか威圧感を演出させてもらおう。

「……あの……」

品本は私の目論見通り、さっきまでの「ひょっとして告られるんじゃないか」みたいなニヤケ面はなりを潜めて、怯えた様子で私の顔と股間に目線を泳がせだした。こら、スカートを覗くんじゃない。下に短パン履いて来てるに決まってんだろ。

「……で? なにか私に謝ることあるんじゃないの?」

できるだけドスの効いた声でカマをかけてみる。

「……え?」

「ほら。金曜日。どう? 昨日でもいいけど」

「え?……え?」

さらに目が泳ぐ。私の言っていることが信じられない、といった表情だ。

「えじゃなくて。分かってるから。全部」

「……いや、え? ……マジ? ちょ、え? うそ、覚え……?」

品本の顔色がみるみる青くなる。やはり私に気づかれているとは露ほど考えてもいなかったのだろう。
すぐにでも泡を吹いて失神してしまいそうなうろたえっぷりに、思わず笑ってしまいそうになる。

「えっ……て、てことは、え? 和東さん、分かっ……て、たの? ずっと?」

「何が?」

「うっ……ぼ、僕が……その、憑依を……して、その」

「うん」

「オ、オナ……を」

「うん」

「……うわーっ! マジ!? うわっ、ご、ごめんなさい、あ、え、えっと、その、ま、まさか認識できる人がいるなんて、こんなこと初めてだから……あー違う、その、なんていうか、勝手に身体を使ってひどいことをしてしまってすいませんというか……!」

品本はわかりやすくパニックになると、綺麗な土下座の姿勢で床に頭を擦りつけた。そんなに謝るようなことだと分かってんだったら最初からすんなっての。
とはいえ、なんとなくの偏見だけどこういう人って下手に刺激すると逆上して仕返しみたいなことしてきそうだなと思っていたので、ここまで素直に謝ってくれるというのは意外である。いや、仕返しとかしないでくれるに越したことはないんだけどね。


……しかし、毎晩毎晩やけに大胆なことするなとは感じていたけど、この反応を見るに私はだいぶイレギュラーな存在なのかもしれない。
なに、もしかして普通は憑依って認識できないの?
疑問に思ったので本人に聞いてみる。

「品本くんはなんでこういうことができるの?」

「あっ……す、すいません……。心に傷をつけてしまって……」

「いや、そうじゃなくて。この、憑依? みたいなのってなに? トリック?」

「あー……、いえ、生まれつきそういうのができるんですよ僕……。本当に、そういうのができるとしか言いようがなくって。今まで十何年と使ってきたんですけど、まさか乗り移ってる間のこと覚えてる人がいるなんて」

「はーん……」

「はい……すいません」

机から降り、今にも消えてしまいそうなほど萎縮しきっている品本くんに近づく。
びく、と肩が震えるのが見える。きっとボコボコにされるとでも思っているのだろう。

……でも、不思議なことに、いざこうなると私にはとてもその気は起きなかった。自分がされたことを考えたら寝技で締め落としてもお釣りがくるぐらいだとは思うのだけれど、これまで彼に憑依されて少なからず精神を弄られてしまった私には、品本が「和東沙耶」に憑依してエロいことをしてやろうとしたその気持ちが不本意にも理解できてしまうのだ。
実際、すでに私はシャワー浴びるために服を脱ぐたびに全裸の自分見て乳首を勃起させているし、おしっこに行くたびに陰毛の感触を確かめて個室でニヤニヤしては我に返っている。
今の私は、常に行動原理の隅っこに彼がいる状態なのだ。そして、その感覚をどうしても私は払拭できそうになかった。

「……いいよ」

「え?」

「これからも、私に憑依していいって言ってんの」

「……え? マジですか?」

品本が、駅のホームにいるヤバい人を見るときと全く同じ顔で私の目を覗き込む。

「いや……なんか僕、めっちゃ嬉しいです……」

「……ほら、今だって私憑依されてないし。そういうことしないなら、ある程度良識は残ってるかなって。……あとは分かるでしょ」

品本は、ぎゅっとスカートのすそを掴んだ私の手を見て生唾を飲み込む。

……ぎゃー、なに言ってんだ私は!
うわ、すごい。いますごい選択肢を間違えた気がする。男の思考で感じる一時の快楽というものにまんまと流されているじゃないか。なんでだ。もともと品本に文句言うために呼び出したはずだったのに。なんでこんなこと言っちゃったんだ!?

うぅ……。めちゃくちゃ後悔してしまったが、ともあれ彼のリアクションから察するに、私のこの一連の思考は悲しいことに自分の力で組んだものと見て間違いなさそうだ。
もし憑依を認めるところまで品本くんのシナリオ通りだったなら、私は「殺してくれ~!」と叫んでひっくり返ってしまうだろう。

「あっ、でも、条件つけさせて」

「そりゃもう、全然構いません!」

品本は正座をして、生徒手帳のメモ欄を開いた。うーん、勝手に乗っ取れるから本当に立場が上のはずなのに、やっぱり妙に腰が低い。
これはあれか。私のことが好きって思ってるらしいから、ひょっとして好感度アップを狙ってるのか。

「憑依していいって言ったけど、第三者に見られたりとか、私の人生が終わるようなことはやめてほしいんだ。怖いから」

「あー、もちろんいいですよ。 あの、僕が乳幼児だったころ、知らん間に憑依して母の身体で四六時中泣き喚いてたことがあったらしくて。その話を聞いてから、できるだけ憑依するときは周りの人に迷惑をかけないように心掛けていたつもりではあるので」

「そうなの?」

あれで心掛けてたつもりなのか?

「はい。ふつうの人は僕がしたことを『自分の意志でやった』って勘違いしちゃうので、大抵のことは良い感じに辻褄合わせてくれるんですけど。……和東さんはマジで例外です。で、えーと、母の場合はトイレトレーニングが最初からになっちゃったので、僕が憑依能力を自覚して小学校上がるくらいまでおむつを外せてなかったんですよね。周囲からは育児ノイローゼで頭狂ったと思われてたみたいですし」

めちゃくちゃ怖い。

「じゃあ、そういうことで大丈夫ですか?」

「……あ、待って待って。そうだ、私、部活で柔道やってるんだけど、練習試合のとき代わりに出てもらっていいかな」

「と言うと?」

「月イチで他校と合同練習があるから、そのときは私の代わりに身体動かしてほしいのよ」

「あー……なる、ほど。わかりました」


……よし。たぶんこれで、品本は憑依したとしてもあまり過剰なことができなくなったはずだ。少なくとも私が全部監視してるってのは分かってるはずだし。ついでに部活も楽になった。


それから、私たちは二人きりの教室でお互いについて話し合った。彼は入学当初から私のことが気になっていて、憑依して恋心を植え付けても周囲から怪しまれないように生徒会に入ったらしいこと。今の私のものの見方に、若干品本くんの思考が混ざっていて大変だからなんとかしてくれってこと。

部活が始まるまでのわずかな時間ではあったけれど、秘密を共有できるような相手ができて、なんとなく気持ちが楽になったような気がする。
もちろん、その相手は明らかにどでかい懸念材料を抱えているのだが。





「うっ……ぐぅ、うう……うおお……すっご……」

ブレザーの中に左腕を突っ込み、筋肉質な胸をブラごと乱暴に揉みしだく。ジャージのショートパンツごとショーツを脛まで下ろして、右手をスカートに潜り込ませて秘所を掻き回す。

いたたたた、強い強い。今日も品本に憑依されているが、彼はやはり加減を知らない。身体から抜けた後の処理をするのは和東だから~とでも考えて、無責任に動かしてるんじゃないか。

荒い息遣いとぐちぐちという水っぽい音が自室に響く。湿り気を帯びてやわらかくなった陰毛を、ときどきからかうように引っ張ってくるのがとても腹立たしい。しかも、どうやら私はそれに興奮しているらしく、毛をぎゅっと引き上げるたびにお股が震えるくらいゾクゾクする。少なくとも以前の私はマゾではなかったはずだから、品本の趣味がうつってしまったのかもしれない。

「お……おお……。あ、だめだ、だめだこれっ……うっ、くく……」

私は立ち膝からカーペットにおでこをくっつけ、這うようにして座卓の下に入り込む。

「ぎぃっ…………! あっ、あうぅ…………い、イッてる……イッてる……あ、ああ……」

両足で右腕をぎゅうっと挟み込み、悶える。股間がヒクヒクと震え、手のひらに生温かい汁が飛び散っているのを感じる。

「あー……ああ…………へへ……うあ゛っ!」

脳みそで火花が散るような感覚とともに、鮮烈な心地よさが全身をじんわりと貫いた。



「……あー気持ちよかった……へへ、和東さんも満足したでしょ?」

完全に捲れたスカートから真っ白なお尻を突き出しながら、ぬるぬるの指をお股の割れ目にあてがってぺちぺちと叩く。自分からは見えないけれど、たぶん今すごくアホみたいな体勢になっているのだろう。そして、そんな猥雑な自分の姿に私が興奮してしまっているというのも確かだった。



憑依について品本に直談判してから早一週間。私は、それから毎日のように憑依されて深夜までオナニーに励んでいた。

部活を終わらせてへとへとな体に鞭打って、寝落ちするまでひたすら自慰に耽る。
こんな生活を続けさせられていたうちに、どうやら私は憑りつかれることに適応したらしく、今では憑依中も完全に自分の意志を保てるようになっていた。
最初に吹き込まれた自分の身体への性的な眼差しとかは依然としてあるままだけど、下品に乱れた自分を見る嫌悪感もちゃんと残っている。思考が混じるような感覚がしなくなったおかげで、一応常に自分でいられるようになったのはけっこう嬉しい。
むしろ最近では、いわゆる賢者モードを回避できるという女子特有の性質を利用して延々とオナニーをし続ける品本に少しうんざりしつつあるくらいだ。でも、よく考えるとそれは「私が平常時も常に自分で興奮してるから、憑依されてる間だけ特にがっつかれるのが面倒に感じる」というのが理由かもしれない。最悪。


今日は部活が臨時の休みだったので、いつもはちゃんと帰宅してシャワー浴びてご飯食べて課題終わらせてから憑依→なにかしらオナニーになるところが、帰宅後即憑依コースになってしまった。
家に着いた瞬間、私はダッシュで二階の自室に駆け込み、制服のまま快感によじれていたのだ。家族が誰も帰ってなくてよかった。

「はー……はー……はー……」

口の端から垂れたよだれが、カーペットを濡らす。

「あー、ああ、いかんいかん、じゅる、マン汁も垂れてきちゃった……ぐうっ!」

私は先ほどの絶頂からなんとか立て直して起き上がると、さっきまで履いていたた白のワンポイントソックスを拾って、お股の水気を思い切り拭った。
すっかり敏感になった股間とがちがちに勃起したクリトリスに、経年劣化で毛羽立った綿が直撃する。

「うお、おお……お…………!」

思わぬ強烈な快感にまた膝から崩れ落ちる。
うわっ、目がちかちかする。私の身体ビギナーである品本は雑なクリオナの不意打ちに耐えられていないようだ。

「ひぃ……ひぃ……うっくく、いっ……つつ……痛って……いたたたた」

やはり心の準備が出来てない内にこの快感はつらいのだろう。私はお股を押さえつつ這うようにベッドの上によじ登って、そのままごろんと仰向けになった。
心臓がバクバク脈を打つのが聞こえる。確かにメチャクチャ気持ちいいけど、そんなにオーバーなリアクションとらなくたっていいんじゃないかな。

「ふぅ、ふぅ、ふぅ……ああっ、はぁ…………うぅ」

過呼吸めいた浅い息を繰り返し、勝手に震える腰を落ち着かせる。身体から汗が吹き出し、無意識に垂れ流しになっていたおしっこがマットレスに染みを作っている。
……え、お漏らし? うーわやめてよちょっと!

「あ、漏らしちゃった……。怒られるかな……。わ、和東さ……ご、ごめ……おしっこ、我慢できないすわ…………んぎぃぃぃっ!! …………ふ、ふへぇ……」

私は、私あてに失禁の謝辞を述べると、そのままクリトリスを思い切り引っ張って動かなくなってしまった。


くそ、こうなるから嫌なんだ。私の身体に憑依してスケベなことしてくれるのは許可した手前百歩譲ってまぁいいんだけど、彼は絶対調子に乗って面倒くさいことをする。これはこの一週間で判明した、品本の本当に良くないところだ。
以前も明日使う柔道着をオナニーのオカズにして愛液まみれにした挙げ句、部活中上四方固め受けてるときに急に憑依してきて後輩の下履きの臭いを嗅ぎまくられたことがあった。あれもやめてほしい。

たぶんこれは一度ちゃんと注意したほうがいいんだろうな。彼は欲求に素直すぎてそうなっちゃうきらいがある。
私が品本に憑依を許しちゃったのも、きっとあのとき彼のその調子乗り性質が私に伝播していたからだと思っている。だって今なら絶対あんなこといわないもん。

……でもまぁ正直なところ、最近は今のところ直接被害受けてるのは私だけだから、私が我慢すればいい話なのかな、とも考えている。もしもその欲求が他人に向かってしまったら、それこそ彼のお母さんみたいになりかねないわけだし。



二時間部屋の掃除とシャワーをしながら考えて、私はとりあえず『睡眠時間削るのと、七歳下の妹がいるのででかい喘ぎ声は教育によくないから控えてほしい』旨のメッセを注意として送ることにした。

あー、ここでもまた生来の遠慮癖が出てしまった。
本当なら私は被害者だからもっとガツガツいっていいはずなのに。……でも、血迷っていたにせよ、一回憑依OK出してしまった以上後からそういうこと言うのはよくないかもしれないよね……。実際自分もこれで興奮しているし……。復讐されても怖いし……。
うーむ、悩ましい。


品本からは、五分後に『わかりました!!』と妙に元気のいい返事が返ってきた。





『はぁ……はぁ……♡ んっ♡』

次の日の夜。数学の予習をしていたら、隣の妹の部屋から嬌声が聞こえてきた。

『いっ……妹ちゃんの……こ、子どもおっぱい……っう、うはぁ』

……げ。まさか、優美まで。慌ててイスから立ち上がり、壁に耳を当てる。

『うぎぃ……あー……いいなぁ、ロリコン垂涎のオカズが、目の前に出来上がってる……うっ!』

間違いない、妹の優美も品本に憑依されている。おい聞いてないぞそんなの!
やめてよ、私以外の家族に干渉しないでよ。違うじゃん話が。

「えっ……!? ちょっ、んふ、んっ……マジ……?」

私はスウェットの下と紺のショーツを下ろし下半身を外気にさらすと、かすかに水っぽくなっていたマンコにシャーペンをぐりぐり押し付けた。
うわ、きた。もう完全にわかるけど、これは自分の意志じゃない。品本に操られているやつだ。

「ふぅ……よし、たぶんこれなら和東も認識できてないはずだよな」

にへらと口角を緩めて、私はそんなことをのたまう。
なんで~? 普通に分かってんですけど。こいつの中ではこの一週間でなにかレベルアップでもしたつもりなのか!?


しかし、これはまずいぞ。私が知ってるって伝えた上であれだったのに、気づいてないと思い込んでるんだったらもっと悪乗りしちゃうんじゃないか。

「へへへ……」

シャーペン伝いに手まで愛液が垂れてくる。うわ、もう引くほど出てんじゃん。頼むから妹オカズにして私に発情させないでくれ。罪悪感しか残らないから!

「っ! 痛って!」

……痛っ、いたたたた。尖ったペン先が陰唇に思い切り突き刺さった。し、シャー芯しまってないのかよ……! 膣から流血でもしたらどうしてくれんだもう。

「そうだ、さっきまで使ってたから芯出しっぱだったんだ」

まいったな、とお股をさすりながら、ねちょねちょのシャーペンを机に置く。すると、

『お姉ちゃーん? そっちもう大丈夫~?』

優美の声だ。
おかしいぞ、なんか媚びてるみたいな声を出してる。理想上の生意気女児の演技みたい……というか。絶対にいつもの優美ではない。

「うーん! 和東の意識は完全に封じたからもう大丈夫ー。いつでもどうぞー」

どうぞじゃないよ! ウワーまずい。なにされるかわかったもんじゃないぞ。優美~!


「おじゃましまーす」

そう言いながら入ってきた妹の姿を見て、私は心の中でガックリ肩を落とした。いつも着ているお気に入りらしいピンクと薄橙色のボーダーパジャマが雑に切り抜かれて、乳首とつるつるの股間が丸見えになっていたのだ。

「ふへへ、どうよこれ。めっちゃエロくない?」

優美は振り返り、同じく切り取られて丸出しになっているお尻の穴を突き出した。私はそれを見て、うわ~すっご、ロリのアナルじゃん、などと意味不明なことを口走る。

「ね、やばいでしょ。和東のマンコももうぬるぬるになってるよな」

「そりゃそうよ」

スウェットを脱いで鈍く光る股間を外気にさらす。さっきにも増して愛液がビチャビチャにあふれていて、太ももからふくらはぎまでしずくが伝っているのがわかる。

「あれ、妹ちゃんは今……どっち? 入ってる?」

「入ってる入ってる。そりゃせっかく複数人同時に憑依できるようになったんだから、まず試してみるべきでしょ。対和東で絡みするのも初めてだし」

わー、やっぱり優美もまだ憑依されてんのか。もう抜けられてて完全に思考が変えられた後、じゃなくて安心したけど、事態は全く好転していない。

「言われてみりゃそうか……さすが俺だ。あ、アレは? ちゃんと洗面所でアレ持ってきた?」

「持った持った」

優美は、不自然に膨らんだパジャマの両ポケットをポンと叩く。

「じゃ、早速やっちゃうか」

「よっしゃ!」

ごほん、と同時に咳払いすると、私と優美は棒立ちで向かい合わせになった。

「……ちょっとお姉ちゃん。なに私のおまんことケツマンコ見てボーボーのマン毛濡らしてんの? 意味わかんないんだけど。キッモ」

うぐっ、言葉責めだ。妹の声で言われるとかなり心に来る……。

「っふ……へへ、ご、ごめんね……? お姉ちゃん、実の妹の子どもマンコで興奮しちゃう変態なんだ。お、お詫びに、妹ちゃ……名前なんだっけ?」

「たぶん優美」

「……優美のお願い、なんでも聞いてあげるから」

優美は、ぱっと顔を明るくする。

「ほんと!? ほんとになんでも!? じゃあ、今そこでマンコ出して横になってよ」

「はいっ!」

言われるがまま、私はいい返事をして下半身裸で床に寝そべった。

「よっと……よいしょ」

「んぐっ……ゆ、優美、なにやってるの……?」

「なにって、お姉ちゃんに顔騎してるんだよ。だってお姉ちゃんは『他人のおしっこ飲むのが大好きな飲尿ジャンキー』でしょ? ちょうど私もすっきりしたかったし、一石二鳥じゃん」

また変な設定が足された。これひょっとして、憑依から解除されたあとの私を飲尿マニアにでもしようとしてんのか?

「……じゃあ座るよ? ……よいしょっと」

逆光のお尻がぐんぐん近づいてきたかと思うと、すぐにぎゅむっと顔に体重がかけられる。無毛の女性器と肛門がそれぞれ口と鼻にピタリと触れ、ダイレクトな悪臭が鼻を刺す。さすがに拭いてはいるだろうけど、それでもかなり臭い。

「む……むふー、い、いいにおい……!」

私は口で正反対の感想を述べると、興奮して手足をばたばた動かし、身もだえする。正直見ていられないぐらい気持ち悪い。

「ふっふふ……。じゃあ、いい? お姉ちゃん。おしっこ出すよ?」

「むー! だひて! だひて! ゆうみのおひっこ、さやにのまひぇて!」

「へへ……んっ……!」

しょろろろ、という音とともに、口の中にひどいアンモニア臭の液体が注ぎ込まれていく。そして私は、それを一滴も逃すまいと必死の形相でマンコにしゃぶりつく。
うっ、やばい。私の頭はこのおしっこの味を「美味しいもの」として解釈しているみたいだ。油断してると本当に飲尿マニアになってしまいそうなくらい、妹のおしっこに夢中になってしまう。一滴もこぼしたくない。
割れ目に舌を這わせ、ぶちゅぶちゅと下品に唇を鳴らす。

「っつつ、で、出てるよ……! ほら、お姉ちゃんっ……!」

「ん、んぐっ、んぐっ、んぐっ、んぐっ……あぶ、んふぅ……んぐっ」

妹にせっつかれながら、私は目をひん剥いて自分の股間を掻きむしった。
優美のおしっこの味と肛門の臭いと、頭をロックする太ももとお尻の感触に信じられないほど興奮する。
あー、和東の妹のおしっこを和東の身体で飲んでる。知らないうちに飲尿癖が植え付けられてるって、もし本人に気づかれたらめちゃくちゃ怒られるんだろうなー…………いや、怒るよ。怒るよマジで。あっぶな、また品本の思考になってた。
なるほど、確かに憑依レベルが上がっているわけだ。おしっこの味もだし、最近なかったのにまた品本になってた。まぁ、私の方が強かったみたいだけど。

「んっ……おいひぃ、おいひ……んんぅ」

私は生温かいおしっこののどごしを満面の笑みで感じながら、一刻も早くこの時間が終わってくれ、と心の底から願った。



数分後。私は、優美のパンツを顔に被ったままヘラヘラ笑ってお股を開いていた。
どうやら優美はここに来る前から自身が昼間履いてたマリン柄のショーツをポケットに仕込んでいたらしく、あのあと股間を私の髪で拭ってから「こんな変態女の顔面なんて未処理の剛毛おまんこより恥ずかしいよね」とか抜かして被せてきたのだ。悪かったな未処理の剛毛おまんこでよ。
そして私は、バカみたいな顔をしてそのショーツの薄茶色くなっているクロッチ部分を内側から舐めまわしている。

「──で、こっちが今日のお風呂上りに妹ちゃんが履いたパンツね」

必死に妹のショーツをしゃぶっていると、眼前にピンク地に紺ドットのややくたびれたショーツが掲げられた。優美けっこうこれ履いてたね。

「ほーら、お姉ちゃん。いつまでもマン毛ボーボーの恥ずかしいお股なんか出してないで、ちゃんとパンツ履きましょうねー」

「むふ、へへ」

私はオムツを替えてもらうみたいな体勢になって、優美の手引きに従い器用にショーツに足を通していく。サイズがかなりちっちゃいので不安だったが、優美が無理やり引っ張って股間に食い込ませてきたおかげでなんとかお尻を入れることができた。
ピチピチのかわいらしいショーツから覗く黒々とした陰毛とがっしりした大腿筋は明らかにミスマッチで、鏡を見なくても分かる自分の姿の情けなさに泣きそうになる。

「ね、お姉ちゃん! 優美はもう、いつでも準備OKだよぉ」

いつの間にか脚の間に腹ばいになっていた優美は、上目遣いでそう宣言するとそのままショーツ越しに性器をぱくっと咥えた。口内のあたたかい温度がじんわりとお股に伝わってくる。

「ふおっ……す、すごっ、きもちいっ……!うへぇ……マ、マンコが……ロリのクンニが、温か……うひぃ!」

年相応のの控え目な肺活力でちうちうと刺激を与えられ、私は気持ち悪い声を出して喘ぐ。

「ちゅる……あれ、お姉ちゃん、なんでクリトリス勃たせてんの? パンツ越しに分かるくらいバキバキって……へへ、どんだけ変態なんだよ。脇汗も垂れ流しでくっさいしさぁ」

嘘でしょ、と動かせない眼球からなんとかスウェットの脇周辺がじっとり濡れそぼっているのを見る。少なくとも今まで興奮して脇汗かいたことなんてなかったはずだ。
どうやら品本の緊張が私の身体に反映されたせいで、体質まで変わってしまったらしい。うう、めっちゃ恥ずかしい。せめて憑依が抜けたあとまで引きずらないといいんだけど。

私は脇に顔を寄せてふんふんと臭いを嗅ぎながら、優美の頭を足でホールドした。
ぶぎゅ、とくぐもった声を上げつつ、優美は苦しそうな表情でなおも性器を吸い続ける。

……え!? ちょ、ちょっと待って、私、ここでおしっこしようとしてない!?
うわマジかよ。どんどん股間の力抜いてやがる。いやまずいって、妹のショーツ履いてお漏らしするってもう、そんなの、あぁだめだ、出る出る、出ちゃ────

「ふっ、ふぅぅ……。わ、和東の身体でおしっこするのめっちゃ気持ちいい……」

最悪だ。私は、女児向けの下着を履いたまま妹に放尿してしまった。ショーツにじわじわ染みわたっていくおしっこを、股間に固定した優美が頑張ってじゅるじゅる吸い取っている。
うぅ、ごめんね優美。おしっこなんか飲ませちゃって。しかも全然吸引力が放尿量に勝ってないから、おしっこはあえなく私のお尻を伝ってカーペットにぐんぐん染み込んでいく。
ぎゃー、絶対臭いついた。あとで消臭しとかないと……。

「んっく……んっく…………ぶはぁ、お、お姉ちゃん、おぇっ、これで、はぁ、お、おあいこだね……!」

酸欠で顔を真っ赤にした優美が、おしっこまみれの顔面をこちらに向けて微笑む。よっぽどしんどかったのか、鼻水も涙も垂れ流しでへろへろになっているのがなんとも痛々しい。

「はー……。しかし、和東に妹いるって分かったのはラッキーだったな。優美だっけ? そういえば他の部屋とか全然物色してなかったもんな」

「な……。ほ、ほら見てみ、げっほ、妹ちゃんのお腹、和東のおしっこ飲みすぎてぽっこり膨らん……ぐぼっ!?」

私は突然、つらそうに喋る優美の小さい口にさっきまで履いてたおしっこ濡れのショーツを丸めて突っ込んだ。な、なにやってんの!?
後頭部を引っ掴んで、頭がぺちゃんこになっちゃうんじゃないかってぐらい力を入れてショーツをグイグイ詰め込んでいく。

「むご……ん、んぅ……! お、おぇ、んー……!」

もちろん、優美は目を白黒させて必死に吐き出そうとするが、女児の力では私の腕から抜け出せるはずもない。私はじたばた暴れる幼い身体をひょいと持ち上げて、口が開かないように押さえたまま胸に抱きかかえる。

「よっと……。へへ、あのときは焦ったけど、おかげで複数人も余裕でいけるようになったし……明日から和東にどんなことしてやろうかな……」

私は、優美の乳首を中指でぴしぴし弾きながら、そう言ってだらしなく笑った。





あー、憂鬱だ。
正直に言って、今までは私一人の被害で済んだからなんとか我慢できてたが、妹にまでその手が及ぶんだったら話は別だ。あのとき教室で言ってたのはなんだったんだ。

あの後、憑依が抜けた瞬間に妹を介抱して大丈夫だったか聞いたところ、やはり私と違い「自分からそれを進んでやった」と思い込んでいたからいろんなことに対してかなり認識が歪まされていた。
なんだかんだで私は大丈夫だったけど、今朝トイレしてるときに優美は普通におしっこ飲みに入ってきたからもう完全にアウトだ。絶対あいつのエロがインストールされちゃってんじゃないかよ。



『うわー! あははは、イッグ! あーやめてやめて、イっちゃうからぁ!』

『なにその顔めっちゃエロくない!? ちょっと誰か、こっちにもペニスバンドちょうだいー!』

「……はぁ」

私は、ぎゃあぎゃあと騒がしい声が響く柔道場を廊下から眺めてため息をつく。
強化ガラスの奥では、普段ならとっくにアップを始めているはずの女子柔道部員たちが柔道着の上だけを着てタイマーの音に合わせて乱交をしていた。
チラッと覗いただけでも、濃厚なレズセックスやなにやらおぞましい道具を使ったなにか、そして畳に散らばる大便らしき物体を肛門に尻尾を突き刺して犬みたいになって貪る後輩たちの姿が見てとれる。親友の知ちゃんは先鋒の一年の子とシックスナインになってるし、顧問の多可子先生はそんな部員の痴態をオカズに白帯を乾布摩擦みたいに股間に擦りつけてよがっていた。

「あーもう……どうなってんのよ」

ぽつりと呟くと、私に気づいた柔道場の全員が一斉にこっちを見た。こわっ。
みんな一様に貞操観念がぶっ壊れたみたいな下品な表情をしていてなんとも情けない。

「あ~っ沙耶ちゃーん! そだ、私いまおしっこしたいんだけどさ、飲んでくれなーい?」

親友の知ちゃんが、柔道着の上だけを羽織ったほぼ全裸で、胸をぶるぶる揺らしながらアホみたいなことを言って駆け寄ってくる。
学年で三番目に頭がよかったってのにこのざまかよ。謎のひっかき痕ですっかり赤くなった白い素肌を晒して、ほ~ら、と後輩のよだれでテラテラになったマンコをこちらに突き出してくる。




……もう、調子乗んじゃねぇぞ。ふざけんな。

私は「あ゛ー!!」と叫んで知ちゃんを突き飛ばすと、生徒会室に向かって走り出した。
もうだめだ。やっぱあいつ一回締め落とさなきゃだめだ。

上も脱げて完全に裸になった知ちゃんが真っ青な顔で「え、まさか、昨日のって……」みたいなこと言ってついてくるけど知ったことではない。

まず一回気絶させてから、昨日の謝罪とみんなの性癖の解除をしてもらおう。

私自身はもう心に影響を受けているし、憑依されてしまったらその間は彼に手も足も出なくなってしまう。でも、彼のやりすぎな行為にブレーキをかけるのはたぶん私の役目なのだ。この段階まで来てやっと決心がついた。もしかしたら、私が柔道をやっていたのはこのためだったのかも。

品本に逆恨みされて露出徘徊とか社会的に終わるようなことを即させられるかもしれないけど、もうなりふり構っていられない。そこは、私にすがりついて必死に言い訳してくる取り乱した知ちゃんの姿から、彼がそこまで理不尽な性格ではないことを推測するしかない。大丈夫、すぐに起こしてやるから。



私は生徒会室に飛び込むと、すぐさま品本の首根っこを掴んで床に押さえつけた。
「ご、ごめ、うげぇっ」と品本と足元の知ちゃんとなぜか下半身を露出していた生徒会長まで同時に言うのが聞こえる。

私は首に腕をまわし、背中にバシバシとタップされるのを感じながら思い切り力を込めた。

締めが決まった瞬間、私はこれからの人生の展望が大きく開かれたような気がした。

[ 2020/12/06 18:00 ] 憑依モノ祭り(憑依ラヴァーver.) | TB(-) | CM(0)
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